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An Endowment  作者: アタマオカシイ
第2章 発芽
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10蹴 サッカークラブへ(小学生になったとは言ってない)

プロ選手二人のおかげで(と言うとかなり優遇されているな)技術は身についた。

あと必要なものは、フィジカルである。いくらテクニックが優れていたって、体重が軽いとぶつかり合いになったときにつぶされてしまう。かといって、慌ててつけようとすると体が壊れてしまう。これは結構厄介だ。今はこの技術を、対人でどれだけ役立つかを試したい、という思いでいっぱいだった。


だから、同年代のサッカー少年、少女たちと遊んだのだが…相手にしてみたら遊ばれている、と言うレベルで、泣き出す子も出てくる始末。結果は俺の圧勝。それも、何人いっぺんにかかってきても、すべてかわしてしまって、止められるものは無い!そんな状況。うーん、やりすぎちゃったな。かといって実力が見ただけで分かるわけじゃないし…かといってプロ選手に相手してもらうとなると、さすがに勝てるわけがない。実際、稽古してもらってよくわかっているのだが、実力差というか、プロの熟練の技というのは経験年数の少ない俺ではかなわないし、かといって身につくわけがない。仮に身についていて、技術だけで何とかしようとしても、体格差でかなわない。ちょうどいい相手はいないものか、とつまらながっていた。目的がなかったらここでくさっていたかもしれない。


早く大人になりたいという少年、少女たちの願いを再認識した。まあ、大人になったからといって何かが変わるわけじゃないことは、よく知っているが。とにかく、とっとと小学生になりたい。ん、まてよ?昔大学に入学した少年の話があったな。この感じでなんとか小中とすっ飛ばせないものか…

俺は幼稚園児にしては、いやそんじょそこらの高校生よりも、勉強はできる。普段から勉強とサッカーをやりこんできた。ゲームに現を抜かす時間などない。だから、順当にやっていても飛び級はできるはずである。ということで、親に相談した。

やはり、現行法上では、小中学生の飛び級は認められていない。と、いうことで。

「父さん、俺、ドイツに行きたい」

父からするとぶっ飛んだ話である。小学生になったらジュニアサッカークラブに入ってもいいと言ったこともすっ飛ばされかねないわけである。この子の学力ならば、確かに飛び級は可能だろう、と言うことは、裕斗も理解していた。だが、外国に4歳の子どもを送り出そうとする親は、少なくとも日本にはいないだろう。裕斗は悩んだ。行かせるという選択肢はない。だが、子どもの可能性をすべて否定することはできない。と考えた。

「分かった。ドイツに引っ越そう」

裕斗のその行動が、尊を大きく成長させることになる。


尊は、ドイツ語をある程度理解していた。リストデバイスでずっと勉強しているのは裕斗も知っていた。だからこそ、ドイツに引っ越す、と言う選択ができたのであった。(設定を忘れている方もいるかもしれないが)裕斗は優秀なサラリーマンであった。4か国語を操り、営業成績では常にトップ争いをしていた。ドイツ語はペラペラである。父として尊に多くの言語を叩き込んだ。その後、彼らはドイツに飛び立ったのである。

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