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Inosennto Actors Online〜その人形は誰がために〜  作者: 赤烏りぐ
序幕〜それは子供のように無邪気に〜
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探検のお供に短剣はいかが?

自分で言ってて寒くなりましたよねこれ

 ピカー! シュンッ! ピカー! シュンッ! ピカー! シュンッ! ピカー! シュンッ! 


 一体僕が何をやっているかって? 見てわからないのかね、石ころに【クラフト】をかけて鉱石を取り出しているんだよ!


 ピカー! シュンッ! ピカー! シュンッ! ピカー! シュンッ! ピカー!


 かれこれ1時間この作業を繰り返しているが全く飽きないね! むしろ単純作業は楽しいね!! なんでこんなにハイテンションなのかって? それは僕にもわからないね! というかこの光が眩しすぎてそろそろ目が眩んできたよ!


 自分にこの作業を楽しませようと自己暗示し続けていたらあんなテンションで1時間ほど同じことをしていたよ。そのおかげもあってなのか、最初は小指ほどの青みがかった真珠のような鉱石も両手にギリギリ収まるくらいの塊にまで大きくなった。重さに関してはそこまで感じなく、不思議な感覚だ。


「このくらいならナイフくらいなら作れるんじゃないかな?」


 この数時間【クラフト】のみをずっと使ってみてわかったことがある。【クラフト】をしているときに最初は石ころの中の鉱石をイメージしてそれが出てくるように過程も含めて綺麗にイメージをしていたが、途中に石ころから出てきたトライブ純石だけ、つまり結果だけをイメージして【クラフト】を行ったのだが、出てきたのはトライブ鉱石(劣)という別のものになっていた。


 このことから、【クラフト】というスキルは過程のイメージを入れることでかなり品質に差が出てくることがわかった。


「ナイフの制作かぁ、そいえば軍人の役をしたときに本物のコンバットナイフ持たせてもらったよなぁ、それを作ってみるか」


 思い立ったが吉日ということで、早速作ってみようと思う。


 あのときの指導役の人に教えてもらった記憶を頼りにナイフをイメージする……刃渡りは確か16cmほどで持ち手も合わせて30cmほどだったはず。刃の背面にはロープとかを切るようにギザギザしていて……ほかにグリップの部分は……


 ある程度イメージが固まったところで、【クラフト】を使う。すると手元のトライブ純石が強い光に包まれた。

 

 イメージに集中させていた意識を解いて手元を見てみるとトライブ純石の塊が変形をして、仕事のときに見たナイフにそっくりなものが出来上がっていた。どこから来たのかはわからないがグリップ部分は白い布で巻かれていて、とても握りやすくなっていた。


「おお、かなり良いんじゃないかな? サイズ感もあのときのナイフそのままって感じがする」


 作り出したナイフを握り込み軽く素振りをする、振ったナイフの後には蒼い軌跡が残りとても幻想的だ。【クラフト】前から軽いと思っていたが、その性質は変わっておらずとても軽い、月並みな表現だが羽のようだ。


「そうだこいつの鑑定もしないと、【鑑定】」


 22式コンバットナイフ【蒼】


 トライブ純石のみを使ったナイフ

製作者の意向によりセレーションと呼ばれる刃の背面が凹凸になった作りになっている。トライブ鉱石の性質をよく引き継いでおり軽くて強い、そして魔力や※逕溽◼隕ェ蜥◼コヲが高い。


「文字化けしてる……なんだこれ」


 このナイフの名前は22式コンバットナイフ【蒼】もしかして名前に【蒼】って作ってことは他の色もあるのだろうか、そして読めない謎の文字化け……鑑定をしても何も変わらないことからおそらく何かしらの条件があるのかもしれない。


「よし、武器も手に入ったしそろそろ僕も先に進んでもいいんじゃないかと思うんだよ」


 ほかに人などいるはずもない薄暗い洞窟で独り言をつぶやきながら僕はついに歩みをすすめることになった。









「はぁはぁ……ここまでくれば、大丈夫だよな?」


暗く静かなはずの洞窟、一人の来訪者は息を切らしながらナニカから逃げていた。


「なんでだよ、最初のチュートリアルじゃなかったのかよここは……!」


分かれ道など多くもないほぼ真っ直ぐなこの洞窟、大きな声を上げればたちまち場所などバレてしまう、しかしこの哀れな被害者にそんな理性的な思考はあるはずもなく荒げた息、そして声をあげてしまう。


「嫌だ!なんでもうここまで来てるんだよ!」


ふと後ろを振り向いてみると暗いはずの洞窟の奥に赤くぼんやりと光っている何かが見える。まるで炉にかけた鉄のような白っぽい光だ、それをこの人物は何か理解をしている。どうもこうもない、先程まで逃げ回っていた敵だ。自慢の武器はすぐに壊され立ち向かう手段などとうにない。


勢い良く地面を駆る音が聞こえる、遠くにあったはずの光が目の前まで迫る、もう逃げられないと受け身の体制を取ったが……


 激しい爆発音と火花が散り、洞窟の中が明るく照らされる。


 光と音が落ち着き、もとの静かな空間が帰ってきた時、そこで命の駆け引きをしていた生物達は消えて崩れた岩の山と、中心が赤熱したクレーターだけが残されていた。


 


 


 



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