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11回目 日清戦争

 日清戦争は、開戦当初は日本の有利に進んでいった。

 史実以上に近代化された軍勢は、あっけないほど簡単に清国軍を撃退していく。



 史実以上に配備された機関銃。

 それを搭載した自動車。

 これらの組み合わせが、清国軍を撃退していく。

 特に自動車による進撃速度はこれまでの常識を覆す。



 迅速に展開し、敵を撃退していく。

 進軍中の敵に突入し、隊列を分断していく。

 敵の後方を襲撃し、備蓄されてる武器弾薬・食料に物資を押収していく。

 おかげで清国軍はまともに戦う事も出来ずに壊滅していく。

 敗走できたならまだ幸運な方だった。



 海上でもそれは同じだ。

 さすがに全てを国産してるわけではないが。

 それでもかなりの戦力となっている。

 史実以上に近代化されている艦艇はそろっていた。



 その姿は、後の世の軍艦に近い。

 いわゆるドレッドノート型戦艦と同じような砲の配置をしている。

 その砲撃力は、この時代の他の軍艦を大きくしのぐ。



 輸入した軍艦を含め、総勢12隻。

 いずれも史実の艦船と同等か、それ以上の艦艇をそろえられた。

 これを清国海軍にあてていく事になる。

 ただ、それでも不安はあった。



 清国海軍も強力な艦艇をそろえている。

 決して脆弱ではない。

 結果がどうなるかは実際に戦ってみないと分からない。

 何にしても、結果はやってみるまで分からない。

 事前の予想や予測は、あくまで可能性に過ぎない。

 可能性が現実になるとは限らないのだ。



 どれだけ有利な条件をそろえても負ける事はある。

 そうなる確率は確かに低い。

 しかし、有利な条件で負ける事もある。

 このゲームでそれを何度もススムは体験してきた。

 だから今回がどうなるのか不安はあった。



 それでも信じてやるしかない。

 成功する可能性は高いのだ。

 それを信じるしかない。

 あとは、出来るだけ損害が少ない事を願うだけだ。



 そして迎えた海戦。

 幸いにもこれは日本に有利に動いていった。

 清国海軍は日本海軍と接触、戦闘の末に撃沈されていく。

 日本海軍も損害は受けたが、撃沈などは一切なし。

 完全な勝利といっても良い結果を出した。



 これにより、海上輸送の脅威は消えた。

 それどころか、清国の首都近くまで陸軍を海上輸送出来るようにすらなった。

 この時点で清国の戦争継続の意思は消えた。



 西暦1893年。

 清国は終戦交渉を提案。

 これを受けて日本は交渉を開始。

 同時に戦闘の停止が発令される。

 両軍、双方ともに引き下がり、戦闘は一旦停止となった。



 そして交渉の結果。

 概ね史実と似たような条件で戦争は終わる事となる。

 もちろん、史実と違う部分もある。

 それを並べると次のようになる。



(1)日本との不可侵条約

(2)いくつかの都市を交易地として開放

(3)通商の開始

(4)朝鮮のロシア側国境の日本軍駐留

(5)朝鮮側のいくつかの港の使用権

(6)台湾の割譲

(7)賠償金の支払い



 概ね、これが条件となった。

 史実と違い、朝鮮の独立などは入ってない。

 日本に必要なのは、ロシアの南下をおさえる事だ。

 その為、朝鮮に軍がおければそれでよい。

 また、この駐屯地に物資の輸送が出来るようにいくつかの港が使えれば良い。

 港から駐屯地への輸送路も。

 この輸送路は駐留地の使用の中に入っている。



 領土として求めたのは台湾くらいだ。

 それも、フィリピンと南海への通路確保のためである。

 中継地点として保有しておきたいところだ。

 それに、ダムなどの開発に成功すれば穀倉地帯になる。

 食料の供給源としても大切にしたい。

 もっとも、日本の領土にはしない。

 将来的な独立を見据えた場所としていく。

 その方が面倒が少ない。



 また、清との同盟はさすがに無理ではあったが。

 不可侵条約を結び、とりあえず敵対はしない事だけは約束させた。

 もっとも、史実の流れを考えれば、どこまで信用できるか分かったものではないが。

 それでも、当面の安全を確保出来た事をまずは喜ぶことにする。



 こうして日清戦争は終わった。

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