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創造神の力で異世界無双  作者: TKG
異世界ディファード
186/221

祭り 2

 

「でもそうなるのかぁ。懐かしいけど思ってたのとちょっと違う気もするかな。」


 祭りというものが、世界を跨いでも同じようなものというわけではないのだろう。

 ここにきてまた勇者だな。これじゃあ、どこかしらの縁日と変わらないじゃないか。

 もっとだな、せっかく魔法なんて素晴らしい力があるのだからこの世界特有のものがあってもいいように思う。

 まあ確かに、地球では電気で賄われていたものが魔法を頼ることで実現できていたりするものも少なからずある。あるのだが…


「様々なところで勇者の影響があるのは仕方のないことだよ。凡そ百年周期で数十人の勇者が召喚されているわけだから少しずつでも影響を受け続ければ、近づいていくのも当然の結果なんだよ。」


「あれを見るといい。どれだけ侵蝕されようとも伝統は細々とでも受け継がれていく。」


「えーっと…属性飴?どんなものなんだ?」


「おじさん!取り敢えず一種類ずつちょうだい!」


「あいよ、四本で鉄貨八枚だ。ほい、お釣り。まいどあり!」


 クオが露店のおじさんから棒状の飴を四本受け取る。

 それぞれ大きさは同じだが色が違う。

 ピンク、青、緑、茶と異なる色で、それぞれが基本属性の火、水、風、土を表しているのだろう。


「これはね、味は後付けだけど色は本当に属性を使用しているんだよ。」


「属性の魔力を流すことで色を変えるのは魔水晶だけじゃない。他にもいくつかある。そのどの素材を使っても流す属性で色は固定。」


 へぇ、なるほどな。

 ということは火属性の魔力を流すとピンクになり、水だと青、風だと緑、土だと茶という風に魔水晶でもそれ以外でもそこだけは変わらずということか。


「あとは、その中で食べられる食材を選んで飴を作るときに味をつければ完成だよ。」


「どんな味なんだ?」


「それは食べてのお楽しみ。リルはどれにする?」


「そうねぇ…私は青にしようかしら。」


「クオは茶色にするー。」


「じゃあ私は緑。」


 あれ?今の流れって俺が選べるんじゃ…

 それに他のと比べてなんとなく予想できてしまうこと色。

 俺の淡い期待を込めて今回ばかりはイチゴやリンゴのような果物なんかがいいかも知れない。


「なあ、もう少し話し合いとかは…」


「食べもしないで嫌がるなんて失礼なんだよ!騙されたと思って一口食べてみないとね!」


 いや、騙されてるんだろ?騙されたと思うとかではなく…

 だってあからさまに三人とも避けたじゃん!

 リルは違ったのかもしれないが、クオとレティは絶対避けたよな⁈

 

「なんかオチが分かるっていうのも嫌なんだよなぁ。食べないとダメ?」


「ダメなんだよ!食べ物は粗末にしたらいけないんだよ?私たちみたいな存在なら尚のことね。」


 それっぽい理論で攻めてくるんだが!

 確かに神族、神人族は休息というものを必要としない。それは食事からの栄養摂取すらもだ。

 だから究極的には食事や睡眠は必要なものではないのだが、そんな俺たちだからこそ食べ物を粗末にしてはいけないと教えてくれたのだろ。


「はぁ。仕方ないなぁ。」


 パクリ


「チューイングキャンディとかではなk…はっら!はらすぎたろこれ!


「それは火属性味の激辛飴だからね。クオの風属性はミントだから和らぐかも。いる?」


「え、遠慮なく。」


 おお〜。本当にミント味だ!

 なんであんなものを先に食べさせられたのか…

 ちょっとだけ辛さに奪われていた思考が戻ってきて最もなことを今更思う。


「私のはチョコレート。いる?」


「これは…何か爽やかな味ね。なんの味が分かるかしら?」


「え⁈なんで俺のだけオチが用意されているように辛かったのに三人のは美味しそうなのばかりなんだよ、おかしいだろ⁈」


 パクっ、パクリ

 そうは言いつつもふさ一口ずつもらった。とは言っても棒状の硬い飴なので舐める程度だが。


「おー、ほんとだ!チョコレートだな!リルのはブルーハワイ?この世界でなんて呼ばれてるのか知らないけど…卑怯!」


 だけど役得な気も…しないでもないな。

 まあ、今になって間接キスなんてあまり気にしてないけどな…気にしてないよ?


「なんかそれを食べあとだと辛いのにわざわざ手をつけたくなくなったな…」


「あまり無理して食べないでいいんだよ。これはそういうものだからね。」


「度胸試しみたいなもの。場所によってはもっと辛くしてある場所もある。」


 そ、そんなものを俺に食べさせたのか…

 俺辛いのが苦手というわけではないけど、辛すぎるのでちょっとな。


「でもこんな風にこの国の伝統も、魔法を取り入れた商品もあるんだよ。」


「色々なところで色々な魔法が使われて、魔法で補われている。これはこの世界独特の進化といってもいいと思う。」


 まあ、そう言われれば納得出来なくもない。

 ベースがどこにあれ、今の形がこの世界のありようを物語っているようで面白く見えてきたな。


 因みにだが、場所によっては光と闇もあるところはあるらしい。

 闇はブドウで、光はなんと!梨らしい。

 梨のどこに光要素があるのか…

 まあ、今度その二つを見つけられたら是非とも食べてみたいな。


 次はどんな店があるだろうか。

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