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僕と言う、ハットトリック

作者: 弥禾

「なろうラジオ大賞3」企画参加小説。

キーワード;ハットトリック

 もし、よろしければ一読ください。


「僕、あんぽんだからさ。」


あんぽん?って言葉も

初めて聞いたけど

自分のこと優しく、ドジっていう

彼に惹かれた、私の話。


ーーー


彼との出会いは、職場。

180cmの高身長、目鼻立ちがキリッと

していた韓国風のイケメンで

とても目立っていた。


話し方も柔らかくて、

懐っこくて、男女ともにモテていた。

だから、何も飾られていない綺麗な薬指が

余計に女性の期待を膨らませていた。


そんな彼とは同期だったから

話せたのだと思う。


ーーー


たまたま仕事帰りに、彼と一緒に

最寄り駅までのイルミネーションを

片目に見ながら歩いていた。


お喋りでもある彼は、何でも

包み隠さず自分のことを話してくれる。


「僕、4年半付き合っていた彼女がいたの。

 でね、婚約届を書いた当日に

 彼女が浮気していたことが分かったの。

 それでも結婚すれば気にしなくなると思って。」


ただ、うん、と相づちだけ打って話を聞く私。


「結局、結婚はしなかったんだけど。

 あと、僕、ここら辺で1ヶ月、

 ホームレスしたことあるの。

 所持金15万で。」


ただ、どうして?と聞いてみた私。


「裏切られたの。一緒に共同で立ち上げた

会社の相方に。売上金、全部持っていかれた。

そのとき、知り合いの携帯代、7人分、

肩代わりしててさ。

生活が苦しくなってお金に代えられるもの

全部、売ったの。家も、車も、携帯も。」


ただ、え?とだけしか、聞き返せなかった私。


「とにかく自販機のお釣りのところ

 お金があるか探したり

 缶を集めて売ろう、とか、行動した。」


もう、うん、とだけしか相づちを打てなかった私。


「知り合いや友達、親友に会いにいったりして

 だんだん助けてくれる人に助けてもらいながら

 また仕事を始めた。普通の会社員。」


、、、うん。


「でも会社で雇われて働くって

 こんなにもつまらないんだ、って。」


もしかして、これが話したかったことなのかな?、

と考える私。


「僕、家族で飲食店を開くのが夢なんだ。

 将来のために、女性のことを知りたいって

 今、1番興味があるの。」


…あなたなら、出会いや女の子に困らないんじゃ、

と言いかける私。



「僕、あんぽんだからさ。

 仕事辞めて、

 女性用風俗で働くことにした。」


僕というハットトリック。

私は彼の横顔をただ、見つめることしか

できなかった。





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