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創造神の力で異世界無双  作者: TKG
異世界ディファード
205/221

ティアの決意

 

「コータ、私決めました!ぜっっったいにセシルには幸せになってもらいます!たとえ幸せの押し付けであろうともです!」


「お、おう。話し合ってきたのは分かったけど何があったんだ?一回落ち着いて座ろうか。」


 食堂で昼食を取っていると、ティアが戻ってきたと思えば食ってかからんばかりにそう言ってきた。

 この休み時間か放課後だろうとは予想していたが、出来るだけ早くという言葉がティアを動かしたのかもしれない。


「あ、申し訳ございません。少々セシルの言い分に腹が立ちまして。」


「何て言われたんだ?」


「まずですね、私の行動をセシルはどう思っているのかを尋ねました。」






「セシル、私の行動をどう思っているのかを正直に答えてほしいのです。その如何でお互いの今後が決まると思って下さい。」


「セレスティア様がユウキ様と私のことを想い行動して頂いているのは重々承知しております。ですが本音を申し上げさせて頂くと、私はどちらでも良いのです。」


「それはどういうことでしょうか?」


 セシルはそこまで自分に無頓着になってしまったのでしょうか。

 だとしたらまずは、そこからどうにかしないといけませんね。


「私は復讐のために全てを捨てこの場所にいました。それだけが目的だったのです。」


「……」


 あの時、私は何も出来ませんでした。

 私は親友を二度も助けることが出来ませんでした。

 セシルは今更何をと思っているのかもしれませんね。


「ですがあの日、ユウキ様に全てを背負わせてしまったことでどうして良いのか分からなくなりました。私なりに考え、ユウキ様の思うようにして頂くことが、その補佐をすることが次の私の役目なのではないかと思ったのです。」


「それは責任を感じているから、ですよね?ユウキのことを想っての行動ではないのですね?」


「そうですね。私は全てを捨てたあの日から何かを自ら望むことは許されません。」


 決めました。

 セシルが未だに囚われ続けているというのならば、それから解放するのが何も出来なかった私の償いです。

 ユウキがどう考えていようとセシルと幸せになってもらいましょう。

 セシルには自分の意思で幸せを手に入れてもらわないといけませんね。






「なので私はもうセシルを、ユウキを平和の中に置いておこうとは思いません。ですが、セシルが自ら幸せを望むよう、囚われたしがらみから解放されるようお節介をしようと思います。」


「いいんじゃないか?しっかりとティアが考えた結果の答えならいくらでも応援するし、俺に出来ることがあれば言ってほしい。」


「ありがとうございます、コータ!」


 これで昨日の一件は完全に終わりを迎えたな。


「それはいいけど、コータもティアも早く食べないと時間なくなっちゃうよ?」


「ん。私が食べさせてあげる。」


 とても心揺らぐ提案だけど、なおのこと遅くなりそうなので今回は遠慮しておこう。

 想像の数倍は時間を要するだろうからな。


「あっ、レティズルいんだよ!クオm」


「ごめんな、レティ。あともう少ししかないから今度頼むよ。」


 危ない危ない。数倍の時間を要する原因が早速現れた。

 私も私もと大体三倍の時間が必要になってくる。

 これだけいつも食らっていれば予測出来るってものだ。


「約束。今度、絶対。」


「ああ、分かった。」


 これも予想はできてたけど、正直俺も照れ臭いけど嬉しいので断る必要もない。

 それでレティを傷つけたりしたら大事だからな。

 ただ、明日となると厳しいのでそれ以降にしてほしいとは思うがな。




「学園で与えられる時間はあと三時間ほどだ!この時間を有意義に使えよ!」


 これが試練への最後の時間。

 美味しい食事で気持ちにブーストがかかっている今、いいアイデアの一つや二つ思い浮かびそうだ。


「キャロル。竜族との戦闘が始まったらバフもデバフも余り切らさないように頼むな。でも、もしレベル差とかステータス差とかで魔法が敵に効かない時はバフ中心で頼む。」


「わ、わかったよ。」


 まずは戦闘時の確認をしていく。

 その上で連携を確認したり、作戦を立てたりしないといけないからな。

 二日間だけだったとはいえ、俺があのタイミングで篭ったことが今になって影響してくるのは申し訳ないと思う。

 作戦を立てるのも、色々と確認するのも遅すぎる。

 しかし、勝つには仕方のない時間ではあった。

 なので申し訳なくは思っているが、後悔はしていない。


「ティアは祠での戦闘が始まるまでは魔力はできるだけ温存しておいてくれ。魔力ポーションがあるとはいえ、無限ではないからな。」


「では祠までのエスコートはコータに任せることにしましょう。」


 最初からそのつもりではあるが、若干気恥ずかしいな。


「ラディックは祠までの間は出来るだけ炎鎧は無しだ。本当にピンチの時は使ってもいいけど、魔力消費が大き過ぎる。」


「ああ、まだ後衛より配分考える手間は楽だけどポンポン使えるような魔法じゃないからな。」


 よかった。勝つ負けるを考えた結果の考えはまだわからないけど、挑みはしてくれそうだ。

 これで他のパーティよりも遅くなってはいるだろうが、準備は整った。

 あとは知恵を絞り、最後まで足掻けば勝手に勝利の方から近づいてきてくれる、筈だ。



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