表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/70

29回目 優先する研究対象

 国の内外の事がある程度決まっていく。

 そうなると、大きな動きがあるまでは静かに行動していく事になる。

 とはいえ、やることはほとんどない。

 上がってくる報告を見ながら、淡々と作業をしていく。



 そんな中で進めてるのが兵器開発。

 どうせ始まるだろう次の戦争に備えねばならない。

 現時点でも同時代のどの国よりも有利だが。

 この差を保っていかねばならない。

 出来るなら更に差をひろげたい。



 ただ、あれもこれもとは行かない。

 研究できるものの数に限界はある。

 その中で最適を選んでいかねばならない。

 ある程度の必勝法はあるのだが。

 それでも完璧とはいかない。



 ただ、地上兵器を優先的に開発していく。

 結局のところ、戦争は地べたの取り合いだ。

 陸軍がしっかりしてないとどうにもならない。

 少なくとも、史実の日本のように陸軍軽視は避けていく。

 軍艦ばっかり立派でも意味は無い。

 むしろ、そんな海軍偏重を徹底的に潰していく。



 幸い、技術力は抜きん出ている。

 現時点ですら、1930年代の半ば以降の技術力が出来ている。

 もう少しすれば、1940年代。

 ものによっては、1945年代のものまで手が届く。

 目安としては、第二次世界大戦の段階だ。



 戦車だけなら、M4シャーマンやT34、4号戦車まで作れる。

 それくらいまで研究は進んでいる。



 生産設備もそろっている。

 設計図があっても、工業力が足りなくて作れないという事にはならない。

 発注すれば、ほぼ確実に生産がされる。

 また、生産に時間もかからない。

 このゲーム、工業力が足りないと、生産に余計な時間がかかるようになっている。

 それがないのがありがたい。



 逆に、工業力が高いと、程度の低い武器などは簡単に増産できる。

 これを利用して、低品質・旧式の兵器をあえて量産して、兵隊を大量生産するという手段もある。

 当面、数だけそろえたい時には便利だ。

 もっとも、数だけなので簡単に蹴散らされる。

 可能な限り早く最新式の武器に切り替える必要はあった。



 そんな事にならないようにしたいところだ。

 その為にも研究も工業力・生産力も高めていく。



 だが、土台となる研究。

 技術や知識を培っていかねばどうしようもない。

 いくら生産設備がそろっていても、研究が進んでいなければ、旧式兵器しか作れない。

 なので、まずは研究というのが基本となる。



「まずは1950年代くらいまで進めないと」

 次の戦争。

 おそらくは1936~1941年頃に起こるだろう。

 そこから更に前後する事もあるが。

 第二次世界大戦が始まるのは、おおよそそれくらいの時期だ。

 その頃までには、更に先の時代の技術に到達しておきたい。

 戦争中は研究開発もろくに進められなくなるのだから。

 それだけ資金も資源も切迫する。



「むしろ、どうやってあんだけ研究を進めてたんだか」

 史実における各国の研究速度の早さを思い出す。

 先進国は戦中であっても様々な新兵器を出してきていた。

 そんな開発力をどうやって確保していたのか。

 このゲームをやるようになって、それが本当に不思議でならなくなった。



 そういった疑問もあるので、とにかく戦争の無い時期に研究開発は進めておく。

 可能な限り生産設備もそろえておく。

 資源の確保も忘れない。

 勢力下にある各国・地域を発展させるのと平行で。

 常に余裕の無い状況が続く。



 そのため、分野を絞って研究をしていく。

 やる事は決まっている。

「電探は絶対だ……」

 それが最優先になっている。



 もちろん兵器としての攻撃力・防御力・機動力は必要だ。

 だが、それだけではどうしようもない。

 通信・探知といったものも必要になる。

 たんなる戦闘力だけでは意味が無い。



 第二次大戦初期ならともかく。

 終盤ともなると、電探などの必要性が高まる。

 それを出来るだけ最初に用意しておかねばならない。

 あれば他の国を大きく引き剥がせる。



 その為にも、電子技術をとにかく発展させていく。

 それも、真空管を超えてトランジスタ。

 それが出来ればと考えて。

 さすがにICは無理だが。

 これらが出来れば、単純な戦闘力以外の部分で他国を圧倒できる。



 目に入る前に敵を見つけ、それに攻撃を加える。

 さすがに誘導ミサイルまでは無理にしても。

 それに近いところまで進んでおきたい。



 その為にも、単純な攻撃力や防御力などはあえて後回しにする。

 そういったものも重要なのだが。

 はっきり言えば、それも電子回路などの研究を終えてからで良い。

 電子回路が出来れば、研究に大きな上昇補正をかけられる。

 それから攻撃や防御を考えれば良い。

 はっきり言えば、電子機器を開発した方が効率が良い。



 それに、今の状態でも他の国を圧倒するものがそろってる。

 しばらくは新規に何かを作る必要は無い。



「だから早くパソコンを作ってくれ────」

 今後の研究開発のために。

 更に他の国を引き離す為に。



 そんな研究をしなくても良いものは次々に作っていく。

 とりあえずは歩兵用の武器を。

 今後を見据えて、何よりも歩兵用の対戦車兵器。

 バズーカにパンツァーファウストなど。

 これらを作って量産していく。

 戦車そのものも必要だが、歩兵に対抗手段を持たせたい。

 これがあるだけで、破壊力も変わってくるし、損害も抑える事が出来る。

「対戦車ミサイルや対空ミサイルがいいんだけどなあ」

 さすがにそこまでは手が届かない。

 残念な事であるが。



 そういった小さな更新をしつつ。

 先を見据えた大きな研究を進めていく。

 その成果は、1930年に入る頃には少しずつ出てくるようになった。

 それらを用いた具体的な兵器になるには、まだ少し時間が必要だったが。

 それでも時代を20年くらい先取りしたものができはじめていた。



 電子技術がそこまで進み。

 そこから電子計算機を作り。

 研究用に配備していく。

 そこから研究が更に進むようになり、後回しにしていたものに手をつけていく。

 ゲーム内での話だが、日本は更に時代を超越しはじめていく。



 まず、戦力の要になる戦車。

 これを更に更新していく。

 1940年頃だったものを、一気に1945年の大戦後期に。

 それすらも超えて、戦後第一世代の戦車に届かせる。



 艦船はすぐにはいかないが、既存の艦艇に電子機器を搭載していく。

 電探や水中探知機の搭載をすすめ、敵の発見や命中率の向上につとめる。

 できれば電探と連動させておきたいが、さすがにそこまでやるには時間が足りない。



 航空機はプロペラ機を可能な限り更新していく。

 最高時速を400キロから600キロへ。

 それを当面の主力にして、ジェットの開発を進めていく。



 そうして出来上がった新型・改修型の兵器が出現していく。

 それだけで日本の軍備は他の国を一世代か二世代は上回った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ