6回目 黒船来航までにはじめていた国内再編
「来たか」
予定通りというわけではないが、予想通りにはなった。
史実より遅れているが、それでもアメリカ艦隊がやってきた。
これで日本は本格的に海外との接触を行う事になる。
とはいえ、史実よりもマシな部分は多い。
まず、政治が既に統合されている。
本来なら、ここから日本内部で怒濤の動きが始まるのだが。
それが無い。
よって、かなり円滑に事を運ぶ事が出来る。
また、事前に国力を増強出来ている。
列強と呼ばれるこの時代の先進国ほどでは無いが。
それでも追いつけないほどではない。
むしろ、史実より条件は良い。
いくつかの研究は既に終わり、生産できるものも増えている。
例えば武装で言えば。
既に火縄銃ではなく、歩兵用のライフル銃が作れるようになっている。
材料さえそろえる事が出来れば、量産も可能だ。
更に機関車なども自力で生産可能になっている。
初期型のもので性能はヨーロッパで使われてるものには劣るが。
それでも、自力でここまでやってきたのだ。
それだけでも史実の日本よりはるかに進んでいる。
あとは材料などをそろえるだけだ。
残念ながら、これは日本だけではどうにもならない。
資源がなくて海外からの輸入に頼らねばならない。
それはゲームでも現実でも変わらない。
幸い、交易についてはオランダがいる。
出島を通じて、資源の輸入が可能だ。
ここを通じて、可能な限り資源をそろえたかった。
また、日本国内でとれるものは、可能な限り利用していく。
燃料の石炭はその最たるだ。
いずれ諸外国から安く輸入できるようになればそちらを使うが。
自前で用意できる数少ない資源でもある。
上手く利用していきたい。
「まあ、でも、当分は富国強兵だ」
現状では外に出て行く余力がない。
国力を更に向上させねば、諸外国に対抗できない。
しかし、ある程度の準備は出来た。
「黒船も来たことだし……」
それを機会に、外へと躍り出ていく。
「まずは外交。
それと、諜報」
これまたゲームの基本だ。
相手の状態を知り、なおかつ攪乱せねばならない。
また、ここからは可能な限り急がねばならない。
でないと、後の展開に大きな影響を出す事になる。
生産力そのものは十分に高くなっている。
それを用いて物資を輸入。
それをもとに必要なものをととのえていく。
軍備もその一つになる。
この先、戦争は避けられない。
なので、その為の装備をそろえていく事になる。
火縄銃に変わる歩兵銃。
より近代的な軍艦。
目立つところだと、こういったものが必要になる。
国内の社会基盤整備も外せない。
道路や鉄道、水道・電気・ガス。
これらも整備しなくてはならない。
これらに投入する予算の比率をあげていく。
ただ、税率そのものは可能な限り下げている。
現在、税率10%。
これが基本となっている。
当然ながら、これだと政府の歳入は減る。
使える資金が減る。
一見すると、出来る事が少なくなりそうに思える。
国力の増強も思うようにいかないだろうと。
しかし、実際は違う。