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異世界トリップしたら鬼娘に!?  作者: ひなた こはる
第一章
39/59

#38

次の日から朝食を食べてからの私のスケジュールはとてつもない事になっていた。

午前中はダンスレッスン、お昼を食べた後はパーティーでのマナー講座。

ダンスレッスンはお茶会の時に話した通りダンスの先生を呼んでもらって教わっている。

先生の名前はアニータ先生。この人が本当に凄い。

優しそうな笑顔で無理難題を言ってくる。


そして、長かったのか短かったのか分からないけど、ダンスレッスンが終わった。

お昼を食べた後、今度はひたすらアンジェリアのマナー講座。

……考えるのはよそう。

とりあえず、お昼だ。


「コヒナ」


「アル」


「これから昼食だろう」


「あ……うん」


うわぁ。……なんだろう。

たった一言返しただけなのに、敬語じゃないだけでこんなに恥ずかしいなんて。

アンジェリアと話す時は緊張はするけど、恥ずかしくはないのに。

この違いはなに。


「俺もこれからなんだ。一緒にいいか?」


「うん、もちろん」


私もアルも少し長めのお昼休憩だったから、前に連れて行ってもらった湖でお昼をとることにした。

今回もアルが準備をしてくれるそうなので、一時間後馬小屋の近くで待ち合わせになっている。



……アルとのお昼休憩も、アルの作るご飯も楽しみだったのはある。

あるけど、早く着きすぎてしまった。

アルが来るまで後三十分くらい。……どう時間をつぶそうかな。


そんな事を考えていると、前にカルロさんが見えた。

相手も私に気づいたらしく、近づいてくる。


「こんにちは」


「こんにちはっ。こんな所でどうしたんですか?」


「アルと待ち合わせをしてるんですけど、早く着きすぎちゃって」


「アル? ……ああっ団長のことか!」


カルロさんに近くにある長椅子に案内してもらって、そのまま話をすることになった。

カルロさんがアルと一緒に神花に来ていた事とか、カルロさんが犬族だって事とか。


犬族かぁ。どんな姿なんだろう。

興味津々で見てたら、察してくれたらしいカルロさんが変わってくれた。

これは……ゴールデンレトリバー!


アルと同じように私が知ってるより大きいけど、犬種は間違いなくゴールデンレトリバーだ。

満足するまで、撫でさせてもらいました。


ふわふわな毛並みに和んでいると、カルロさんにに初めて会った時の事を謝られた。

会った時は私が小雛だと気づかなかったらしい。

私からしてみると、むしろこちらが謝りたいくらいなんだけど。

いくら苦手意識を持っていたとしても、初対面の人に失礼な態度をとってしまった。

しかも、私が思っていたような人じゃなかったのだから余計に申し訳ない。


『おっコヒナ様、団長が来たみたいですよ』


「えっ本当ですか?」


まだ私が見える範囲にはいないのに、なんで分かったんだろう。

……あ、犬だから鼻が利くのか。


なんて考えていると、少し小走りでこっちに向かっているアルが見えた。


「すまないコヒナ、待たせた」


「ううん、私が早く来ちゃっただけだし……カルロさんとお話ししてたから」


アルが来たので、話し相手になってくれたカルロさんにお礼を言って、湖に向かった。








この湖に来たのは二回目だけど、本当に好きになってしまいそう。


アルが作ってくれたお弁当を食べて、お昼休憩が終わるぎりぎりまで話をしていた。

多分、私はこの時間が一番好きなんだと思う。

アルとのんびり、色々な話をするこの時間が。


会った時からそうだった。

会ったばかりなのに、この人の傍は驚くほど落ち着いた。

多分、京介さん達といる時よりリラックスできてるんじゃないかな。

勿論、京介さん達も大好きだけど、なんだかアルはそれとは違う気持ち。


「コヒナ、そろそろ時間だ。帰ろう」


「……うん」


……ああ、この時間がいつまでも続けばいいのに。

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