27回目 遮る事が出来た出現、進める事が出来るようになった発展
そしてもう一つ。
ゲームの特性だろうが、オーストリア勝利によって遮る事が出来た事がある。
ヒトラーの登場だ。
ドイツの総統になったからドイツ人と思われがちだが。
ヒトラーの出身はオーストリアだ。
なので、オーストリアが勝利すると、ヒトラーがドイツ総統になる可能性を潰せる。
これにより、将来の不安要素の一つが消える。
オーストリアが負けると、これが面倒になる。
だいたい、オーストリアと同盟を組んでいた敗戦国の総統になるのだから。
一番可能性が高いのは、オーストリアがヒトラーに率いられて復活する事が多いが。
どこで復活するにせよ、脅威になる。
何せ、たいていの場合、ヒトラーの率いる国はかなりの戦力になる。
それを阻止するためにも、オーストリアには勝利してもらわねばならない。
事前の外交でオーストリアを味方に引き込んだのはこのためだ。
あと、ロシアを潰したので共産党も出てこなくなる。
どこかの国が共産主義になって独裁国家になる可能性はあるが。
そうなったら諦めるしかない。
その場合、最悪の敵となる。
それでも、当面の心配を消すことが出来た。
これで当面は平穏な日々が続く。
敗戦国は悲惨だが。
それはススムが気にする事ではない。
それよりも、得られた資金でやれる事をやっていかねばならない。
その全てを使って、勢力圏を発展させていく。
日本国内はどうにかなっている。
まだ進められる事もあるが、必要な施設や設備はととのった。
更に研究開発を進めて、更に上を目指していくが。
それは研究開発が終わってからである。
ただ、この段階でとれる選択肢、つまり『思想の研究』は終わってる。
あとは技術水準が上がったり、生活水準が上がらないと新たな研究が出来ない。
この時点での限界に到達したのだ。
となれば、国内においてやる事はあまりない。
それよりも勢力圏を向上させる必要がある。
何せ、植民地などから独立させたばかりのところがほとんどだ。
フィリピンですら、せいぜい30年かそこらといったくらい。
ろくに設備もととのっておらず、国として成り立たないような所が多い。
まず、フィリピンと台湾。
ここを重点的に成長させていく。
台湾は開発がある程度終わり、そろそろ独立が見えてきた。
問題はフィリピンだ。
フィリピンは日本の拠点周辺はまだ発展している。
それが周囲にひろまりはじめている。
しかし、手つかずの所が多い。
ここにてこ入れしていく。
まず、フィリピンから来てる様々な申し出。
これをほぼ全て受け入れていく。
そのほとんどが開発援助だ。
フィリピン単独では金や技術が無くて出来ない事。
それらを代わりに日本が行っていく。
ただし、援助という形はとらない。
貸し出しという形にしておく。
建造してやる代わりに、月賦でいいから払えという事だ。
無料で提供するつもりはない。
こうしておかないと、無遠慮にあれこれ要求するようになってくる。
また、不要な施設も作り出していく。
それをさせない為に、相手にも負担を担わせる。
そもそもとして、これらは自分でどうにかするものだ。
他人に代わりにやってもらうなら、対価が必要なのは当然。
代わりに、思想などはどんどん輸出していく。
こうする事で、要望の内容が変わってくるからだ。
与える思想次第だが、まともな要求になっていく。
考え方が変わって、するべき事が分かってくるのをあらわしてるのだろう。
フィリピンに限った事ではない。
他の国や地域でも同じような流れになる。
また、日本からも提案をいくつもしていく。
そうしておけば、相手もそれを採択する可能性があるからだ。
そうして向こうから提案をしてくれば、それを採用する。
こうしてフィリピンはめざましく発展していく。
これを、第一次世界大戦の賠償金と、毎年入る資金によって行っていく。
どうせいつか消えるものだ。
せいぜい、第二次世界大戦までしか使えない。
だから、徹底的に有効活用していく。
それに、最初は使った分だけ減ってくのだが。
借金の返済という形で戻ってくる。
それも利子をつけて。
時間が経てば、結果として実入りが大きくなる。
もっとも、これも状況次第ではある。
場合によっては、借金を踏み倒す事もある。
特に戦争相手になった場合、借金を踏み倒される。
貸してる相手の国が消えても、貸した金が消える。
なので、貸した分を回収したいなら、相手を存続させねばならない。
貸し付けるというのは、これはこれで神経を使う。
それでも、発展には尽力していく。
そうすれば、交易相手となるのだ。
これも結果として日本の貿易収支が上がる。
税収も増える。
相手を発展させる事は、何も善意だけではない。
具体的な利益にもなる。
そうした利益を得るためにも、発展を進めていく。
そして増えた資金で更に別の国や地域も発展させていく。
フィリピン・台湾が終われば、今度は新たに勢力下に入ったベトナムを。
そちらに色々投じてもまだ余裕があるから満洲を。
更にユーラシア東部の沿海州。
日露戦争で手に入れた地域を発展させていく。
このあたりは、アメリカ対策をかねている。
戦争になった場合、この地域を拠点に出来るように。
その為にも地ならしをしていく。
もっとも、冬は港は凍り付くので、使える時期は限定されるが。
それでも、無いよりはあった方が良い。
そうでなくても、この地域も発展してくれた方がありがたい。
やはり交易相手になれば、手に入る金が増える。
この地域からとれる資源も使えるようになる。
その資源を使って、他の地域の開発も進められるようになる。
そして、忘れてはいけない、ロシア国境。
この地域での防備も固めていく。
今はおとなしいが、いずれ暴発するだろう。
そうなった時に即座に対処出来るように。
今まで以上に軍備増強に励んでいく。
こうした内政に力を入れつつ。
外交の方も進めていく。
その成果がそろそろあらわれそうだった。
国際連盟だ。




