#8
「……愛華さん、少し聞きたいことがあるんですけど…今お時間大丈夫ですか?」
「あら、小雛ちゃん。えぇどうぞっ」
愛華さんの部屋に行くと、京介さんもいて一緒にお茶をしていた。
この二人は本当に仲が良いと思う。
京介さんが愛華さんに尻に敷かれてる感じはするけど、でもお互いがお互いを大事にしているのが分かる。
こんな人達の子供に産まれたら、幸せなんだろうな……
「それで、私に聞きたい事って?」
「あの…私の他にも、異世界から来た人がいるって亮輔さんから聞いて……」
「ええ、そうよ」
異世界からくる人間は実はとても多いそうだ。
誰もが元の世界へ帰る方法を探して、それでも見つからずに誰もが絶望した。
帰れなくなった故郷を忘れないために、故郷に似せて作った国が神花らしい。
「人が作った国……なら…どうして今は……」
「ああ、それはだな。俺がその人間の子孫だからだよ」
「…子孫?」
「ええ。この国を作った人間が鬼人と結ばれ子を成した。京介はその子の子孫なの」
全く別の種族で結婚も、子供も出来るんだ.....
あ...でもそれって地球なら日本人と外国人が結婚するようなものなのかな?
例えば、犬族と猫族が結婚したら……犬猫?
「因みに、他種属同士が結ばれて子ができると、どちらかの種族の血が濃く出るんだ」
つまり、犬猫になる訳じゃなくて犬か猫どっちかになるって事かな。
後、亜人と人が結婚して子供ができても人には絶対にならないらしい。
「それ以来、この神花はその人間の子孫である鬼人が治めているの」
「そうなんですか」
……あれ?
亮輔さんは愛華さんがこの国について一番詳しいって言ってた。
でも、京介さんが国を作った人の子孫なら京介さんが一番神花の事詳しいんじゃ?
「……あの、亮輔さんからこの国に一番詳しいのは愛華さんだって聞いたんですけど……」
「ああそれはね……」
「愛華が神子の一族だからだな」
また新しい言葉。
……みこ?
愛華さんは少し長くなるわよって前置きをしてから話始めた。
「神子はこの世界を作ったとされる神……ドラゴンの声を聞き世界いる者に伝えるの役目をもってるの」
「……ドラゴン……」
そろそろ脳がショートしそう…。
本に載ってない情報が沢山入ってくる。
この世界にいるのは人間と亜人と魔物だけだったはず。
ドラゴン…本に載ってないって事は秘密事項って事なのかな。
でも神子がいるのが知られてるって事はドラゴンも知られてる…のかな。




