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初めてのダンジョンにて

勇者まさとし(以下、ま)「次にまたプレイヤーが戻ってくるまで、こんな所で待機かよ……」


魔法使いゆかり(以下、ゆ)「ダンジョンにセーブポイントがあるタイプのゲームだから仕方無いわね。ダンジョン内でセーブできないタイプだったら、街に戻ってたかもしれないけど……」


ま「ダンジョンのセーブポイントの近くにトイレがあって良かったよ。ダンジョン内では、たまに行き止まりの道があるけど、あれ実は無意味じゃないんだよなぁ。プレイヤーが操作してる時は入れないようになってるけど、電源オフになったら入れる部屋があって、そこにトイレやお風呂、宿なんかが入ってる。そうでもしないと、今回みたいにダンジョン内でセーブされた冒険者はたまったもんじゃないからな。俺はともかく、女であるゆかりはちゃんとした宿のベッドで寝ないと危ないだろ。風呂も入りたいだろうし」 


ゆ「あら、お気遣いありがと。でも私は大丈夫よ。あ、ほら見て。モンスターたちも一休みしているわ。特に「うごくよろい」の中に入っている人、すっと鎧を着たまま動いてて本当にお疲れさまよね」


うごくよろいの中の人(以下、う)「意外とこの鎧軽くて通気性いいんだよ。ダンジョン内でレベル上げする冒険者もたくさんいるらしいから、そのために長時間動けるような親切設計が施されてるんだろうね」


ゆ「他のモンスターたちはどうしてるの?」


う「モンスター待機所で待機しているよ。特にスライムなんかは時間が経ったら溶けてドロドロになってしまうから、電源オフの時にたくさん製造しているんだ」


ま「モンスター業界も大変だな……。うごくよろいの中の人も、このダンジョン終わったらまた別のところに行くの?」


う「いや、俺は最近後輩の指導をしているよ。どうすればモンスターっぽく動けるか、あるいは長時間出来るだけ疲れずに動くことができるか、とかね」


ゆ「その育った後輩が、また違うプレイヤーが操作するゲームの時に登場して活躍するんだね」


ま「そういえば、ダンジョンの中にある宝箱って全部取ったっけ? なんか見逃してる気がしなくもないけど」


ゆ「私達を操作してるプレイヤー、結構がさつな性格っぽいから、見逃してる宝箱なんて結構あると思うわ。ただ、序盤のダンジョンにある宝箱の中身なんて、次の街あたりで普通に売られてるものだから、気にしないで良いんじゃない?」


ま「それもそうだな。それにしても、ダンジョン内に落ちてる宝箱って、誰も取らないのかね? こういうところって普通、他の冒険者とか盗賊とか来そうだけど、全スルーなのかな?」


う「この間、電源オフの時に別のモンスター役の人に聞いたんだけど、一度空いた宝箱にはアイテムを補充しているそうよ。そうしないと、初めてそこを訪れた別のプレイヤーが、「ダンジョン内の宝箱が既に開いてる!」ってゲームの開発会社にクレームが来そうだよね」


ゆ「裏では地道な作業が行われてるのね……」


ま「まだ一番上には到達していないけど、一番上にはだいたい中ボスがいるか、おじいさん的な人がいるか、そんな感じだよな」


ゆ「序盤のダンジョンだものね。序盤のレベルで倒せるくらいの中ボスか、なにかキーアイテムをくれるおじいさん的な人がいるんでしょう」


ま「ダンジョン終わったら強制的に外に出るイベントかどうかも、ゲームによって違うよな。場合によっては、行きの道中で分岐点があった時、そこは帰りの道中で行ってみるか! と思っていたら、ダンジョンイベント終わったら強制的に外に出されるってことあるよな」


ゆ「逆に体力がギリギリなのに、そこでのイベントが終わっても自分たちの足で戻らなきゃいけない時、キツイわよね」


ま「どっちにしろ、こんな薄暗いところ長くいるもんじゃないから、早いとこクリアしてくれねーかなぁ」


ピロリーン。


ま「よしきた! 早いとこクリアしろよー!」


ゆ「うごくよろいの中の人も、忙しいところ雑談に付き合っていただいてありがとうございました」


う「なんのなんの。では後ほど、敵として現れるのでよろしくねー」


 

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