#5
あれからこの世界の事を沢山学んだ。
世界の名前は−ルーチェ−
人間、亜人、魔物がいて、人間と亜人は様々な国で共存してるらしい。
因みに京介さん、愛華さん、あの時あの場所にいた人達はみんな人間じゃなくて亜人らしい。
−鬼人−って言ってた。
私のお世話をしてくれている桔梗さんは−兎族−
亜人は普段人の姿に擬態していて、別に本来の姿があるらしい。
世界には三つの大国と無数の小国があって、神花は大国の一つらしい。
後、この世界で生きていくのに絶対に気をつけなくちゃいけないのが魔物。
魔物はこの世界の悲しみとか苦しみ、怨みとかが集まって歪みができて、その歪みから生まれるものらしい。
とりあえず、此処までの知識があれば一人で暮らしていくのも大丈夫だと思う。
「後は城下町に行きたいなぁ……」
「では行ってみますか?」
小声で呟いただけなのに、桔梗さんには筒抜けだったらしい。
流石は兎族。
擬態してても耳がいい。
「行けますか……ね?」
今までは城下町に行きたいと京介さんと愛華さんにお願いしても、まだ怪我が治ってない事もあって許してもらえなかった。
もう全快したし、行っても大丈夫だと思うけど……。
「小雛様のお怪我も治りましたし、誰か護衛をつければ大丈夫だと思いいますよ」
「ごっ護衛なんて……私が行きたいだけなのにっ」
「ですが、護衛がいなければおそらく京介様も愛華様も外出をお許しになりませんよ」
「……」
……京介さんと会った日以来、愛華さんは今までは以上に気にかけてくれている気がするし、京介さんもあれからよく気にかけてくれている。
私には勿体無いくらい。
「でも……一応聞いてみます…」




