表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/70

7回目 手出しできる範囲が減っても、勝手にやってくれるならその方が楽

 このゲーム、税率が高いと、人口が減る。

 また、時間とともに生産力が落ちる。

 結果、収支が減っていく。

 これは、民生というものが設定されているからだ。



 民生とは、民間における生産。

 つまり、政府や政治によらない部分になる。

 ここが大きいと、民間が発展していく。

 その結果として、生産力が上がり、人口も増大していく。



 しかし税率を引き上げると、民生が落ちる。

 その分、生産力も下がる。

 下がった分だけ、人口も減っていく。

 これがあるので、うかつに税率を上げられない。



 特に税率10%であるが、このあたりが民生を最大限に出来る限界だ。

 ここからあげると、少しずつ民生が落ちる。

 1%や2%では大きな問題にはならないが。

 これが20%になると確実な影響が出てくる。

 30%になると、現状維持になっていく。

 40%だと人口減少が少しずつ始まっていく。



 また、人口減少や生産力減少だけではない。

 学問所などで向上している労働者の能力なども下がる。

 これらはマイナスの補正や修正としてかかってくる。



 なので、下手に税率はいじれない。

 まして今は少しでも人口を増やしたい。

 今後、大きな戦争が控えてるのだ。

 残酷な言い方だが、兵隊を少しでも増やすために、人口の拡大も急務になる。

 それに、人口が多い方が生産力も上がる。



 税率や税収が少ない分、出来る事は減る。

 しかし、土台となる国力を崩壊させるわけにはいかない。

 


 その為、政策をいくつか絞っていく事になる。

 ともかく、当面は生産力の増大に注ぎ込む。

 やれる事に限界がある以上、何に集中するかは考えねばならない。

 ただ、悪いことだけでもない。



 税率が低く、民生が大きい。

 この場合、生産力の増大が大きくなる。

 また、プレイヤーが指示をしなくても、自動的に民間で必要なものを生産していく。

 プレイヤーの思い通りには出来なくなるが。

 ようは、生産に必要な部分は自動的に処理されていく事になる。

 見方を変えれば、プレイヤーの手間が大きく減る事になる。



 細かな指示は出来ないが、膨大な作業をこなす必要が無い。

 それはそれで大きな利点だ。

 プレイヤーはやりたいことだけに集中する事が出来る。

 今のススムがまさにその状態だ。



「ともかく、生産力と。

 それと、道路と鉄道の輸送路。

 あと港か」

 生産力増大は民生…………この場合、ゲームの思考AIに任せる事になる。

 プレイヤーのススムはそれだけでは足りない部分に手をつけていく。



 例えば、道路。

 民生が大きいと、自動的に設置されていく。

 しかし、それはプレイヤーの望む形とは違うものになっていく。

 それではどうしても足りない所なども出てくる。

 そこでススムが、足りない道路を設置したりする。

 そういった事くらいは出来る。



 また、どうしても何も設置して欲しくない場所。

 後々、空港を作ったり工場を作ったりしたい所は、建設出来ないようにしておく。

 そういった指示を出しておけば、必要な用地は確保出来る。

 あとは手を出せる所に、ゲームのプログラムが勝手に建設などを行ってくれる。

 それはそれで楽ではあった。



 そうしてるうちに生産力は更に増大し。

 日本の国力はどんどんと上昇していった。

 生産力も増大し、結果として税収も増える。

 人口も増えて、労働人口などの確保も出来るようになった。



 そして、軍備の方も順調に拡大していっている。

 研究も進めていたので、武器の質も上がっている。

 軍全体への配備もほぼ完了している。



 それと同時に、旧式である火縄銃なども処分されていく。

 ほとんどは資源として再利用されていく。

 だが、一部はそのまま海外へと持ち出されていった。



 火縄銃と、弾丸と火薬。

 それと、それなりの数の日本刀。

 装備の更新で破棄されていったこれらは、ロシアにばらまかれていった。

 日本にとっては、目先に迫る列強である。

 それも、陸軍では世界最強。

 海軍でも2番目か3番目。

 そう言われている国だ。

 実質、世界一と言って良い。

 そんな国が、日本海を挟んだすぐそこまで迫っている。



 これを牽制するために、現地の者達に武器を渡して活動をしてもらう事になる。

 東に東に侵略を続けたロシアだ。

 反発する者もいる。

 そういった者達に手を貸すことで、多少なりとも時間を稼ぐ。

 いずれやってくる戦争に備え。

 その時までに、少しでもロシアの戦力を削るために。



 無論、火縄銃でまともに戦える訳がない。

 ないのだが、武器が全くないのと、多少はあるのとでは大きく違う。

 それに、火縄銃や日本刀を放出し終えたら、新しい銃を提供していく。

 数は多くは無いが、それで少しは持ちこたえてもらう。



 もちろん、それだけではない。

 こうして武器を提供すると、研究に必要な点数などがもらえる。

 現地での使用実績などが反映されるのだろう。

 貴重な戦訓は新たな武器を開発する時に有利になる。

 それを得るためにも、武器の提供には意義があった。



 そうして準備をととのえ。

 ススムは最初の行動にのりだす。



「それじゃ、行ってくれ」

 準備した軍勢。

 それを一斉に出発させる。

 用意した大量の軍艦。

 大量の兵士達。

 それらが向かうのは南。

 沖縄、台湾を超えた更に先。



 現在、スペイン領になってるフィリピンである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ