3回目 下準備は終わった、ここから本格的にやっていく
「さーて」
様々な指示の中から、定番となったものを選ぶ。
「まずは考え方を変えていきましょうねえ~」
妙にいやらしい言い方で選択。
指示が実行されていく。
選んだのは『思想の研究』
選んだ国における考え方や思考などについて研究していく。
研究が終わると、今までになかった考え方が国内に広まる。
ただ、これ単体では国力などは増加しない。
そういう意味では、農場や工場の建設に比べてうまみは少ない。
しかし、これが後々に大きな違いとなってあらわれる。
この『思想の研究』、国力の増大に影響を与えていく。
選択肢が増えていくのだ。
これにより、今まで選べなかった指示が出せるようになる。
その為、序盤に余裕があるなら、とにかくこれをやってやれる事を増やしていく。
それに、『思想の研究』をしないと、国力増大につながる選択肢が出てこない。
直接生産に関わらなくても、これをしておかないと後々大変な事になる。
幸い、序盤の日本はそれなりに余裕がある。
胡座をかいてはいられないが、当分侵略される事は無い。
その間に一気に選択肢を増やし、発展の可能性を広げていく。
本格的な研究開発はそれからだ。
そして『思想の研究』にかかる時間は、数年ほど。
かなりの時間がかかる。
なので、余裕がある時にやっておかないと、後で困る事になる。
その研究がいくつか終わり。
求める選択肢が出てきた。
それを用いて事を一気に進めていく。
「それじゃ、公武合体を進めていきましょう!」
公武合体。
朝廷と幕府の統一だ。
これが出来ないと、日本は分裂状態のままとなる。
そもそも日本の藩は独立性が高い。
というか、独立国であるという。
その為、藩に直接命令や指示を出すのが難しい。
統一国家として行動する事が、序盤では不可能だ。
これを可能とするために、朝廷と幕府を一つにまとめねばならない。
それを可能とするのが『公武合体』になる。
これは『思想の研究』を進める事で可能となる。
それが研究を進めた理由でもあった。
選択肢を増やすのもそうだが。
何より、まずは日本を一つにせねばならない。
でないと、まとまった行動が全く出来ないのだから。
ただ、公武合体を選ぶと、対外的な行動がほとんど出来なくなる。
内政でやれる事も少なくなる。
作業が終わるまで、ひたすら耐え忍ぶ事になる。
その間に外国が攻めてくる可能性もある。
そういった場合には防衛は可能だ。
だが、常に受け身の状態になるので、冷や汗が出る。
幸い、今回は周辺から攻撃を受ける事はなかった。
無事に公武合体は終わり、統一国家となった日本となる。
あらためて朝廷を中心として一つにまとまった日本。
その整備に手をつけていく。
統一されたといっても、それで全てが良くなるわけではない。
ただ、日本全土に指示が行き渡るようになっただけだ。
実際の整備はここからはじめていかねばならない。
だが、その効率は格段にあがっていく。
今までだと、幕府から各藩に通達。
そこから実際の作業が始まる、という行程をとる事になる。
これにより、指示の実施に時間がかかる。
ゲームとしては、指示の効果にマイナスの修正が加わる。
たとえば、施設建造にかかる時間が増えたり。
必要な資金や資源が増大したり。
そういう形で、伝達の遅れが表現されている。
これらが無くなる事で、様々な施策が一気にはかどるようになる。
また、今までは国土を縦断するような事も出来なかった。
例えば、とある藩から別の藩に移動すると、そこで通行料などが発生する。
入国するための手続きなども必要となる。
こういった手間がどうしてもかかる。
これらは、輸送費用などの増大などで表現されていた。
くわえていえば、国土を貫くような幹線道路なども作れなかった。
現代的に言えば、高速道路となろうか。
あるいは新幹線でもいい。
こうしたものを作ろうにも、藩をまたぐようなものを設置できるわけもない。
やろうとしたら、多大な時間や手間や資金がかかる事になる。
こういった問題があったため、国力増強の指示をあえて出していなかった。
少しずつ進められるものは進めていたが。
だが、これで一気に事を進めていける。
「よーしよし」
やれる事が一気に増えた事を喜ぶ。
ここから一気に国力を増大させていける。