涙で濡れた娘のデータローミング
娘が今日、死んだ。
娘が今も生きてる様で仕方ない。
問いかけても反応しない。
叩いても殴っても反応しない。
僕は涙が溢れて娘の頬を濡らしてしまい、ハンカチで顔を拭いてあげた。
「どうして僕を置いて死ぬんだい?」
娘を抱えて僕は外に出かけていた。
死んだ娘を抱えて外に出ても周りは無視をしてるかの様に通りすがる。
「どうして、どうして。なぜ、僕を置いていくのだい?」
声を上げて泣いている姿を見て、周りは白い目で見てくる。
ようやく僕は病院に着いた。
「先生!この子を治してください!」
先生は僕の姿を見て困惑していると何処かに電話をしていました。
僕が椅子に座って娘を見ながら待っていると
コンコンと肩を叩きました。
そして、先生は僕に一言、言いました。
「すいません。当店では、この機種の修理は扱っておりません。代わりに此方に電話をしてください。」
と電話番号を書いた紙と代替機を僕に渡した。
そして、僕は治らない娘の記憶を取り出してゴミ箱に捨てた。