神化
神化して変わったのは感覚だけではない。
当然ステータスも変わっている。
まず、補正なしの素のステータスから。
コウタ タカハシ LV.46
種族:神人
年齢:16 性別:男
HP:99502605000/99502605000
MP:99502605000/99502605000
GP:9950/9950
STR:446100
DEF:446100
DEX:446100
INT:446100
MND:446100
才能値《制限》
STR:100 DEF:100 DEX:100
INT:100 MND:100
固有スキル
【創造LV.EX】【最適化LV.EX】
【完全記憶LV.EX】【神力変換LV.EX】
【神眼LV.EX】【神化LV.EX】
【制限解除LV.EX】
特殊スキル
【取得経験値10倍化LV.EX】
【取得スキル経験値10倍化LV.EX】
【言語理解LV.EX】【限界突破LV.EX】
技能スキル
【アビド王国語LV.3】【鑑定LV.3】【隠蔽LV.10】
【剣王LV.2】【魔力操作LV.10】
【並列思考LV.1】【MP回復速度上昇LV.2】
魔法スキル
【火魔法LV.3】【水魔法LV.5】
【風魔法LV.5】【土魔法LV.6】
【光魔法LV.10】【闇魔法LV.4】
【空間魔法LV.3】【生活魔法LV.2】
【複合魔法LV.4】【無詠唱LV.4】
称号
【創造神の寵愛】【闇神の加護】【異世界人】
【世界の外側に存在する者】【理に縛られない者】
【超えし者】【至りし者】
EXP:15190
これを見て最初はバグったかと思った。
この世界に来たばかりの当初は過酷だなんだと思ったものだが、事実元の世界と比べてそうなのだが、それ以上に俺が壊れてきたように思う。
これから先、神化をすることはあまり無いと思うが、無いと思いたいが、俺は人生がそんなにうまくいくとは思えない。なので、今後はこんなバグったステータスを見ることになる予感しかしない。主に敵のステータスで。
俺も神化なしでもっと強くならなければ。
ステータスをよく見ると追加ステータスがある。
GPとあるがなんだろうか。
まあ、あれだろうな。神化して出てきたんだから恐らく正解だろう。
神力だろうな。
ステータスは自分の最も馴染みのある言語で表示されるらしい。
神力でGPは恐らくだが直訳だろう。
頑張れ俺の想像力!
しかし、1000万で1GPか。
さすが、神由来なだけあるな。
次に補正ありのステータスだ。
コウタ タカハシ LV.46
種族:神人
年齢:16 性別:男
HP:99502605000/99502605000
MP:99502605000/99502605000
GP:9950/9950
STR:1870341
DEF:1781277
DEX:1700310
INT:2671915
MND:2671915
才能値《制限》
STR:100 DEF:100 DEX:100
INT:100 MND:100
固有スキル
【創造LV.EX】【最適化LV.EX】
【完全記憶LV.EX】【神力変換LV.EX】
【神眼LV.EX】【神化LV.EX】
【制限解除LV.EX】
特殊スキル
【取得経験値10倍化LV.EX】
【取得スキル経験値10倍化LV.EX】
【言語理解LV.EX】【限界突破LV.EX】
技能スキル
【アビド王国語LV.3】【鑑定LV.3】【隠蔽LV.10】
【剣王LV.2】【魔力操作LV.10】
【並列思考LV.1】【MP回復速度上昇LV.2】
魔法スキル
【火魔法LV.3】【水魔法LV.5】
【風魔法LV.5】【土魔法LV.6】
【光魔法LV.10】【闇魔法LV.4】
【空間魔法LV.3】【生活魔法LV.2】
【複合魔法LV.4】【無詠唱LV.4】
称号
【創造神の寵愛】【闇神の加護】【異世界人】
【世界の外側に存在する者】【理に縛られない者】
【超えし者】【至りし者】
EXP:15190
補正前でも邪竜と比べて一桁多かったのに、また増えてしまった。
今も隠蔽はしているので誰かに見られても隠蔽時のステータスが見えているはずなのだが、もし誰か、特に今相対している邪竜なんかが見ることが出来たら開いた口が塞がらないだろうな。
「ステータスが壊れたぞ。何回見ても変わらないんだが。ステータスと比べてレベルの違和感が。」
「神は簡単に言うとゲームで言うところの運営。世界というゲームに神という運営。言ってみれば公式チート。他と比べて高いのは至極当然。」
クオとレティは少し離れてはいるが声の届く距離だ。分かりやすい説明ありがとう。
多分、俺が納得しやすく理解もしやすい例えを上げてくれたんだろう。
正確には運営って立場はメーティスだろうが、神だって考え方によっては運営スタッフ一同みたいな感じだろう。
特定の分野においてだけだけど無敵の力を発揮するなんてゲームで言えばチートと呼ばれるかもな。
「そろそろ決着つけなよ。邪竜も警戒して近づいてこないけど、どんどん逃げていこうとしてるよ。」
言われて見てみれば少しずつだがジリジリと後ろに下がっている。
あっ。レティが張っていた結界に当たった。
気づかなかったのだろうか。さっきとは違いなんとも間抜けだ。
とは思ったが俺だって気づかないだろう。
結界って結構厄介だと思う。透明だしな。
「そうだな。時間的にも早くした方がいいか。」
今は太陽の位置から考えて三時ごろか。
時間の流れは地球と大体同じと体感でも街の時計なんかでも分かってる。
「もう油断はしない。よし、いくぞ!」
土魔法で極限まで足元の地面を硬くする。
さっきはつま先で叩くだけでクレーターを作ったんだ。同じ失敗はしない。
思い切り地面を蹴って始めの一歩を踏み出す。
踏み込んだ瞬間、理解してしまった。
これはヤバいと。
そう思った時には遅かった。もう目の前に邪竜がいたのだ。
これは力に慣れて、力の加減を覚えるべきだな。まともに行動も出来ない。
まさか一歩で辿り着くとは思わなかったし、異常な力の上昇を甘く考えていた。
急いでしかし冷静に軽く地面を蹴って横に跳ぶ。
せっかく邪竜を倒すのにこのままじゃ多分跡形もなく消し飛んでしまう。
地を踏む時は地面の硬化も忘れない。
神化のステータス上昇の影響か頭の回転も速いように思う。
というか、感覚がステータスに追いついてきたようだ。
さっきまでは今までと同じような結果を想像して行動していたが、今はさっきの出来事から力の上昇を感じそれに見合った結果を想像出来る。
普通は経験しながら成長していくものだからこんな弊害は生まれないのだろう。
今後神化はあまり使わないなんて思っていたけど、慣れる為に使うべきかもしれない。
「でも倒すっていっても力加減が出来ないから難しいな。こいつの素材は諦めるか?多分だけど消し飛ぶしな。」
少しでも慣れる為に邪竜の周りを走りながら考える。
速すぎて竜巻のようになった。
それを見て思いついたが、改めて自分の馬鹿さ加減を思い知らされた。
まず倒すのに素手でやろうとしている点、そして大きな外傷を与えるのが嫌なら最小限の傷を、首の切断とか、心臓一突きとかで解決できる点、最後に魔法なら両方解決できる点。
魔法は込める魔力で威力はある程度操作できる。まあ、INTでも威力は変わるので俺のステータスの場合はあまり変わらない気もするが。
でも、威力ではなく貫通力や鋭利さを重点的に強化すればいい。
丁度いい魔法を作っている。風魔法の『シャープエッジ』だ。
風魔法は広範囲・長距離の特性を持っているが、魔法はイメージである。
『シャープエッジ』は鋭い刃に見立てた風で相手を攻撃する魔法で、他の風魔法と比べて範囲や距離は小さいがその代わり鋭さがある。
作った時は木を何本もスパスパやっていくもんだから焦った。途中でグギャアとか聞こえたからもしかしたらゴブリンもスパッといったのかもしれない。
「倒す算段も整ったし早く倒そう。門の時間もあるし、長引かせてもいいことないしな。」
俺は邪竜の目の前で止まる。
姿を見せた俺に対して竜の顔でも分かるほどの怒りの形相で俺を見下ろす。
自分の周りを認識できない速度で走り回り一切の攻撃を行ってこないことに知性、理性がないながらも侮辱されていると感じたのかもしれない。
「別に恨みがあるわけでもないしひと思いにやってやるよ。悪いな、俺が強くなるための糧となってくれ。『シャープエッジ』」
俺の放った魔法は狙い違わず竜の首に吸い込まれるように入り少しの抵抗も許さない速度と鋭さを持って首と顔を両断した。
一応少し距離を取り警戒する。
「コータ、良かったよ!怪我とかはしてない?最初は力に踊らされてた感じだったけど大分慣れたみたいだね。」
「ん。物理攻撃じゃ駄目と判断して魔法を使ったのも良かった。自分の出来ることから最善を導き出すのは難しい。私もあれはいい選択だったと思う。」
クオとレティが近くに来たので神化も魔法の強化も解く。
この邪竜が現れた時のように油断しまいと警戒していたが、クオとレティが来たという事は大丈夫なのだろう。
レティの言うように最善を導き出すのは難しいだろう。よく結果が最善なんて言われるけど、確かに後から何を考えても結果は変わらない。
だけど、どうすればもっといい結果に繋がったのかを考えるのは決して無駄ではないと思う。
次に繋がるための知識や経験となると思うから。
「ありがとうクオ、レティ。これからも少しずつ慣れていこうと思うよ。それでこれからどうしようか。」
最後に倒した邪竜を見る。
倒す前はどこか苦しそうな、そして怒りの形相をしていたが、今は表情は和らいでいる。
魔物化するともしかしたら苦しさなんかがあるのかも知れない。
「とりあえず邪竜を全部集めるよ。『ワープホール』」
右側の少し上空にでかく黒い大穴が開き、そこから邪竜が三体落ちてきた。地面にぶつかる前に減速しゆっくりと着地する。
「思ったよりも傷が少ないな。俺の付けた傷は目立つけどそれ以外は特にないような気がするな。」
「地面にぶつかったり、木に当たったりしたくらいじゃ傷つかないよ。そのくらいの丈夫さは邪竜にはあるよ。」
ステータスから考えればあり得る話だな。
「今から結界を解く。リルエルどうする?」
見ないようにしていたのだが、結界を壊してでもこちらに来そうなリルが結界に張り付いている。
また厄介事になりそうな予感しかしない。
逃げるわけにもいかないけど、本当のことも話せないしな。
どうにか納得してもらうか。
「今後、もしかしたら話すかも知れないけどでも今じゃないと思う。だから、どうにか納得してもらうしかないか。俺が話すから解いてくれ。」
「?分かった。」
なぜか不思議そうにしているレティ。
どういうことなんだろうか。




