51回目 冷戦突入
正面切って戦う事は無い。
だが、双方共に戦争をしかける事は出来る。
そんな状態でのにらみ合い。
質の悪いチキンレース。
それが今の世界だった。
休戦も終戦もなく、国家の消滅もない。
なので、名目上は戦争状態。
そんな中で戦闘だけが起こってない。
不気味と言えば不気味だろう。
だが、戦闘がないというだけでもありがたい事はある。
損害が増えない。
これだけでも十分にありがたい。
軍備にかかる費用も減っていく。
大きく軍勢を動かせばこの限りではないが。
それでも、戦闘が繰り返される時期よりは消耗が低く抑えられる。
これを利用して民政への投資を進めていく。
新たに勢力圏に入った内陸アジアやインド、インドネシアなどに。
このあたりは日本が手を出せる部分なので頑張っていく。
何せ、色々な設備や施設が足りない地域である。
底上げにテコ入れをしていかねばならない。
幸い、先に手を加えていた他の国が発展してきている。
それらとの交易で日本も大幅に経済力が上がっている。
その力をもって、様々な事を一気に進めていく。
加えて、エチオピア。
まだ現在、明確に戦争を続けてるこの国への援護もしていく。
海軍による、沖合の防衛。
陸軍・空軍の駐留。
これらで継続的に援護をしていく。
少なくとも、エチオピア本国への侵攻は排除する。
更に、ヨーロッパへの移民。
これを大々的に募集。
日本が費用を負担する事で、加速をつけていく。
これにより、フランス・スペイン・イタリアに独立した勢力を作っていく。
移民とは、平和時における侵略だ。
こうしてヨーロッパから敵対国を消滅させるための手を打っていく。
更にフィリピン・ベトナム・タイに艦艇を与え、海軍力を強化する。
特にフィリピンはオーストラリア方面の守りとしての役割を担ってもらう。
その為に巡洋艦以上の大型艦艇も提供していく。
維持費はフィリピンには大きな負担になるだろうが。
即席で戦力を揃えるにはこうするしかない。
さすがに戦艦は、建造に時間がかかるので簡単には提供できない。
だが、渡せるものは次々に渡していく。
出し惜しみしてもしょうがない。
ある程度の戦力増強が出来なければ、結局自分が不利になる。
また、満洲には陸軍の強化に励んでもらう。
満洲周辺のユーラシア東部諸国にも。
このあたりはウラル山脈の東側で、ヨーロッパ方面へのにらみを。
ベーリング海峡方面で、アメリカからの侵攻を。
それぞれ担当してもらう。
更に、南米のアルゼンチンとブラジル。
加えてメキシコ。
これらとの外交を増やし、アメリカの牽制に入っていく。
大雑把にこれらをこなしながら、内政に入っていく。
それと、他国への政治工作と破壊活動も。