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創造神の力で異世界無双  作者: TKG
異世界ディファード
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相乗効果

 食べてないのに甘いものは当分いらないと思えてくる。

 俺はこの前食べたのと同じサンドイッチだが、他は全員説明するのも億劫になるほど甘いものが机を彩っている。

 今日はクオがあのパフェに挑戦中だ。


「甘いは正義だよ。コータはそんなので満足なの?人生を損してるといっても過言ではないよ。」


「ん。至高。」


「それが昼食に成り得るのかが俺からしたら疑問だよ。パンケーキならともかくパフェは違うだろ。そのパンケーキもそれだけトッピングしたらデザートと域だと思うんだがな。」


 別に本人が昼食だと満足できるのなら良いと思うが、俺はパフェは論外としてレティやセレスティアの食べているトッピングマシマシのパンケーキもデザートの域だと思う。

 リルはこの前パフェが美味しそうに見えたのか小さい、いや普通サイズのパフェを食べている。隣のクオが食べているパフェが大き過ぎて小さく見える罠。

 メアリーさんはパンケーキだが過剰なトッピングはしていない。これくらいならご飯と認めるのもやぶさかではない。

 何様だよって感じだが。


「分かってないわね、コータ。こういう甘いものを食べてる女の子を愛でるのも男の甲斐性よ。」


 リルよ。どこからその知識を得てきたんだ。

 一人なことを悩んでいたとは思えない発言だぞ。


「って宮殿の書斎の奥に隠されたようにあった本に書いてあったわ。どう?甘いものにデコレーションされた私は?」


 それは隠されたようにあったのではなく隠されていたんだよ。

 見つけてやるな。フロード様かフリーズかは知らんがもうちょっとうまい隠し場所はなかったのか?


「クオ、リルがクオのことを揶揄してるぞ。」


 本当に顔をパフェでデコレーションしているクオに頬を拭ってやりながら言う。

 甘いものでデコレーションされてようとされてまいといつもと変わらず可愛いので答えように困る。


「私も本当にデコレーションすべきかしら。」


「アホなこと言ってないで早く食べなさい。はぁ。まったく、いつもと変わらず可愛いよ。」


 スプーンに生クリームを乗せ何かを葛藤しているリルに言う。

 最近ため息の数が増えてきた気がする。というか確実に増えた。


「こんなに賑やかなお昼は久し振りです。いつものお昼も楽しくないことはないのですが、皆さんどこか私の顔を伺っているような感じがして。」


 王女なりの苦悩もあるのだろう。


「じゃあこれからは嫌になる程賑やかになるかもな。っと、セレスティアも頬をデコレーションしてる ぞ。」


 斜め前に座るセレスティア頬についているクリームを身を乗り出して人差し指で拭う。


「ひゃあっ!あ、ありがとうございます。」


 何か可愛い声が聞こえてきたが必死に取り繕おうとしているセレスティアを見て追求はやめておいてやる。


「やっぱり甘いな。少し食べる分にはいいけどいっぱい食べたら胸焼けしそうだ。」


「多分それはティアの甘さだよ。だってクオ胸焼けしないもん。」


 それはクオの問題だろ。

 それに変なこと言うなよ。無意識に人差し指の生クリームを舐めたのは俺が悪かったから。

 余談だが、ティアとはセレスティアの事だ。これはレティの長いの一言から始まった。基本的に略したり愛称で呼んだりしないレティだが長く感じたようだ。セレスかティアで迷っていたが、クオがティアの方が可愛いと言いティアに決まった。


「やっぱり。」


 再びスプーンと睨めっこしているリルはもう放っておく。ついてても放っておく。

 セレスティアはクオの発言の前から顔を赤くして止まっているのでさっきとの違いは分からない。

 正直、さっきも取り繕えてはいなかった。


「ティアを食べた感想が甘かった。ということは、きっとクオ様が正解。」


 はい、理解不能です。

 きっと字幕だったら括弧でこんな風に


「ティア(の頬についた生クリーム)を食べた感想が甘かった。」


 みたいになっているのだろう。きっと。

 そんな陰湿な虚偽はやめてほしい。ただでさえ目立っているのにそんな冗談じゃ済まないようなこと言わないでくれ。


「やめてくれ。ただ生クリームを味見程度に食べての感想だろ。そんな誤解を招くような言い方」


 しないでくれ。と続けようとすると、


「そ、そんな⁈セレスティア様は味見程度だったと言うのですか⁈」


 はいー、悪ノリする人材がもう一人。

 今まで静かに食べていたメアリーさんが話にのってきた。俺にとって悪い方向で。


「もしそれが本当なら俺はその後も逃しませんよ。だってセレスティアは魅力的過ぎますから。」


 軽く流す。

 これ以上ここにいるのは危険だな、主に俺の精神面で。


「まだ時間かかりそうだな。ちょっと用事済ませてくるから。少し遅くなりそうだから、他のところ回っててくれ。セレスティア、これを。」


 話しながらゆっくり食べているので本当にまだ時間がかかりそうだ。

 本当に用事はあるが、ただの方便である。今行く必要はないからな。

 それに、魔法学園内も主要施設は大体案内してもらったのでこれから何をするかの話し合いもしていて、服を見に行くとか言ったいたのも少し要因だったりする。

 服を見に行って女五人の中に男一人は辛すぎる。


 セレスティアに渡したのは今朝露店で買った捨て値同然で売られていたなんの変哲も無いただのネックレスだ。綺麗な緑色の石がついている。

 工房の見習いが作ったものだそうでまだ正式な売り物には出来ないと安い値段でお試しで売っているそうだ。

 冷やかすつもりで見て回っていたのだが、つい刻印魔法の練習用として買ってしまったものだ。


 セレスティアに渡したものは対になっていてもう一つも緑の石がついており俺が今刻印魔法で魔法陣を埋め込んだものだ。

 中に光が差し込むと魔法陣が輝いて見えてなんだか高級感が増しているように見える。

 効果は魔力を流すことでお互いの位置の把握だ。

 これで後から追いつける。


「まあ、いきなりプレゼントを渡すとは。やり手ですね。」


 放っておこう。このメイドなかなか厄介だ。


「これは対のネックレスがあって居場所がお互いにわかるネックレスだ。後から追いつくためにな。」


「こんな素敵なものをありがとうございます。宝物にしますね。」


 そこまで素敵なものでは無いと思うが。

 クオ達の誰かに渡しても良かったんだが誰に渡すかで迷うのも面倒だし、今回はセレスティアを守るという目的が出来たばかりなのでちょうど良かったのだ。

 まだ何か言っているメイドは無視だ。もうお揃いは早過ぎませんか。とか言っているが無視だ。

 そう言った意図は全く無い。ただ二対一つの効果なのでわかりやすい方が良いと思っただけだ。


「それはともかく、こんな精巧な意匠のアクセサリーは相当な価値があるはずです。他はシンプルですがここだけでもかなりの値打ち物に成り得るでしょう。」


 急に真剣な表情で話し出すメアリーさん。

 まあ、土魔法とかで掘られているようにも見えなくは無い。だとしたらかなりの技術が必要なので値段も高くなるだろう。

 実際は数秒で完成するものだが。


「そんな高いものじゃ無いよ。俺が作ったやつだし。」


「あー!またティアにコータの初めてを奪われたよ!」


 だーかーら!人聞きの悪いこと言わないでくれ!

 俺の貞操はまだ守られています。あー、悲しい。

 大体、初めて刻印魔法で作ったやつは崩れ去っただろ。人にやるのは初めてだが、それでもプレゼントをやったのはクオ達が家族以外では初めてなんだがな。


「プレゼントをあげたのはクオ達が初めてだからそれで許してくれ。」


「仕方ないなぁ。」


「じゃあ、また後でな。」


 そう言い残してこの場を離れる。

 離れながら前も思ったことを再び思った。

 女三人寄れば姦しい、と。その相乗効果は一人増えるごとにかなりのものだと思う。そこら辺の企業のシナジーも真っ青だろう。


 さて、目指すは冒険者ギルドだ。

少し機能の変更があったのか使いづらくなったような気がします。

もしかすると変な部分があるかもしれません。

その時はTwitterの方でも構いませんので報告よろしくお願いします。

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