夜を勉強する
カーテンを閉じ切った部屋は真っ暗で
それで夜を知った気になっていた
人工的に作られた暗闇は
整いすぎていていけない
夜というのはもっと歪で
見ようによっては信じ難いほどに美しく
でもやはり 底無しの怖さがあるものである筈だ
しかし、夜を学ぶのは
本当に必要なことなんだろうか?
いや、勿論必要なことなんだろう
だって、思い返せば
みんな 夜にもがき苦しんでいる
夜に
人と一緒に悶えるか
それとも
人の軋みをどうにか和らげてあげようとするか
いずれにせよ
夜を理解しないことには始まらない
カーテンを開けたら
今のそとはどうなっているのかしら
部屋の中には時計がない
もしかすると太陽が出ているかもしれないし
あるいは月が威張っているかもしれない
さあ
僕は今からカーテンを開けよう
そして、外を見ながら考えようじゃないか
窓を開けて、部屋の中に一気に夜が入ってきたら
逆に、少し気持ちがいいかもしれない
別に、朝や昼だって構わない
それがどうして夜になるのか、
突き止めてみたいと思えるに違いない