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【完結】夢の中でゲームをしたら歴史改変していた  作者: よぎそーと
本編

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42/70

42回目 とても長かった開戦前夜

 漢民国の発足とともに、日本はこの政府を中国地域唯一の政府と認定した。

 これにより国家としての交渉相手を決定。

 今後は漢民国とともに中国地域の政治についての話し合いをもっていく。



 これにより、中華民国は国家としてみなされなくなる。

 日本とその勢力圏からすれば、テロリスト集団と大差なくなった。

 それはさすがに行き過ぎかもしれないが。

 しかし、援助を受けて日本側に攻撃を仕掛けてきてるのだ。

 控えめにいっても敵対国としか言い様がない。



 また、領土のおよそ半分を失った中華民国であるが。

 国力もその分減少。

 今までより遙かに劣勢を強いられていく。



 日本も中国地域内の軍閥に、漢民国に従うように促していく。

 もちろん、素直に言うことを聞くとは思わない。

 だが、そういった呼びかけによって、ある程度の統合をさせていこうと思っていた。

 せめて、連合や同盟くらいにはなってもらいたいと。

 その方が面倒が少なくて済む。



 とりあえず、今後の武器援助などについて。

 これは漢民国にだけなしていくと宣言。

 継続して今後も援助が欲しいなら、漢民国に頼るようにと伝えていく。

 さすがにこうなると軍閥も無視は出来ない。

 風下に立つのは腹が立つだろうが、漢民国との付き合いをはじめていく。

 足並みが揃う事は無いだろうが。



 そうしておいてから、ススムは日本周辺を動かしていく。

 この時期になれば、各国・各地域の戦力もある程度充実してくる。

 各国の整備なども進んでいく。

 産業の社会基盤・社会資本なども揃ってきている。

 日本に頼らずとも、ある程度の自給自足は可能になっていた。



 それを踏まえて、大きな兵力移動を開始していく。

 今後に備えるためだ。



 まず、なんとしても潰さねばならないのが、中華民国への援助。

 この経路・通路を完全に潰さねばならない。

 現在、この方面に通じる道は、一方向にしかない。

 すなわち、インド方面だ。

 より広くとるならば、内陸アジア地域となる。

 ここの制圧に乗り出す。

 その為に、大がかりな兵力動員を画策していく。



 この動員は日本だけで行うものではない。

 勢力圏の各国各地域。

 そして、今も日本とともに歩む友好国。

 これらとの共同作業になる。

 中心となって動くのは日本ではある。

 だが、それに付随する。

 そして側面を援護する各国各地域の協力は必要不可欠だった。



 第一弾として、目の前にある問題。

 中華民国への援助の遮断。

 これを行う。

 その為にユーラシア大陸北部を、大々的に制圧する。

 これはユーラシア北部の中心となっている満洲に担当してもらう。

 最低でもウラル山脈から南下し、内陸アジア部分をおさえてもらう。



 加えてトルコに東南方面に向かってもらう。

 アフガニスタン・イランを抑えてもらうためだ。

 これは、海に面した地域と、イランの石油を掌握する為でもある。



 これらの動きの目的は一つ。

 インドを北と西から包囲してもらうため。



 そうしてから、東から日本が中心となる本隊が突撃する。

 その直前のビルマあたりまではタイとベトナムで制圧してもらう。



 フィリピンにはそのまま西に向かってインドネシアを制圧。

 同時に、東から来る可能性のあるオーストラリアとニュージーランドを警戒してもらう。

 積極的に攻める必要は無いが、決して防衛線を後退させないよう求められる。

 最悪の場合、アメリカが出てくる事も考えられるが。

 それは状況次第だ。



 日本はユーラシア東部の勢力とともに、カムチャッカ方面の防衛。

 こちらも積極的に攻め込みはしないのだが。

 イギリス領カナダとアメリカの警戒にあたる。

 そして主力はインドネシアとインドへと向かう。



 これだけの大動員をかける事になる。

 事前の準備だけでもとんでもない手間になる。

 物資の集積、集積した物資の保管。

 兵隊の動かし方。

 宿泊場所の確保。

 武器弾薬の輸送方法など。

 あらゆる事が検討されていく。



 この計画立案から実施までもとんでもない時間がかかる。

 具体的な動きともなれば、どれだけの労力がかかることになるのか。

 想像する事も出来ない。

 ゲームなので、そこはもう少し簡単だが。

 それでも、準備不足は進軍速度の低下や、補給状態の悪化などを招く。

 当然ながら部隊の戦闘力も落ちる事になる。



 慌てず騒がずしっかりと。

 そうするのが最善である。

 しかし、そうも言ってられないのが現実だ。

 これだけ大規模な動きをすれば、敵も察知する。

 察知すれば対応もしてくる。

 日本側の動きに対して、周辺も動き出す。



 もちろん、非難声明を出す所もある。

 軍勢を動かして何を考えてる……と。

 それに対して、日本はごく普通に言い返す。

「中華民国への援助経路を潰す」

 淡々とそれだけ言って終える。

 これに対して非難を出す国もあるにはある。

 しかし、その声は決して大きなものではない。



 既に列強と呼ばれる国は少ない。

 日本とオーストリアにトルコ。

 そして、イギリスとイタリア、アメリカ。

 概ねこの程度だ。

 他は、列強の従属国くらいだ。

 それか、弱小で相手にもされてないような所。

 そういったところの意見まで聞いてるほど暇では無い。



 そもそも、これに対抗できるような兵力を動員できる国もそうそうない。

 文句があるなら実力で止めねばならない。

 それがこの世界のルールだ。

 そして、そのルールを作ったのは、力で他国を植民地化してきた列強だ。

 文句を言う筋合いは無い。



 それでも何か言ってくるのは、自分を棚上げしてるという事だ。

 自分のやってる事を無視して、相手を非難する。

 面の皮が厚くなければ出来ない。

 だが、そうであるならば同じように対応してやれば良い。

 自分のやってる事を無視して相手を非難し続ける。

 ただそれだけだ。



 そうこうしてるうちに動員が完了する。

 全ての準備を終えた軍勢が動き出す。



 西暦1941年。

 日本勢力圏。

 および、日本の友好国による軍事行動開始。

 まだ中国地域だけにとどまっていた戦火が世界へと拡大していく。

 これをもって第二次世界大戦の始まりとする者も多い。

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