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23 そして今日

 私はなぜここにいるのだろう。我に返ると、ここではなく自分の部屋に帰らなくてはと思ったりする。


 同居人は結婚式をあげてすぐ、査察という名目で父に連れて行かれ、3か月後の今日帰ってくる。新しく出来た母(姑)との暮らしに微妙な気を使いながら私は毎日を過ごしていた。子が子なら母も母。個性的なお母様だなぁと毎日驚くことばかりである。


 池の密会(?)から近衛隊に連行されて、チェザーレと私は父の目前に連れ出された。そして、そこには王妃である義母とオレーリアも揃っていた。義母は私を睨み付け、オレーリアは困ったように私たちを見ていた。いつものように円卓に座る。違うのは私の隣にチェザーレがいること。


 「娘よ。」


 父は言い、オレーリアが「はい」と答えた。めったにないが家族がそろうといつもこの調子である。私も娘であるが、私のことは無視である。


 「コッソーレ家の長男を貰え。」


 「・・・はい。」


 その瞬間、義母が「うっ」とうめいた。嬉しいのか苦しいのか判別つかないような。それを無視して、父が言った。


 「娘よ。」


 「・・・。」


 オレーリアは答えない。そして私の方をあからさまに向き、冷たい目線を送ってくる。場が凍り、更に固まっている私に、早くしろよとでも言うように隣のチェーザレが膝をつねった。


 「あ、あ、はい。」


 あぁ、こんな空気の中でも恥ずかしい私。はぁ、と隣でチェザーレが呆れたように小さなため息をついた。


 「コッソーレ家の四男に嫁げ。」


 私は驚きのあまり固まったが、となりのチェザーレがささやいた。


 「「はい、と言えば教えてやる。」」


 「はい!!」

 

 何を?と聞く前に、私は初めてスラスラ父に答えていた。


 


 





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