17回目 金食い虫は極力抑え、国の豊かさを実現していく
軍の編成などにも手を加えていく。
戦争中はともかく、そうでない時にまで膨大な戦力を抱えているわけにはいかない。
特に兵士は徴兵でまかなってるから、これを復員させて民間に戻す必要がある。
その為の指示を出していく。
これでまず、労働力が民間に戻る。
更に、軍事費の圧迫が減る。
次に、兵器の生産なども見直していく。
今までは戦争で必要だったから、予算を軍事に振り分けていたが。
それも可能な限り引き下げていく。
当然、兵器生産なども大きく目減りする。
ただ、可能な限り開発予算は確保していく。
新しい兵器を常に用意し、必要な時に生産が出来るように。
これだけは決して怠れない。
加えて、もっとも金食い虫の海軍を制限していく。
日露戦争が終われば当面の危険は無くなる。
日本が守るべき範囲に強力な敵海軍はほぼ存在しない。
カムチャッカからフィリピンまで。
その間だけ守ればいいのだから、規模もそこまで必要は無い。
技術の吸収の為に、イギリスに金剛を発注はするが。
それ以降の戦艦は、基本的にそれほど作らないようにする。
他の巡洋艦や駆逐艦なども同じだ。
また、時代遅れになる既存の艦船なども廃棄していく。
保有してるだけで、港や予算を圧迫するからだ。
記念艦として、三笠は展示しておく事にするが。
それ以外は解体して鉄などに回していく。
このゲームだと、廃棄する事でいくらか鉄が回収が出来る。
資源を少しでも確保するために、廃棄・解体は結構重要にもなる。
それでいて、必要になるものの開発などは進めていく。
特に陸軍は。
ここが弱くて陸上戦闘で苦労するわけにはいかない。
史実の二の舞は避けねばならない。
その為の予算を確保するためにも、海軍を史実よりも圧縮していく。
編成もいくらかいじる。
今後を考えて、船団護衛が出来るような艦船を増やす。
また、生産性の高い艦船の開発もしていく。
攻撃力は減るが、それはかまわなかった。
数が足りず、量産も出来ずに作戦展開が出来なくなるよりは良い。
沈没して数が減っても、即座に生産して補充が出来ねば意味がない。
もちろん、単独で強力な艦船というのも用意はする。
どちらも用意する事で、対応できる能力を上げていく。
そんなこんなで、海軍の規模は史実の7割以下。
中身も安く建造できる艦船が主力となっている。
財政への圧迫も低くなっている。
出来ればもっと減らしたいところだが。
さすがにある程度の規模は確保しなくてはならない。
それを考えると、これ以上の削減は難しい。
「ここで留めておくか」
残念だが、これは仕方が無い。
出来ればもっと削減したいのだが。
なかなかそうもいかない。
今後の事もある。
ただ、予算の圧迫は無くなった。
これで内政に回せる金が出来る。
幸い、もともとの国力が史実以上なので、余裕は比較的ある。
その余裕を研究開発に回していく。
様々な施設を更新できるようにして、生産力を更に上げていく。
これらが結果として戦力増強につながる。
数だけそろっていても、旧式化していく兵器だけ持っていても意味が無い。
可能な限り使える兵器をそろえていく。
平和な時期はそれに重点を置く。
でないと、史実のように新兵器の開発に失敗し続ける事になる。
その理由の大部分は、工業力のなさによるものだ。
そうなったら本末転倒だ。
強い軍隊を作ったら、強い軍隊が国を弱くしていく。
そして強かった軍隊もだんだんと弱くなっていく。
そんな馬鹿げた事はさけねばならない。
まずは民生ありき。
国民一人一人の豊かさが国の強さを作る。
富裕である事、これがまず大事なのだ。
そんな国を作る為にとにかく様々な手を使っていく。
それもまた、やがてやってくる大きな騒乱に備えての事だ。
「あと10年か」
時間はそれだけしかない。
今回の世界情勢で起こるかどうか分からないが。
それでも史実で起こった事は高確率で発生するのがこのゲーム。
避ける手立てもないわけではないが。
対策をしておくにこした事は無い。
「世界大戦に間に合えばいいけど」
基礎的な研究開発をどれだけ進められるか。
それが勝負になる。
ただ、それでも日露戦争後の日本は平和だった。
ススムが娯楽を大量に開発した影響もあるだろうか。
国民の不満は低いところで安定していた。
生産力も順調に上昇し、実際に民生も活発化している。
加えて、この娯楽を輸出した事で。
日本の勢力下にある各地で国民の不満が下がっていく。
娯楽の存在はとても大きいようだ。
そのおかげでテロなども起こらず安定していく。
「早く、漫画とアニメとゲームまでいかないと」
より大きな効果を求め、娯楽関係の研究開発も進めていく。
平和なのは良いことだ。