レベルアップ
あのやり取りの後、俺たちは、少し草原側に行ったところにある見晴らしのいいちょっとした丘の上に移動した。
魔物がいる場所のすぐ側でやるよりも良いという判断からだ。
「よし、着いたな。それでどうすればいいんだ?魔石を吸収っていうのがよくわからないんだが。ま、まさか、食べるとか言わないよな?だとしたら、俺はレベル1のままかもしれないぞ」
「違うよ。吸収のやり方は、」
クオの説明を要約すると、
1、まず魔石を手に乗せる。
2、次に魔石に魔力を纏わせる。
3、最後にそのまま魔石ごと体の中に引っ張り込む。
らしい。
「引っ張り込むとき、魔石本体は通過するから大丈夫。魔力を物理的な干渉させようと思ったら、超高レベルな魔力操作か、魔法として使うかしかないから」
「ん。でも、今回は違うやり方。このやり方は一個ずつ。時間かかる。面倒。一気に吸収できる」
「そんな画期的な方法があるのか?たしかに、一個ずつとか非効率の極みだけど」
「うん。ちょっと準備するから待っててね。『創造』」
おぉ!初めて創造してるとこ見たな。
光が集まってどんどん出来ていく。
収束した光の中から、針と布、それとよくわからない液体の入った容器が現れた。
「まず、この針で血を一滴頂戴」
「わかった」
言われた通りに人差し指に針を刺す。
「これでいいか?」
「うん、この液体に垂らして。ありがと」
クオは血を垂らした液体で、布に円状になるように見た事のない文字を書いていく。
見る間にそれは、ただの布から厨二病なら誰もが見たことのある魔法陣へと変身した。
「これで完成だね。この上に魔石を乗せて魔力を流すと、混ぜた血に反応してその持ち主に魔石の魔力を送る魔法陣だよ」
「ん。置ける分だけ一気に取り込める。冒険者の必需品」
「なるほどな。確かに魔物倒した後、留まり続けるのも不味いし、荷物も嵩張るからな。出来るだけ減らして行きたいだろう。何よりも楽そうだしな。良い事尽くしだ」
「うん。でもデメリットもあるの。手で一個づつやる方は、一緒に取り込むから魔力消費がないの。でも魔法陣の方は魔力消費があって、しかも使う材料とか魔法陣の大きさとかで消費量が増減するの。今回は良い素材を使ったからそんなに消費しないけどね」
「ん。普通の冒険者じゃ倒せないような魔物の材料を使ってる。大きさもそんなにない」
さすが神!
どんな魔物か想像したくない。きっと、この魔法陣に使われているとその道の人が知ったら卒倒するレベルの物なのだろう。
「魔力もそろそろ回復してるはずだしやってみようよ」
そういや俺、魔力切れてたんだったな。
初の魔力を使う作業がこれとは思っていたものとはだいぶ違うが、時間を掛けてられんからな。
「まずはステータス見てみたら?えっとね、魔力の感じを掴まないといけないんだけど…、血の流れはわかる?」
目を瞑り、己の内側に意識を集中する。
なんとなくだが、わかる。そしてその周りに、ふんわりと温かいものを感じる。
これが魔力なのだろうか。
「この温かいのが魔力なのか?」
「うん、多分そうかな。さっき見たステータスをイメージして魔力で形取るイメージをしてみて?」
「お、おぉ!見えるぞ。すごいな、これが魔力か」
コウタ タカハシ LV1
種族:神人
年齢:16 性別:男
HP18/18
MP17/18
STR: 1(5)
DEF:1(5)
DEX:1(5)
INT:1(5)
MND:1(5)
才能値《制限》
STR:5 DEF:5 DEX:5
INT:5 MND:5
固有スキル
《【創造LV.EX】》
《【最適化LV.EX】》
《【完全記憶LV.EX】》
《【神力変換LV.EX】》
《【神眼LV.EX】》
《【神化LV.EX】》
《【制限解除LV.EX】》
特殊スキル
【取得経験値5倍加LV.EX】
【取得スキル経験値5倍加LV.EX】
《【取得経験値10倍化LV.EX】》
《【取得スキル経験値10倍化LV.EX】》
《【限界突破LV.EX】》
技能スキル
魔法スキル
称号
《【創造神の寵愛】》
《【異世界人】》
《【世界の外側に存在する者】》
《【理に縛られない者】》
《【超えし者】》
《【至りし者】》
EXP:0
「まぁ、そんなに簡単には変わらないよな」
なにかレティが納得顔だ。
「やっと理解できた」
「どうしたんだレティ?なにか変だったか?」
「ずっと不思議だった。クオリティア様があんなに取り乱すのも、なんでこんな所にいたのかも」
「ああ。そういや説明してなかった、ごめんな」
「いい。聞かなかったのは私」
「じゃあ、レベル上げに移るね」
そういってクオは魔法陣の上に魔石を置いていく。置いていく。置いていく。置いて………
おいおい、どんだけ置くんだよ!積み上げすぎ、はみ出すギリギリじゃないか!
ニコニコしている。楽しくなってきたようだな。
「ここにのーせーてー、うんっ!かーんせーい!」
ガラガラガラ
あっ、端の一部が崩れた。
「あー、せっかく積み上げたのにぃ〜」
「クオ、やってくれるのは有難いけど疑われないくらいでいいんじゃないか?」
「それもそうだね。じゃあ、オークの魔石を15個とオークリーダーの魔石1個で良さそうかな」
「その辺は任せるよ。しかし、手の中にいきなり現れるけど魔法か?」
「うん。空間魔法のストレージっていって、自分専用の空間を作って物を入れておける魔法なの。自分の空間だから出し入れ自在なんだよ」
そんな話をしていたら置き終わったみたいだ。
「魔力を流してみて」
「わかった」
さっきの感じで魔力を手に集めて、魔法陣の端に手を置いて流してみる。
すると、文字が青く光りだし徐々に強くなっていき、やがてその光が収まると、後に残ったのは砂のような山だった。
「これでレベル上がったのか?…よくわからんが」
「ん」
レティが手を広げてきた。
抱っこしてみろという事だろうか?馬鹿にしてもらっては困る。レティぐらいだったら楽々持ち上げられ…
軽っ!安易な喩えだが発泡スチロールのように軽い。
俺はその事実に興奮して我を忘れてしまった。
今までの俺だったら、抱き上げて高く持ち上げることが限界だっただろう。
それが今は、その状態で100メートル全力疾走してこいと言われても出来そうだ。
「あーっ!ずるーい!今度はクオの番だっていったのにっ!」
「なら、クオもな」
そういって俺は、クオとレティを片腕づつで抱えた。
「えっ?えぇーーっ!」
結局、我を取り戻したのは5分後だった。
レベルアップ後のステータスは次回で




