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心の記

作者: 永井晴

また僕らは運命のようにこの再開を繰り返す。また君と会える毎日が続くのか?僕はもう焦らないと得意げだよ。風が吹くように、僕はなんでも動じないつもりだよ。でもああ、現実はこんなにも時間が無い。どうして僕らはいつもこうなんだろう!僕の友人も、僕と同じように恋の日々さ。でもね、僕の方が複雑だよ。友人は、あいつは確かに辛かったろうね。今が幸せだろうね。でも、僕のほうが複雑だよ。あいつが僕を頼りにするならそれでいいから、僕はまた孤独になろう。この孤独は喜んで受け入れる。友のため。でもさ君、しかし泣けてくるのはね、僕はその友人の隣で君のことを思うのさ。どうだい?無論君についての悲しみなんてのはずっと前から人に話すことなんてないんだ。でもさあ、こうして君に会えた身に余る喜びだってウズウズするってのに友人にはあかせぬまま、本当の僕よりも浅い孤独を演じて、本当の僕よりも窮屈な喜びを語らうのさ。ただ僕もあいつには色々ほのめかしてきた。その類推ゲームはひどく絡まってて、面白いだろうねえ。ねえ君、僕の天使とはほんとに君だよ。僕にとってはやはり死んだっていいのだけれど、君と会える日々があるまではとりあえず希望を持って朝日を浴びられるだろう。はは、まるでウェルテルだねえ。僕は彼を愚かだと思ったのに、ゲーテとはやはり新和するなあ。そう、僕は美しい!いま僕は本当に深刻な事柄を十幾つは持ってる。全てがね、全てが生命に触れてくる!ひとつひとつの解決とか希望は、他のひとつひとつが隠してしまう。僕は世界で一番複雑だろう?友人よ、親しき君にも言えない事がまだ二、三個はあるなあ。それらも無論深刻だよ。あいつなら僕を受け入れるかもしれない、あいつは色々と底を知っているから、抱擁してくれるかもしれない。ただ、僕には恐れのほうが多いねえ。あいつが僕を頼んで楽になるなら、僕はそんな破綻した秘密だってそのままにしていたい。あいつは今から幸せな日々を過ごして良いのだ。嬉しそうな笑顔。僕はそれを見ながら、君のことで独りだよ。笑えるねえ。笑えばいいのさ、何にもない世界にはそのくらいあってもいい。本意は重たい銃の引き金を、君がひいてくれることさ。僕のためにね。そんなことがあったらいい。友人には僕は楽天者で少しシニカルな奴なんだろう。それでいい。僕らはいつもそうして交わるのだから!君と会えればいいと、会いたいと思って、神様に祈って眠りにつく。君の幸せを祈り続けている僕は健気に眠るよ。でもどうして僕らは一度会うとそれきり毎日のように見かけることになるのだろう。複雑怪奇、しかし何よりも美しい!美しい!僕の青春はね、君のおかげさ。これはまるで青春というよりかは、畢竟人生のようだよ!きみ!

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