クオとレティのステータス
朝、起きたら隣には二人ともいなかった。
寝ぼけ眼で周りを見渡すと、クオとレティはソファに座っている。
それともう一人、机に備え付けられていた椅子に座って、クオとレティと話している。
如何にも自分は女教師だと言わんばかりの美女だ。
「いいですか、クオリティア様、レティス。下界で過ごしてもいいですが、絶対に問題を起こさないで下さい」
クオを様付けでレティの名前も知っているという事は神様なんだろう。
「だ、大丈夫だよロア。力を制限してるんだし、そんな大事件になったりしないよ。起こったとしても国が一つ無くなるくらいだよ」
いやいや、クオよ。それは十分大問題だぞ。
「それは人類にとっては大問題です。クオリティア様は人間に紛れて生活していくんですから、人間の立場になって物事を考えて下さい。レティスもですよ?」
あっ、神様にもまともな思考の人がいたのか。
いやはや、神様はいつも話のスケールがデカすぎるからな。
「ん。あったとしても、光太が王になるくらい」
「せめて貴族くらいに留めておいてくれと言っておいて下さい。この世界からいなくなる時に不便ですよ」
レティの王様もどうかと思うが、貴族も同じだと思うのだが。
俺の気のせいだろうか?
ちょっと話がおかしい方向に行きそうなので話に加わろう。
「おはよう、クオ、レティ。おはようございます、俺は高橋光太です」
「あっ。おはよう、コータ!」
「ん。おはよう」
「おはようございます。私は法と秩序を司る法神、ロアといいます。好きに呼んでください」
ギャグだろうか?
ロアをどう文字って呼べというのか。ロア、ロァ、ラァー、的な感じか?
それとも舌ったらずな感じで、ろあ、とでも呼べばいいのか?
「ロアさんですか。よろしくお願いします。今日は何をしに?」
「ロアで結構ですよ。勇者召喚は私の担当分野なのですが、勇者の対応で忙しかったので、クオリティア様への言伝をレティスに頼んだのですよ。なかなか帰ってこないので、ひと段落ついた折に様子を見に来た次第です」
好きに呼んでくれはどこに行ったんだろうか。
「そういうことでしたか、すみません。昨日は色々ありまして、レティの話を聞くのが遅れてしまったんですよ」
「ええ、二人から話は伺いました。問題ないですよ。では、そろそろ私は神界に帰ります。二人とも、くれぐれも問題を起こさないで下さいね」
「わかってるよ、もー」
「ん」
「では二人をよろしくお願いします、光太さん」
そう言い残してその場から消えた。
俺がこの世界に来た時と同じものだろうか。
「ふぅ。...まさか下界でまでロアの説教を聴くとは思わなかったよ。朝から疲れちゃった」
「ん。ロア無慈悲」
二人はうんざりした様子だ。
「そんな事ないんじゃないか?ロアも二人が大切なんだよ、きっと。じゃないと自分で確認になんて来ないだろ?きっと二人の顔を見たくなったんじゃないか?」
「そうかもしれないけど、ロアの説教は長いんだよ。平気で半日とか説教してくるんだからね。プランはどうやってロアを扱ってるか甚だ疑問だよ」
「扱うって…。そのプランってのは誰なんだ?」
「地神プラン。おっとりしてる」
「へぇ、色んな神様がいるんだな。まあ、それはいいとして、今日はどうするんだ?」
「今日は冒険者ギルドで登録して、それから魔石を換金する。その後はクエストを受けるか、街の散策」
今日の予定は概ね決まっているみたいだ。
「そうだね。じゃあ朝食食べたら行こっか。でもその前に、コータは鑑定覚えたら?相手のステータスが分かるのもそうだけど、色んな物の簡単な説明も見れたりするから便利だよ」
「便利そうだな。どうやるんだ?」
「目に魔力を集めて、鑑定したいものを見て、自分のステータスをイメージするのと同じ感じでやるの」
「この机にやってみるといい」
まず目に魔力を集める。こんな感じか?
次に対象を定める。目の前の机を注視する。
最後にそのステータスを見る感じで。
おっ、できた。
目の前にステータス画面に似た、半透明の説明画面が出てきた。
木の机
なんの変哲も無い木の机。リーゴの木が使われている。
「おっ、出た。しかし、こんな説明の余地のないものを見てもやっぱり説明少ないな。」
「だけど、神眼だとそれに関係する事なら大体わかるよ。例えばその木の机だと、どこでいつ伐採された木なのか。どのくらいの年月生えていたのか。その木が成長していた時の周りの環境。机の製作者。思いつくだけでもこれだけは確実にわかるんだよ」
「神眼は便利。だけど制限している今、神力なんてMP消費が大き過ぎててホイホイ使えない。だから、鑑定凄く優秀。」
確かに無いよりはあった方が良いし、今のは極端に情報量の少ないものを見ただけだもんな。
「あと、鑑定はレベルが上がれば情報量が増えることがある」
「じゃあ、せっかくだし冒険者ギルドに行く前にクオ達のステータス見ておくといいよ。制限してるやつだけどね」
「お言葉に甘えて見せてもらおうかな」
俺以外の実際のステータスも気になるからな。この世界基準の参考にはならないだろうけど。
クオとレティに鑑定を使った。
クオ《クオリティア 》LV21
種族:人族《創造神》
年齢:16《--》 性別:女
HP:2470/2470
MP:8530/8530
STR:61
DEF:81
DEX:101
INT:141
MND:121
才能値《制限》
STR:3DEF:4DEX:5
INT:7MND:6
固有スキル
《【創造LV.EX】》
《【最適化LV.EX】》
《【完全記憶LV.EX】》
《【神力変換LV.EX】》
《【神眼LV.EX】》
《【制限解除LV.EX】》
《【自己完全操作LV.EX】》
《【神化LV.EX】》
特殊スキル
【取得経験値3倍加LV.EX】
【取得スキル経験値3倍加LV.EX】
《【限界突破LV.EX】》
技能スキル
【アビド王国語LV.3】
【杖術LV.3】
【棒術LV.2】
【鑑定LV.3】
【魔力操作LV.4】
【MP回復速度上昇LV.2】
《【隠蔽LV.10】》
魔法スキル
【火魔法LV.1】
【水魔法LV.3】
【光魔法LV.5】
【空間魔法LV.2】
【無詠唱LV.2】
【複合魔法LV.2】
称号
《【創造神】》
《【寂しがり屋】》
EXP:4100
レティ《レティス 》LV18
種族:人族《闇神》
年齢:14《--》 性別:女
HP:1156/1156
MP:7080/7080
STR:34
DEF:68
DEX:85
INT:119
MND:119
才能値《制限》
STR:2 DEF:4 DEX:5
INT:7 MND:7
固有スキル
《【混沌魔法LV.EX】》
《【暗黒魔法LV.EX】》
《【完全記憶LV.EX】》
《【神力変換LV.EX】》
《【神眼LV.EX】》
《【制限解除LV.EX】》
《【自己完全操作LV.EX】》
《【神化LV.EX】》
特殊スキル
【取得経験値3倍加LV.EX】
【取得スキル経験値3倍加LV.EX】
《【限界突破LV.EX】》
技能スキル
【杖術LV.5】
【アビド王国語LV.3】
【鑑定LV.3】
【魔力操作LV.5】
【MP回復速度上昇LV.3】
《【隠蔽LV.10】》
魔法スキル
【闇魔法LV.7】
【風魔法LV.2】
【召喚魔法LV.2】
【重力魔法LV.2】
【複合魔法LV.2】
【無詠唱LV.2】
称号
《【闇神】》
EXP3230
「おぉ、凄いな二人とも。レティのヤバそうな魔法は闇神のやつか?」
「そう。レベルが上がれば光太も変わらない」
「そうだよ。怪しまれないように、ここで魔法スキル覚えて行くのもありだね。あとは、剣とか買って剣術スキルとか取れば完璧だよ」
「他の所で怪しまれるような気もするけどな」
「今後の為に偽装している事を匂わせておく事も大事だよ。相手が強い時に今のステータスじゃ勝てなくて、制限解除行う為にもそれは大事な事だよ」
「なるほど。今から力を隠している事にしておけば、後々便利になるのか」
「それが出来るのは今ある程度力があるものだけ。だから、スキル覚えておくの大切」
「そうだな。というか、朝食大丈夫なのか?」
「コータが起きるちょっと前に最初の鐘が鳴ってたから大丈夫だよ。後、一時間半くらいは大丈夫じゃないかな」
そういや鐘ってどういう基準でなっているんだろうか?
昨日も一回だけ聞いたけど。
「昨日は聞きそびれたんだけど鐘っていつ鳴るんだ?」
「この世界は時計が高価。持っているのは貴族とか大商人だけ。だから、町には大体一つ時計塔がある。それが、まず朝六時から三時間置きに鳴る。最後は夕方の六時の計四回鳴る大きな鐘。あと、一時間置きに夕方の五時まで鳴る小さな鐘がある。最後の大きな鐘と同時に門が閉まる」
「最初の鐘、次の鐘っていう風に言ったら普通は朝六時の鐘と朝九時の鐘のことなんだよ。じゃあ、朝食を食べたら部屋で魔法を一つ覚えて、安い剣買って、冒険者ギルドに行こっか」
そうして、朝食を食べに食堂に向かった。
プロローグ8に加筆を行いました。
理由は活動報告の方に書いてありますのでご覧ください。




