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平凡な僕と桜坂さん  作者: まめるり
7/8

桜坂さんとお出かけ3


昼食をとったあとは近くにあるショッピングモールをまわる予定だ。正直友達とこういう場所へ来ることはないので何をすれば良いのかわからないな……

友達と一緒だったらゲーセンでも行くのだろうか。

さっき昼食を食べていなければカフェとかには行けたかもしれないなぁ…

でも美味しかったから良いとしよう。


そんなことを思いつつどこへ行こうか悩んでいると

「藤原君はどこか行きたい所はありますか?」

と言われた。

正直本屋に行ったり近くにあるかの有名なアニメショップに行ったりしたいところだがさすがに女子と行くような所ではないだろう。そうなると特に行きたいところはない。

「んー、まぁ特に行きたい所はないかな。桜坂さんは?」

「じゃあ少し服を見に行っていいですか?」

「いいよ、何か欲しいやつがあったりするの?」

「せっかく高校生になったので高校生らしい服を買いたいんですよ」

正直僕から見るとちゃんと女子高校生に見える。本人はそうは思っていないのだろうか。

「そう?今の服も高校生っぽく見えるけど」

「実はこの服中学のときに着ていた服なんですよ」

まじか、新しく買ったやつじゃないんだ…めっちゃ高校生っぽいんだが。僕はわざわざ奈央と買いに行ったのに…

「じゃあ買いに行こうか」

「そうですね。どっちから行きますか?」

僕達がいるのは建物の真ん中辺りだ。多分右でも左でも服屋はあるだろう。ちなみに今いるのは二階。一階は食品が売っていて、3階には雑貨店が多い。フードコートも確か3階だ。

「じゃあ右から行こうか」

「はい!」


「いらっしゃいませー!」

店内から元気の良い店員の声がした。それだけでも良い人そうだなと思った。第一印象って大事だよなぁ…

「どういうのが欲しいの?」

「そうですね、もうそろそろ本格的に暑くなってくるので過ごしやすそうっていうか……まあかわいい服で涼しいものが良いですね」

「涼しいやつ何となく分かるけどかわいい服って選ぶの難しいな……」

「そうですか?結構みんな感覚で選んでると思いますよ?良さそうな服を何着か選んで、試着して欲しい服を決めてると思います」

「まあ、確かに僕も感覚で選んでるな」

でも試着しようとは思わないんだよなぁ……

正直面倒くさいし着なくても何となく雰囲気が分かれば良いかなと思ってしまう。

「そうなんですか?結構似合ってると思いますよ?」

「実はこの服妹に選んでもらったんだよ」

まあその代償に出費がエグいことになってるんだが……

「そうだったんですか、妹さんセンスありますね!そういえば妹の名前って何ていうんですか?」

「奈央だよ。奈良県の奈に中央の央」

「いつか会ってみたいですね」

「まあ機会があったらね」

僕は話が逸れていっているのに気づいた。

「まあ、そんなことは置いといて~」

「あっ!そうでした。服を買いに来たんでしたね。どれが良いと思いますか?」

「そうだなぁ……この服はどう?」

僕が選んだのは白がメインでピンクの柄が入っていて胸元に小さめのリボンがある服だ。

「これですか、他もありますか?」

桜坂さんは僕が選んだ服を手にとりつつ僕に尋ねる。

「じゃあこれは?」

僕はグレーの服を選んだ。

「じゃあ試着してきますね」

そう言って桜坂は試着室へ行った。

「………あれ、僕どこにいれば良いんだろう」

周りは女性がほとんどなので少し居づらい。そんなことを思っていたが桜坂はすぐに試着室から出てきた。

「どうですか?」

最初に来たのは白い服のほう。桜坂さんのイメージととても合っていると思う。

「良いと思う。似合ってる」

「よかったです!ではもう片方も着てみますね!」

ハイテンションで桜坂さんは試着室へ戻っていった。危なかった…めっちゃ似合ってた。顔に出てないか心配だ……

しばらくすると桜坂さんは出てきた。

「どうですか?」

「うーん、似合ってるけど家用って感じだね」

「やっぱりそうですかね……」

桜坂さんは長考する。どれを買うか悩んでいるのだろうか。

「決めました!両方買います!」

「おおー!けどお金足りる?」

「今月が寂しくなりますね…」

「ちょっとそこで待ってて」

僕は桜坂さんから服を渡してもらい、それをレジに持っていく。そして、会計を済まして戻る

「えっ!買ってくれたんですか!?」

「まあ、僕からのプレゼントっていうことで」

「そんなわけには……いくらでした?払います!」

「いいっていいって、気にしないで」

「そうですか……じゃあお言葉に甘えさせてもらいますね」

ちょっと不服そうではあるが結果として喜んでくれたので良かった。正直今月のお小遣いを使い果たしてしまったがまあ良いとしよう。

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