1回目 夢の中でまで見たゲーム
読む前にこちらを。
これに納得できてから読み進めていってくれ。
小説に科学や学説などを求めてどうすんの?
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SFにしろ時代劇にしろ、考証などいらないだろ
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「……これは?」
広沢ススムは思わず声をもらした。
目の前にあるものを見て。
暗い空間にぽつんと置いてある机とパソコン。
そこには見慣れた画面が開かれている。
『指導者の意思』
歴史を扱った戦略ゲームだ。
ススムが好んでやってるゲームである。
歴史のある時期を取り扱い、その間に自分が担当する国を成長させていく。
最終的には世界征服なり、連盟の盟主なり。
そういった状態になれば勝利となる。
それが暗闇の中のこんなところに置かれているのか。
全く分からない。
ただ、なんとなく思うのだ。
「夢の中でまでか……」
自分が寝ているであろうことを。
明晰夢というものがある。
今の状態が夢を見てると分かっていて見る夢だという。
今のススムはそういう状態にあるのだろう。
つまり、
「夢の中でまでこのゲームをやろうとしてるとは」
という事になる。
我ながら業が深いとススムも思う。
しかし、好きなものは好きなんだからしょうがない。
何度も遊び、遊び尽くしてなおまた遊ぶくらいに。
もう遊べる国は全て遊び倒した。
大国から弱小国まで。
世界征服から連盟締結まで。
出来る事は何でもした。
そのせいなのだろうと思った。
夢にまで見るというのは。
しかし、そんな自分に呆れてもやることはやる。
「まあ、せっかくだ」
散々遊び尽くしたが、これも一興と思い、パソコンの前に座る。
「さーて、がんばるぞ」
気合いを入れてゲームを開始していく。