都市変機兵1
低クオです、、、すごく。
都市変機兵1
ツキナミside
《いたぞ、こっちだ》
────誰かの、声がする。
《ボロボロじゃないか、、》
────また、蹴られるのだろうか。
「ミナモ」
シコンが呼ぶ。
「みんな、しんじゃったよ、、、?」
───そう。
最大限の魔力を放ったからだ。
──────
日々の暴力に耐えていた。
色素の無い眼、鮮血に染まる眼。
魔王の始祖として、扱われてきた。
魔王の始祖、とはあながち間違ってはいない。
今から約500年前、世界は滅亡の危機にあった。
謎の侵入者によって。
そこで俺が隠していた最大級魔法を解禁し、国民のバリアを張ると同時に部外者のみを抹殺した。
だが、世界は難しい。
殺す必要はないと責められ、結果的に監獄へ。
誰も褒めてくれない。
罵声ばかり聞かされた。
誰も、味方なんて居ない。
脱獄、殺害を繰り返し、
俺は、抹殺の魔王と呼ばれ始めた。
誰もいない牢獄の中で、俺は死んだ。
殺された。死刑執行人に。
転生魔法で転生したが、また、この世界に転生してしまった。
─────
キサは、悪魔の子だ。
IDが666であり、悪魔の血を継いでいる。
何もかもができると言っても過言ではない。
俺の牢屋に入っては一緒に話をした。
「君はアサウジキサだ。」
俺が着けた、キサという名前。
「じゃあ、お前はミナモな。ツキナミミナモ。」
互いの名前をつけあったこと。
言葉を交わし笑ったこと。
「家には、もう1人の俺がいるんだ。」
「壊そうと思えば、こんなボロくそ、壊せるんだよ。」
彼は元気そうに見られるだろう。
元気ではない。
悪魔の子としての区別や差別に苦しみ、まともにご飯も食べられない。
両親は法律に触れると子供から離れられず、ほぼ別室生活。
『あなたのせいで私たちは苦しんでいるのよ!』
顔を合わせると殴られるのだ。
──────
目の前で、倒れる女の子がいた。
『お前は必要ない。あの穢物と暮らしとけ』
女の子は泣き縋る。
だが髪を捕まれ引き離された。
「ごめんね、あなたは何も悪くないの。
…………私は、ルリミヤシコン。」
女の子は話しかけてくれた。
だが、俺は話す気力もなかった。
───
「レオ、大丈夫?」
シコンが、何やら話している。
「ねえ、この子、レオ。アサクラレオ。
追い出されたみたい。」
シコンは俺に言った。
「ここにいちゃいけない」
俺は反射的に声に出していた。
声を出すことさえ禁じられた穢物が。
「どうして?
あなたは綺麗。」
レオは言った。
「俺が、綺麗?」
『何喋ってやがんだ、どけ』
突き放される彼女たち。
『名もなければ何も無い』
『名もないお前に何が出来る』
俺にも浴びせられた差別と罵倒。
気に入っていた長髪は切られた。
穢れた白髪、と。
1部しか残らない、胸まで伸びた髪は、紫になってしまった。
とうとう限界だったらしい。
「俺は、ツキナミ、、、」
「ツキナミ、ミナモ、だっ、!」
────キサがつけてくれた、この名前。
────手放す訳にはいかない。
『穢物が名前を持つだと?!』
住民が騒ぐ。
特別な力を持ってして、残虐だ。
耐えきれなくなった俺は、ついに魔力を解禁した。
「“瞬殺”」
当たりがゆれ、都市全体が黒い輪で覆われた。
人々は血を吐き地を這い死んでゆく。
「逃げなきゃ、」
俺は牢屋を壊そうと試みる。
人力では開きそうにないと判断。
「“崩壊”」
辺り一面が崩れる。
素手で握る牢屋は錆付き砕ける。
目の前に、キサが笑顔で立っていた。
キサと共に外に出た。
その時にはもう、住民は誰一人として生きてはいなかった。
外に出るのは怖い。
だから、ここで暮らす。
4人で、入ってくる人を殺して、食べた。
残虐の残る場所が落ち着いた。
逃げたかったはずなのに。
この世界がどんなに広いかは、4人はまだ知らない。
読んでくださりありがとうございました
投稿頻度カメなんで頑張ります( ᐛ )و