24回目 第一次世界大戦 5
ロシアにかわって日本・オーストリア・トルコが攻撃を仕掛けていく。
装備がろくに無いロシアと違い、まともな軍備をそなえた軍勢だ。
数ではロシアにまけるが、攻撃力は高い。
瞬く間に……とはいかないが、ドイツを圧倒していく。
空も戦闘機が舞い踊り、ドイツ空軍を圧倒する。
出撃できる戦闘機がなくなるまでドイツ空軍は戦ったが。
性能差と物量差はいかんともしがたい。
オーストリアもトルコもそれなりに空軍はそろえている。
日本軍の補完的な役割だが、これらも参戦する事で、形勢は完全に決まった。
そして、空からの爆撃が始まり。
ドイツ軍は地上でも敗北と後退を続ける事になった。
さすがにここまで来れば、劣勢は確定している。
挽回しようにも打つ手が無い。
やむなく停戦、講和を打診する事になる。
勝ち目はないが、まだ余力がある段階で。
ここで止めなければ、さらなる損害を受ける事になる。
ドイツ・フランス・スペインの首脳部はそう考えた。
それを受けたススムは、それならと条件を連ねていく。
軍備の大幅な制限と、毎年国家予算の25%を戦勝国に支払い続ける事。
また、産業などにも制限をかけていく。
重工業を潰して、二度と戦争が出来ないように。
それどころか、科学的な文明が維持できないように。
なかなかにぶっ飛んだ内容だ。
とはいえ、空前というわけではない。
絶後になるかどうかは分からないが。
インドは国家予算の25%をイギリスにとられていたという。
軍事の制限は、第一次大戦後のドイツが受けたものだ。
産業の制限は第二次大戦後の日本がなされた事だという。
虚実が混じってるかもしれないが、これらが事実ならそう珍しい条件でもない。
もっとも、受け入れがたい内容なのは確かだ。
当然、ドイツ・フランス・スペインは拒否する。
「なら、戦争続行だ」
容赦なく苛烈に継続される戦争。
ドイツはその猛攻によってベルリンを制圧される。
さらに首都を後退させて対抗する。
だが、それもついに押し切られ。
フランス・オランダの国境近くまで押し切られたところで降伏。
そこからフランスになだれ込んだ日本側は、パリを一気に制圧。
そのままフランス南部も押し切っていく。
さすがにフランスは何度も降伏の打診をしていった。
しかし、ススムが出した条件を飲めるわけもなく。
これまたスペイン国境近くまで押し切られたところで降伏する。
最後にのこったスペインだが。
フランス側の国境は山脈地帯なのでなんとか防戦は出来る。
しかし、大西洋からイギリスが。
地中海から日本・オーストリア・トルコが。
フランス側からは陸路でイタリアが。
それぞれ上陸を開始するとひとたまりもなかった。
これまたギリギリまで戦闘を強いられ。
そして、最後は無条件降伏を余儀なくされた。
西暦1923年。
ここに世界大戦が終結を迎えた。




