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平凡な僕と桜坂さん  作者: まめるり
4/8

妹とお出かけ


さて、桜坂さんと出かけることになったわけだが。


僕は服を入れているタンスを空けて絶望する。みんなは分かるだろうか?中学から服を買ってないのに加えて絶望的にセンスがないとどうなるかを。


その時奈央が入ってきた。僕は中学生の時から漫画やラノベにはまっているため部屋には500冊を越える本が並んでいる。正直置くところがなくて困るほどだ。きっとその本を借りにきたのだろう。奈央は僕を見ると、

「どうしたの?」

と、少し上から目線で聞かれた。

「服がなくて困ってる」

「ん?全部洗ったの?」

いや、そんなことする人いないだろ。漫画でしか見たことない。

「全部ダサい気がする」

「あー、ダサいね。友達がそんなん着てきたら最悪だわ」

「どれが一番良いと思う?」

「自分で考えなよ」

めっちゃだるそうに言われた…思いきって恥を捨てて頼んでみる。

「一緒に服買いに行かないか?」

「一人で行けばよくない?めんどくさいんだけど」

「変な服買う自信しかないんだよ…」

「良いじゃんそれで」

嘲笑された…奈央はセンスが良いのでここは引き下がるにはいかない。

「頼むよ」

「何でそんな必死なの?」

「クラスの女子と出かけるからだよ…」

「え!兄さん女子としゃべれるの!?」

「しゃべれるよ!」

なぜそんなに驚く…そこまでコミュ症っぽく見えるのか?ちょっと自分に自信なくなってきた…

「分かったよ…行ってあげる」

「ありがとう!感謝」

「明日でいいか?」

約束したのは3日後なのでなるべくはやく買いたい。

「午後で良いなら」

多分午前は部活があるんだろう。奈央はバスケットボール部に入っている。小学生の時からやっているのでとてもうまい。毎回大会で優秀選手賞をもらっているほどだ。

「じゃあ明日よろしく」

「貸しだからね」

なんとか服装はどうにかなりそうなのでほっとした。奈央には感謝しないとなぁ……

また奈央が少し笑顔だったことに僕は気づかなかったのであった。


ー次の日ー


「んで、どこに買いに行くんだ?」

「いくらまでなら使える?」

「バイトしてるからいくらでも大丈夫だとおもうよ?」

「じゃあデパート行こうか」

せっかくなので高い服を買うのも良いかもしれない。でも高い服って買うのにも着るのにも勇気がいるんだよなぁ…しかも、似合わない気がする。

「やっぱりショッピングモールじゃ良いのないか?」

「いや、そんなことないよ?結構良いのあったりするよ?けどこういう機会じゃないと買わないじゃん」

たしかにそれはそうだ。普段からデパートで買う人なんてあまりいないだろう。周りの人は多分ショッピングモールとかで買っているだろうし。


電車に揺られること15分。県内で一番大きな駅に着いた。さてここからどこに行けばいいか分からないぞ…まあとりあえず奈央についていく。すると全く道に迷わず目的の店に着いた。多分奈央は来たことがあるんだろう。しばらく店内を見ていると奈央が何着か服を持ってきた。

「とりあえず試着してきて」

少しめんどくさいなと思いつつもわざわざ付き合って貰っているのだから文句は言えない。


何着か試着してみた。奈央が選んだだけあってどれも似合う服が多かった。ただ値札を見て絶望した…

(高いなぁ…バイト増やさなきゃ…)


最後は奈央が選んだ服の中から自分で選んだ。ズボンも買っているので出費がエグい…本格的にバイトを増やさないとまずそうだ。


買いたいものは買い終わったので奈央は即帰宅しようとする。僕は急いで引き留めた。

「何?」

「えっと…ついでに奈央の服も買ってあげようか?今日のお礼もかねて」

奈央はちらっとこちらを見る。目には期待の色がうかがえる。

「……いいの?」

「もちろん。好きなやつを買ってあげるよ」

「……ありがと」


余談になるが奈央に服を買ってあげて思ったことがある。選ぶの長いし値段も高かったということだ。世の中の彼氏は大変だなぁ、と僕は他人事のように思うのであった。

いつか経験することになるとも知らずに。



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