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19 ふたたび池にて

そして、1の続きに戻ります。

 久しぶり、か・・・。やはり昨日は私だと気づいていないんだな・・・。残念なようなホッとしたような気持ちで私は池に目をやり続けた。


 「5年ぶりの故郷はどう?ご家族の方はよろこばれたでしょう?」

 

 振り返って、ありたきりな質問をする。フッと口の端が上がった皮肉な微笑み、あの黒子が見える。彼の口元をさらに魅力的に見せる不思議な存在。私は昨日あそこに触れたのだ。そう思い出すと、恥ずかしさにいたたまれず、ごまかすようにまた彼から目をそらして池を見た。


 「あぁ、兄貴たちは勢揃いでものすごいプレッシャーだったけどな。相変わらずのブリザードさ。」


 ハハハ、と乾いた笑いがこだました。彼の笑い声が私は大好きだ。昔は家族のことを話すときどこか寂しそうにしていたけれど、今は吹っ切れたようだ。何かあったのだろうか、東で。話しの中で出てきた、フローラル姫というのは噂の婿に請われた方だろうか。かなり身近に接していたことは分かった。上官に大切にされ、連邦制についても学び、国に活かしたいと話す彼の話しを、どこか遠い人を見るような目で私は聞いていた。


 話半分で聞きながら、もう私とは違う世界の人なんだと、自分に言い聞かせながら。この時間を終わらせることだけを願っていた。これ以上好きになりたくない。誰かのものになる男に未練を残したって仕方ないじゃないか。目の前の輝くような彼に比べて、どす黒い自分が惨めで堪らなかった。泣きたくなるのをぐっとこらえて、池を眺めるふりをした。


 昨日は逃げて、そして今日はもう一度だけ会いたくて来た私は、相変わらずだ。もうこんな自分、消えてしまいたい。


 私は立ち上がった。


 「あ、あのさ。忙しいでしょう。私ももう行かなくちゃいけなくて。じゃ、ま・・」


 またと言おうとした時、彼が急に立ち上がり、私の退路を断つと、両手首を掴んだ。


 「逃げるのか、また。」


 やはり、彼は気付いていた。恥ずかしくて目を逸らすことが出来ず、私たちは見つめ合った。顔をしかめて怒ったように私を見ている目は、昔のディベートで私をやり込める時の顔そのものだった。

 

分かりにくくて申し訳ありません・・・。

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