8回目 歴史の流れ? そんなのゲームで気にする必要ないでしょ
スペイン領フィリピン。
鉱物資源に恵まれてるこの地を得る利益は大きい。
だが、それ以上にここを制圧しておきたい理由がある。
後にアメリカがやってくるからだ。
史実では1898年にアメリカとスペインで戦争になっている。
この戦争に勝利したアメリカは、その後フィリピンを支配する事になる。
そうなる前に手を打っておく。
その為の侵攻だった。
アメリカの動きを制す。
その上で、拠点の確保をする。
今後の展開の為だ。
もちろん、資源だって欲しい。
様々な理由がフィリピンへと向かわせる。
ただ、兵力の確保が難しい。
フィリピンもかなり大きく、その全土で戦争をするのは難しいものがある。
それに、現地にスペイン側の軍勢だっている。
簡単に攻略できるわけがない。
この戦力に対抗するために、事前に現地に諜報員などを送っている。
それらはフィリピンの独立運動家と接触。
旧式となった火縄銃をはじめとした武器を提供している。
更に、新型の銃器もいくらか提供していった。
それらを手にした独立運動家は決起の時を待つ事になる。
ついでに、そういった者達への様々な教育も行っていた。
こうして現地のフィリピン人の協力も得て戦争に突入する。
西暦1880年。
史実よりも20年近く早い戦争となる。
結果だけ言えば、この戦争は日本側の勝利に終わる。
スペインはフィリピンの放棄を決定。
これによりフィリピンは日本のものとなる。
ただ、現地の統治はかなり難しい。
まともに統治をしようとするなら、相当な支出を覚悟する事になる。
それに、独立運動家もいる。
ここで日本がフィリピンを領有したら、これらを裏切る事になる。
なので、当初の約束通り、フィリピンには独立をさせる。
その上で、必要な措置をとっていった。
具体的には、今後の展開を考えて、拠点を作る事。
これは、軍隊の駐留も含む。
アメリカが来る可能性があるので、その対策である。
また、資源の優先的な買い付け。
必要なら開発に日本が参加するなど。
これらも約束する事となった。
フィリピンとしても、独立したはいいが、何もかもが足りない状態だ。
生産設備もそうだが、まともな教育も受けてない者が多い。
それらに基本的な教育もせねばならない。
その為にも、日本の協力が必要ではあった。
日本も手を貸すのはやぶさかでは無い。
ススムとしては、出来ればフィリピンに自立してもらいたいのだ。
直接統治するとなると、めちゃくちゃ手間がかかる。
成果が出るまでに時間もかかる。
その間、他の事に手が回らなくなる。
それでは困るのだ。
なので、統治自体はフィリピン人にやってもらった方がいい。
日本は、そこから生み出されてくる資源を買えればそれでいい。
そもそも、領地が欲しいわけではない。
活動拠点と資源が欲しいだけだ。
そんなわけで統治はフィリピン自身に任せ。
日本はアメリカや周辺国を牽制するための拠点を手にするだけにとどまった。
その後、さすがにアメリカもフィリピンには簡単に手が出せなくなり。
史実にあったフィリピンの支配も消えていった。
代わりに日本は、資源の供給地と東南アジアにおける活動拠点を得る事となる。
この意義はとてつもなく大きなものとなっていく。