R,青年
どうも、最近ネットで使う名前が多くてどこでなんの名前を使っているのか、わからなくなってきた多分オセロットです。
合体させて加筆修正して………矛盾点あったらごめんなさい。(Rはリメイクのつもり)
では、本編をどうぞ
すべてを語ると、これを読む人達が生まれる前より過去に遡るはずだ。
体に異変と恐怖を感じた。
始めに変だと感じたのはのはいつだったかな、もう何十年、いや、もっと前だろう。
僕はその何年も前の蝉時雨の夜に、大型トラックに轢き逃げされた。
でも不思議なことに、致命傷を負ったはずなのに、死ななかった。
頭を強打したりだとか、何メートルも吹っ飛ばされたのに、僕は死ななかった。
それだけならまだ、奇跡ってだけですんだだろう。
その何年かした後
僕は、苛められた
殴打や蹴りといった暴力、陰口に悪口、挙げ句の果てには、通っていた学校の3階のベランダから突き落とされた。
でも死ななかった。
何故死なない?
僕は苛められて生きるのが嫌になった。
家にあった鋭い果物ナイフ
左手で強く、力を込めて握りしめて、震えながら、右手に力強く振り降ろした。
今まで見たこと無いくらい血が吹き出して、紅い水溜まりを作り出した。
でも
僕は死ねなかった
奇跡?
いや、
僕はきっと
不死かもしれないんだ
確信は無くとも、その時僕はそう思った。
僕は、その後も苛められた。
やっぱり、生きるのが辛い、怖い、もう、嫌なのに、僕は死ねない。
死なない。
死ねない。
死にたい。
何回思ったのかわからないほど、死にたいと願う。
何度も死のうとした。
でも死ねないんだ。
ある日僕は、また死のうとした。
こんどは放課後、暗い家庭科室で包丁を使った。
窓からの月明かりで鈍く光を反射したその鋭い刃の先端を、首に向けた。
両手でしっかり握りしめ、ただ一つ心に思う。
死にたい。
死にたい。
死にたい死にたい死にたい
手が震えた、そして最後になるであろう呼吸をしてその包丁を
持つ力を余すことなく使い
それを、首に突き刺そうとした。
あれ?
手に強く触れる暖かい感覚
ハアハアと聞こえてくる呼吸
自分の横に立つ人影
その人影が、首に向かう包丁を止めたのだ。
なんで?
なんで止めたの?
[君は…なんで死のうとしてるの…]
息を切らしながら、彼女はそういった。
[君はなんで死のうとしてるの…?]
[…?]
彼女がいることに、全く気付かなかった。
驚いて声もでなかったし、同時になんで死なせてくれないのか、怒りと悔しさを感じて、何で僕を止めたのかという疑問も感じて混乱した。
[何で止めたの…?]
[それは…目の前で死のうとする人を放っておけないよ…]
そういって彼女は手を離した。
僕が死のうとして、止めた人は
はじめてだった
どうして僕を止めるんだ
そうだ
この人をここで殺せば、僕を止める人は…居ないはずだろう
何を思い、血迷ったのか、死ぬのを止めた彼女に包丁の刃先を向ける。
[……君は人を殺せない筈だよ。]
[…え?]
手にもった包丁は、震えていた。
[君は死ぬのがどれだけ痛くて、辛い物かわかってる筈だよ―――]
[君は優しいし、それに、何度も君は死のうとしてたから一番わかってるでしょ…?]
何を言っているんだ?
僕をずっと見ていた?
僕が死ぬ瞬間を見た?
混乱した。
なんで何度も死のうとしていた事を知っているのだろうか
[違ってたら申し訳ないけど、私は何年かまえに散歩してるときに―――]
[君がトラックに轢かれて、大怪我をしているのを見た。]
[私は…怖くて逃げ出した。でも、次の日普通に学校に来ていたし、別の人だろうと思ったし、そのことはニュースにもならなかった。]
[その次に私は、君がいじめられている場面を何回も見て、噂も聞いた。]
[殴られて、蹴られて……私はあなたが突き落とされる所も見ちゃった…]
[なのに、何事もないように君は学校に来た。]
なんでそんなことを知っている?
ほとんど全てを知っている
[私は心配になって、突き落とされた次の日、あなたの家に行ったんだ…]
その日は…それはたしか…あぁ…死のうとした日だ。
[居るかどうかわからないから、お勝手の窓から中を覗いたときに…見ちゃったんだ…そして今日も…]
[私が見た時、君はすごい辛そうだった。]
[私は君が生きているのが不思議に思えるてくるくらいだし、不老不死か疑うくらいだけど、そのぶん辛さがわかってるでしょ…?]
確かにそうだ
死ぬことは
痛い
怖い
苦しい
でも
僕は死にたい
僕はもう辛いんだ
[…僕は…もう辛いんだ…]
心の声が口からつい零れたその一言
包丁を握っていた左手に力が入らず、包丁は音を立てて落ちた。
僕は震えながら、涙を流していた。
[その辛い感情は、私にはわからない。]
それはそうだろう。
何で死にたいのに死ねないのかわからない。
[けど、私は君に死んでほしくないから…]
どういう事だろう?
死んでほしくない?
[…どうして死んでほしくないの…?]
暫く無言の静寂の時間が生まれた。
数分してやっと、彼女が口を開いた。
[じゃあ、何で私が君に死んでほしくないと思う? ]
何でだろう?
考えても自分にはわからない
[ねぇ…一つ嫌だとは思うけど、約束してくれないかな?]
[どんな約束…?]
[それは死なないで欲しいってだけなんだけど…]
死なないで欲しい
別に死のうとして死ねないなら、痛い思いをして死のうとしても、意味がない。
だけど…生きる理由なんて…無い
[だめかな…?]
暗くて顔がよく見えないけど、寂しい顔をしている気がする。
そういえばこの人は誰なんだろう?
トラックの轢き逃げを知ってるなら小学校は同じはず…
声を聞いてもよくわからないけど…
…約束は…
[…別に約束してもいいけど…]
[よかった……約束、破らないでね]
その答えを聞いて喜んだのか、少し声色が明るくなった気がする。
気のせいなのかよくわからないけど
彼女の声をどこがで聞いたことがあるような……気がする。
そして死のうとした数々の事や、自分が虐められていたりするのを知っているのなら、小学校は同じはずだ。
[ねえ、君は誰なの?]
[私は赤井櫻、覚えてるかな?]
名前を聞いて、すべて思い出した。
小学校の時ずっと同じクラスだったんだ。
そして…僕の初恋の相手だ。
そのときは思いを伝えるられることはなく、別々の中学校に通った。
クラスは違ってもなんで気付かなかったんだろう。
[どうしたの?急に黙っちゃって]
[いや、何でもない。]
なんだか恥ずかしくなって、照れ隠しに包丁を拾い上げて元々あった場所に戻して、近くにあった椅子に座った。
そしていつもの癖が出た。
[その髪を弄るその癖、まだ抜けてなかったんだね。]
あぁ…小学校の時からこの癖は抜けて無いんだった。
ずっとこの癖が抜けない。
恥ずかしがったり考え事をしているといつもやってしまう。
[懐かしいな、君は考えるときとか、ずっとその癖ばっかりでてくるもん、昔を思い出したな。]
赤井さんとはずっと仲がよくて、よく一緒に遊んでたな。
[…あ、もう帰らないと。]
そういうと、小走りに家庭科室から出て行った。
しかし、一瞬顔をこちらに覗かせて
[私との約束、絶対破らないでね]
一言、そう釘をさして彼女は立ち去っていった。
彼は一つ、大きなため息をついた。
[死んでほしくない理由…か…]
家に帰る道中にずっと考え続けた。
でもやっぱりわからない。
ふと、腕につけられた銀色のCITIZENの時計を見る。
PM18:39
[…遅くなるって言ったし、久しぶりにあそこにいってみようかな…]
あそこ、それは彼にとっての思いの詰まった場所である。
詩記公園
町から少し外れた、小高いところにある小さな公園。
鞦韆や鉄棒といった、一般的な遊具や水呑場があるくらいで、この時間になれば、人は滅多に来ない。
時々来るのは夜行性の動物くらいだ。
彼は時々ここに訪れて、考え事をしていたり、ただ呆けていることもある。
今の時期は酷暑の夏、ある程度日が落ちてもまだまだ暑く感じるし、たくさんの虫の鳴き声が聞こえてくる。
少し汗をかきながら、考えた。
[なんで死んでほしくないんだろう…?]
ただ不思議で仕方がなかった。
死にたいのに
どうせ死んだって
悲しんでくれる人間もいない
死んだら
喜ぶ人間はたくさんいるだろう
それなのになんで
死んで欲しくないんだろう?
彼は考え続けた。
でも彼にはわからない
どれだけ考えても、わからなかった
もう一度、月明かりに少し反射して、白銀色に輝いている時計を見た。
PM20:53
[…帰ろうか…]
ベンチから思い腰を上げて立ち上がり、ゆっくりと歩きだす。
帰路の途中、右手の手首を見る。
右手にはめた時計を少しずらした。
痛々しい大きな傷跡が残り、今でもその傷が痛む。
見るたびに、身体が震える。
見るたびに、恐怖を感じる。
見るたびに、呼吸が乱れる。
[早く…帰ろう…]
小声で、歯を食い縛りながら言った。
僕には、妹がいる。
中学3年生の坂本真奈
僕らの両親はいま、ここにはいない。
別にいないからといって、死んでしまったわけではないが、父の転勤の都合で遠くに引っ越さなくてはならなかったが、妹が嫌だ嫌だと言うもんだから、両親は僕と妹を残して遠くに行ってしまった。
家事全般は妹ができるように練習したし、別に自分は残らずに両親と共に引っ越してしまっても妹なら大丈夫だっただろうと、後から思った。
家はそこまで大きくはない、親の名義でアパートを借りて、そこに住んでいる。
[ただいま…]
[…お帰り、お兄ちゃん。]
少し驚いてから、なんだか安心したような返事が帰って来た。
妹なら、今日何故遅く帰ると言ったのか、理解していたんだろう。
[お兄ちゃん、晩ご飯は食べた?]
[いや、食べてない。]
そもそもそんなにお腹はすいてないし、食欲もなかった。
[食べてはないけど、お腹はあんまりすいてないかな。]
[そういうと思って、サンドイッチ作っといた。]
そういうと真奈は、白い皿にベーコンとレタスにトマトの入った、まあようするにBLTだけど、それを僕に出してくれた。
僕は真奈の作る料理が好きだから、ペロッとたいらげてしまった。
[やっぱり真奈の料理は美味しいよ。]
[ならよかった]
笑顔でそういった。
その笑顔がとても落ち着く
でも同時に
もし本当に不死であるなら、こうやっていられるのもどれくらいなんだろう。
そんな不安に襲われる。
この時間がずっと続いたらいいのに。
でも、あの銀時計は止まることなく、一秒、また一秒と、動く限り、延々針は時を刻み続ける。
ただ、それが怖い。
ただ、時間が進むのが、
怖い。
怖い。
怖いんだ。
ただ、時間が進むのが、
嫌で、
嫌で、
嫌で堪らないんだ。
考えたくもない。
でも、考えてしまう。
目に、暖かい物を感じる。
胸の奥が、痛い。
涙が溢れてしまう。
[お兄ちゃん、どうしたの…?]
[何でもない…大丈夫…]
[大丈夫じゃ…ないよね…?]
妹は、僕の一番近くで、自殺しようとする場面を見ている。
第一発見者にもなっている。
それも、何回も何回も
だからなのか、いつも僕には優しい。
いろんな事を気にかけてくれる。
[学校はどうだった?]
とか、
[勉強どう?]
とか、いつもいつも、心配してくれる。
[お兄ちゃん、約束したよね…]
真奈と交わした約束、それもまたどこかで聞き覚えのあるような約束だった。
[お兄ちゃん…絶対死なないで…約束…して…]
泣きながら、その台詞を口にしていたのを、何年もたった今鮮明に思い出した。
最初に死のうとして、失敗して病院に運び込まれて二人だけになったときに、真奈と、そう約束していた。
あぁ…酷いやつだなぁ…僕は
あれは、雨が強く降る夜だった。
目を覚ましたのは、病院に運び込まれてから、1日位たった頃だったらしい。
まず目にはいったのは、白い天井や蛍光灯、窓から見える深夜の暗い町並みや時計、その横の花瓶に入った青く、とても美しい薔薇。
そして、目を覚ましてすぐに感じたのは、死ねなかった絶望、そして痛みだ。
自分で刺した右の手首が、とてもとても痛かった。
[ッ―――]
つい痛みを感じた時に眉間に皺を作った。
[お兄ちゃんよかった…]
涙をながしながら力強く抱き締めてきた。
結構痛いんだけどな。
[ッ―――痛い…]
[あっ、ごめんお兄ちゃん…]
涙を流したまま、ぱっと身体を離した。
[でも、よかった…よかったよぅ…]
笑顔になりながら、思いっきり泣いている。
昔から真奈は心配症すぎて困る。
…死ぬことができたら、この涙を見ないでいいのに。
でも、このときはまだそうは思ってはいなかった。
深いため息をついた。
死ねなくてよかったのか、死ねなくて残念なのか、こんなに泣かれてはよくわからなくなる。
この涙は、なんだか嫌いだ。
[……いい加減、泣き止んでくれないかな……?]
[だって、だって……心配したんだもん!]
多分…いや絶対に悪化した。
さっきより勢いよく盛大に大泣き始めた。
[どうしたらいいんだよもう……]
ため息をつきながら、花瓶の横にあった時計を見る。
AM1:47
すっかり深夜だ。
やはりまだ眠いし、かなり出血したからなのか
目眩がする。
泣きながらで、かなり聞きにくかったが
[お兄ちゃん…絶対死なないで…約束…して…]
言葉を失った。
何を言っていいのか、分からなくなった
[………うん]
そう答えることしかできなかった。
真奈のあの涙が嫌いだった。
見ていると心配になって、苦しくなって、胸の奥が痛くなって、ついこっちまで泣いてしまいそうになる。
だから約束した。
でも何度もその約束を破ってしまった。
5回以上も自殺をしようとした。
死ぬ事には慣れたと思っていたが、やっぱり改めて落ち着いて考えると、とっても怖い。
悲しむ人は、真奈と…せいぜい両親がいただろう。
[私の私情を押し付けてるのはわかってる……だけどお兄ちゃんは私にとって大切な人だから……]
[ごめん……]
[謝らなくていいから……改めて約束して…]
また、真奈は泣いている。
それは自分も同じだった。
もう一度約束を果たそう。
[約束する……]
[ありがとうお兄ちゃん……]
一度目に病院に運び込まれたときのように抱き締めてきた。
あのときを思い出すと、また腕が痛い感じがする。
…どうしたらいいのかな?
思いっきり抱きしめて、離してくれない。
まあ……今はいいや。
僕にとっても大切だから。
[おはよう]
[おはようお兄ちゃん]
AM7:10
いつもと同じように起きる。
今日は土曜日だ。
今日は今までのお詫びも含めて、妹になにかしてあげようと思った。
時々バイトもして、自分の貯金もあったから、よっぽどの贅沢じゃない限りはしてあげられるはずだ。
[真奈、今までのお詫びもあるけど、何かしたいことある?]
[したいこと……そうだ、水族館に行きたい。]
水族館……
真奈はたしかペンギンが好きだったはずだ。
昔はペンギンが居ないと、駄々を捏ねていたっけ。
今もペンギンの人形やグッズをよく集めていたりしていたはずだ。
[わかった、どこの水族館に行きたい?]
[ムーン水族館に行きたい!]
満面の笑みである。
やっぱりペンギンが有名な水族館だった。
今でもペンギンが好きなのは変わらないらしい。
電車とバスを乗り継ぎ数時間
バス停から歩いて10分程度
ムーン水族館に到着である
結構遠かった。
それに年齢的にも視線が少し恥ずかしがったりした。
それでも約束したから約束は果たす。
[お兄ちゃん早速ペンギン見に行こ?]
[わかっt…ちょっわかったから、待って!]
言い切る前に手をグイと引かれた。
未だにかなりペンギンが好きらしい。
でも楽しんでもらえるならやっぱりいいや。
[ペンギン…か、可愛い…]
流石にペンギンの有名な水族館、たくさんのペンギンに大量のペンギンの人形やストラップといったグッズが大量に、様々な種類が揃っている。
ペンギンが可愛い!
かわいすぎる!
お兄ちゃんにほんとに感謝!
[ありがとお兄ちゃん!]
自分でもわかる、すごい笑顔だった。
[あ、うん、楽しんでくれるならよかった。]
喜んでくれてほんとによかった。
せっかくだし売店とかのペンギングッズをたくさん買わせてあげよう。
[今日は好きなやつ買っていいよ]
[ホント!?ありがとう!]
満面の笑みだ。
こんなに喜んで笑ってくれるのは久しぶりだ。
安心した。
かなり迷惑もかけたし、これからは真奈を支え るようにしないと…
いかがでしたでしょうか?
最近音ゲーにはまり始めました。
遊び続けて小説投稿しないと友人からの信用が失われそう(そうなるかわかんないけど)
というかさらっと投稿するの忘れかけました………リアルの友人様………ほんとにごめんなさい
では、私はこの辺りでお暇させていただきましょう。