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平凡な僕と桜坂さん  作者: まめるり
6/8

桜坂さんとお出かけ2

「どうだった?」

「思っていたよりも面白かったです!藤原君はどうでしたか?」

「めっちゃ面白かったよ!主演の人の演技すごかったねぇ」

僕たちは見た映画の感想を話しながら目的の場所に向かっていた。桜坂さんがおすすめだというイタリア料理店だ。

映画館から歩いて10分で着くので会話していたらすぐに目的の店に着いた。

「……結構オシャレな店だな」

「……そうですか?よく来ているので私はそう感じませんね」

桜坂さんはいつもオシャレな店に行っているに違いないと勝手に思っていたが当たってるようだ。僕はあまり外食はしない上に、ファミレスくらいしか行かないのでこの店は少し入りづらい。僕一人なら絶対に来ないだろう……だが今日は桜坂がいるのでとても入りやすそうだ。

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

オシャレな店からオシャレな店員が出てきて満面の笑顔で接客された。

「二人です」

桜坂さんは慣れた様子で受け答えしている。僕には出来る気がしない。もしかしたら僕は意外と人見知りなのかも知れないなぁ……知らんけど。


店員に選んだのは奥のほうにある席だった。他の客からは意外と死角になっていているのでこちらを見る人ほとんどいないだろう。案内された後は桜坂さんと向かい合うように座った。


「えっと…どれか食べたいのありますか?」

「んー、どれが美味しいかよくわからないし、どんな料理なのかもわからないなぁ…桜坂さんは何かおすすめある?」

「そうですね……これなんてどうですか?」

桜坂さんが選んだものはアサリが入っているパスタだった。とても美味しそうだ。

「じゃあそれにしようかな。桜坂さんはどうするの?」

「私はピザでも食べようかな」

指を差したのはトマトとチーズが多めに入っているこのお店のおすすめメニューであるマルゲリータだ。

「他に食べたいのとかある?」

「んー……ではこれを二人で分けましょうか」

桜坂さんは牛肉のタリアータというものを指した。何だそれ…


僕は店員を呼んでその三つを注文した。

「ご注文は以上でしょうか?」

特に他に頼むものはないのでうなずいておく。頼むものはないが食べてみたいのはたくさんあったのでまた今度来てみようと思う。


そんなことを考えていてふと気づいた。

あ、僕全然桜坂さんと話してないじゃん!

ふと、桜坂さんを見てみると気まずそうにしている。どうにか話題を探そうと試みる。だが何も思いつかなかった…


すると桜坂さんは口を開いた。

「えっと……藤原君は兄弟とかはいるのですか?」

「え?えーと妹が一人いるね。今は中学一年生。桜坂さんは?」

「実はいないんですよ……兄弟がいないので少し憧れますね……」

「そんな良いものじゃないと思うけどなぁ…」

「本当にそういうものなんですか?」

僕は少し考えてから、

「まぁ大抵の人はそう言いそうだよね。でも僕は妹がいるのが普通だからいないと違和感がありそうだなー」


そうこうしているうちに料理が届いた。まず先に来たのは牛肉のタリアータだ。なにかと思っていたら見た目はローストビーフだった。これは家に帰ってから調べて分かったことだが、ローストビーフと違うのは肉が生に近いかどうからしい。ローストビーフは少し焼いてある。また、タリアータは薄切という意味らしい。


その後すぐに他の料理も届いた。

「じゃあ食べようか」

「そうですね。いただきます」

「いただきます」

そう言って僕はまずパスタを食べた。タリアータも気になるが良い匂いだったので先にそれを食べる。

「あ、美味しい」

「本当ですか?よかったです!」

「うん!めっちゃ美味しいよ」

桜坂さんにも少し分けてあげる。

「やっぱり美味しいですね」

そしてその後タリアータを食べてみる。

「うまいな…」

けど正直ローストビーフみたいだった。

僕たちは会話も楽しみつつ黙々と料理を食べたのだった。


今度は奈央でもつれて行こうかな。

一人じゃ入りにくいからね……


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