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創造神の力で異世界無双  作者: TKG
異世界ディファード
24/221

冒険者ギルド

 

 これが冒険者ギルドか。

 思っていた以上にデカいな。周りの建物よりも高いので大通りに出てすぐに目に入った。

 熊さんが言っていた分かりやすいとはこの事だったのだろう。

 盾を背景に剣と槍のマークの看板。確かにこれだな。


 よし入るか。あまり目立たないように心掛けなければ。

 俺一人だったのなら、問題なく...うん、悲しいが問題なく、目立つようなことはないだろう。

 ただ、今回はクオとレティという超絶美少女二人と一緒だし、感覚のズレからいつ神っぽい言動を起こされるか分からないからな。

 それに悲しくはあるが、不用意に目立つようなことは避けたいのだ。面倒そうだし…


「入ろうか」


 扉は開け放たれているのでズカズカ入っていく。

 そろ〜と入っていったて目立つだけだからな。

 堂々と入っていけばいいのだ。


「おっさん達、全然戦わなかったじゃん!分け前半分とか横暴だよ!」


「あん?最初に決めたじゃねぇか。約束は約束だろ?学園の生徒はそんな事も守れねぇのか?」


「そうだぞ。なんなら決闘でもするか?全額かけて。まあ、お前たちじゃ相手にもならんがな。ギャハハハ」


 右の方でなんかやってるな。

 下品なおっさん達と俺と同い年くらいの少年達が言い争っているみたいだ。ギルド内の冒険者も野次馬としてそちらに注目している。


 あの服は昨日見たような気がするな。学園の生徒って言ってるし制服っぽいから、制服なんだろうな。学生でも冒険者ギルドで登録出来るのか。

 まあ、俺には関係ないし今がチャンスだな。

 俺の安寧の為に少年達よ、犠牲になってくれ。


「よし。今のうちにパッと登録して帰ろう」


「ん。いい時に来た」


「えぇ。二人ともサバサバし過ぎだよぉ」


「このチャンスを棒に振る訳にはいかないんだ」


 今日は素晴らしい日だな。

 名も知らぬ彼らが自分から贄を買って出てくれたんだから。

 冗談はともかく、そのまま正面にある受付に行く。


 受付嬢のテンプレと言えば三通りあると俺は思う。

 まず一つ目、美人な受付嬢。そして二つ目、何故か凄そうなオバハン、そして最後に、ギルマスとかの偉いおっさんだ。

 この三つの中で二つ目と三つ目は絶対に遠慮したいところだ。面倒臭がプンプンするからな。

 美人な受付嬢ならば、目の保養にもなり当たり障りもない。完璧である。

 まあ、往々にしてその場合も、受付嬢超強い!なんてことがある気がするけどな。


 だったら地味目な子が正解じゃないのかと問われればそうかもしれないが、何人かいるのだが全員美人さんだ。

 そう、嬉しいことに、そのテンプレに漏れず美人な受付嬢なのだ。

 まあ、クオとレティの方が美人だがな。

 神と比べるのは可哀想か。


「こんにちは。今日はどのようなご用件でしょうか」


 すごい営業スマイルだな。

 あの騒ぎを全然気にした様子もない。

 もしや、日常の背景となる程、日常茶飯事なのだろうか。

 まぁ、都合がいいから別にどちらでもいいが。


「今日は登録に来ました。3人ともお願いします」


「はい、承りました。まず、こちらの紙に必要事項を記入して下さい」


 紙には名前、特技、所持スキル、犯罪歴と書いてある。


「全部書かないといけないんですか?」


「いえ。ただ書いているとこちらが依頼の紹介やパーティの紹介などで便宜を図りやすいというだけです。しかし、名前と犯罪歴は必須です。犯罪歴は、後から分かった場合などは、除名などの重い処分が下されます。名前は色々と不便ですからね。偽名でも構いませんよ」


 いいのか、偽名でも。

 まあ、やんごとなきお方とかが登録するのかもしれない。お忍びとかで。

 俺には関係ないからどうでもいいけど。

 特別な理由なく偽ってもデメリットにしかなり得なそうだしな。


「犯罪歴はステータスの賞罰欄に表示されるんだよ。賞罰欄は、犯罪か、何か特殊な賞を貰うと追加されるの。でも、犯罪は裁かれたものだけしか表示されないから、バレてないものは出ないんだよ」


 クオが小さな声で教えてくれた。常識なのだろう。

 もし知らずに聞いていたら変な目で見られたかもしれない。


 紙には、名前、特技欄には何も書かずに、スキルは剣術と光魔法と書いた。今の所戦闘で使えるスキルはこれだけだからな。


「これでいいですか?」


「はい、大丈夫です。すごいですね、魔法使いが二人もいるパーティは少ないですよ。冒険者は基本、魔法は使えますが補助的な役割しか出来ませんからね。純粋な魔法使いは少ないんですよ。でも、ここは学園都市なので他の地域より多いですけどね。もしかして学園の生徒さんですか?」


「いえ、違います。学園の生徒は魔法使いが多いんですか?」


「えぇ、魔法学園なんてのもありますから。さて、次はこちらの針で血を出してこのカードに垂らして下さい」


 言われた通りにやる。

 さっき書いた紙に重ねられたカードの上に血を垂らす。

 すると、少し光った後、紙が消えて緑色のカードだけになっていた。


「ありがとうございます。こちらのカードが冒険者カードになります。血で個人認証していますので、身分証にもなるので無くさないようにお願いします。他者が触れると黒くなり分かるようになっています。もし失くされた場合は、銀貨五枚で再発行になりますのでご注意下さい」


 カードにはさっき記入した内容と、Fと大きく書かれている。

 血を垂らすだけで識別できる便利機能があるのか。

 魔法的なものだろうが、現代にあったらさぞ便利だっただろうな。

 いや、指紋認証とかあったんだしそこまででもなさそうだな。


「そちらのFと大きく書かれているのはランクになります。昔の勇者様が伝えられたアルファベットという文字で、下から、F、E、D、C、B、A、となっていて、最高ランクにSがあり七段階に分かれております。Sだけは順にそう形ではないようで、何故かその勇者様が頑として譲らなかったらしく、SUPERでSPECIALでSUGOIんだと、だからSが一番上なんだと言われたそうです」


 その勇者あれだな。アホだな、アホの子だな。

 だって最後のなんだよ。SUGOIって違うだろ。

 ほら、クオも普段動じないレティですら呆れた顔になっている。


「次に依頼ですが、これも同じくランクで分かれていて同じランクまでの依頼しか受けることができません。しかし、パーティに高ランク冒険者がいる場合のみ、そのランクまでの依頼を下位ランクであっても受けることができます。そして依頼をこなす事でポイントが貯まり、一定数を超えるとランクアップします。ランク毎にカードの色も変わるので、時々その色で呼ばれたりもしますね。緑の冒険者、赤の冒険者のように」


 なるほど。何色になるのか楽しみだな。

 この勇者アホそうだから安易にSランクは金とかにしてそうだな。


「多分、Sランク金。その勇者言いそう」


 あ、レティが口に出しちゃったよ。

 そういうのは心の中で思わなきゃ。もし合ってたら目も当てられない。


「正解です。まあ、有名ですからね」


 あちゃー。俺達三人からはなんとも言えない空気が漂う。

 多分、俺が作るとしても金にしていると思うが、SUGOIがアホ過ぎる。

 思っても言わないよな、普通。最初の二つでやめとけば良かったのに。


「以上で大体終わりです。なにか御座いますか?」


「依頼はどこで受ければいいですか」


「依頼は後ろのボードに貼ってあるものを剥がしてこちらに持ってきて下さい。カードに読み込ませますので、そうするとカードに依頼内容が記載されます。依頼は契約料として最初に報酬の一割を頂きます。これは実力の見合わない依頼を受ける人達を減らすためです。そして、失敗した場合ですが違約金が発生します。これは報酬の三割を頂きます。こちらも無謀な依頼を受ける冒険者を減らすための措置です」


 妥当なところだろうな。

 依頼者側も、無理な依頼を受けられて一向に解決されないとか嫌だろうし、取り返しがつかなくなる場合もあるだろう。

 無謀な依頼を受けられて迷惑するのは依頼者側だからな。防止策としての効果はあるんだろう。


「期限のある依頼もあるので気をつけて下さい。他には強制依頼と呼ばれるものがあります。街や国が魔物からの危機に陥った時に出る依頼です。断ると除名処分となり二度と冒険者に戻る事は出来ません。ただし、戦争については例外です。相手が人である場合は強制力はギルドにはないので。それに、冒険者ギルドに限らずギルドという組織は独立機関ですから国同士の争いには関与致しません」


 強制依頼はどちらにしろ戦わないと死ぬだろうからな。逃げられるようなものが強制依頼にはならないだろう。

 もし逃げられたとして、一人で逃げたって心の平穏が保たないような気がするから、結局受けるだろうな。


「もうひとつ、指名依頼というものがありますが、これは原則Cランクからなので、説明はCになってからでも遅くないでしょう。他に質問は御座いませんか?」


「換金をしたいんだけど、どこですればいいかな」


 クオが聞いている。換金は任せよう。


「少なければこちらで出来ますよ。素材など量が多い場合は、右奥にある素材買取カウンターの方でお願いします。」


「魔石だけなんだけど、いいかな。このくらい」


 そう言ってクオはドサドサとカウンターに魔石を置いていく。

 オークの魔石が15個。オークリーダーの魔石が3個。ゴブリンの魔石が6個。ゴブリンリーダーの魔石が1個。

 まだあったのだが、受付嬢の顔を見てやめたようだ。

 なんだかあんぐりと口を開けて固まっている。


「あのー、大丈夫ですか?」


「はっ、はい。大丈夫です。すみません、登録したばかりの新人冒険者が持ってくる量じゃなかったので。それで全部で金貨二枚、銀貨七枚、銅貨五枚ですね」


 クオも新人がどのくらい稼ぐのかは失念していたらしい。

 とは言っても、隠れた実力者が登録に来たりなんてことはありそうだけどな。

 やっぱり、いかにも冒険者らしくない俺たちが、初心者なのにこの量を持って来たから、だろうな。

 普段あの辺で稼いでいる人たちはもっと持って来そうだし。


 それにしても、あの門で周囲をざわつかせたキュクロプスの魔石を出したらどんな反応をするんだろうか。

 まあ、それは置いといて、総額から考えると、冒険者ギルドの買取は一割り増しなのだろう。


「ほ、他には御座いませんか?」


「はい。ありがとうございました」


 ここでの用事も終わったのでさっさと帰ろうとしたのだが、さっきの騒動はとっくに終わっていて、今は俺達が注目されていたみたいだった、何故か。

 そして注目されているという事は、その中に下品なおっさん達もいるという事で


「おい、お前ちょっとツラ貸せよ」


 はぁ、メンド。

 俺の華麗なる計画は失敗に終わったみたいだ。


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