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創造神の力で異世界無双  作者: TKG
異世界ディファード
163/221

謝罪と

 

「あ、あれ?もう…ふ、二日ぶりだなティア。それにお久しぶりです、メアリーさん。」


 はやくないか?

 もうみんな揃って、というよりも若干名ここにいないはずの人までいるのは何故…

 この部屋がいくら広くともこの人数には流石に対応出来ていない。

 クオ、レティ、リル、それにティアとエマはともかく、ラヴィとディアナにティアの専属メイドのメアリーさんまでいる。

 俺を合わせれば九人もいるのだが、いくらこの部屋が三人部屋だからって手狭に感じてしまう人数だ。


「コータ!黙っていなくなるなんて、心配させないでください!」


「わ、悪かった。あの時ティアはずっと近くにいたから聞いてると思ってたんだよ。言い訳だな、ごめん。」


 声を掛けると猛進気味に飛び込んできたので受け止める。

 心配してくれていたのか、本当に悪いことをしたな。


「離れる。いきなりイチャイチャ禁止。」


「そうだよ!クオが先なんだから!」


「そういうこと言っているんじゃないと思うわよ?」


 と受け止めた体制のまま謝罪しているとレティに引き剥がされた。

 クオとリルはいつも通りのようだ。


「少しくらい良いではないですか!私はあと数日会えないのですから譲ってください!」


 少し状況が変わったのでそんなことはないと思う。

 まあ、どちらにしようか迷ってはいるが。


「セレスティア様は以前よりも強引になられたのではないですか?お久しぶりです、あの入学の一件以来になりますね。今日お邪魔させていただいたのは、昨日あまりにもセレスティア様が落ち込んでいらしたので気になって付いてきてしまいました。」


「そこまで言われるほど落ち込んではいない……はずです…」


 心配させた上に落ち込ませてまでいたのか。

 自分だけ教えてもらえなかったとなれば、俺も目に見えて落ち込むかもしれない。いや、落ち込むと思う。

 コラっちの破片を一生懸命になって集めていた自分が恥ずかしいな。


「本当にごめん!」


「も、もう大丈夫です。突然いなくなった私も悪いですから。」


「でもおトイレは仕方ないんではないですの?」


「ラヴィは少し静かにしていてください!」


 ラヴィって絶対天然入ってるよな。

 ティアは真っ赤になってしまっている。


「ラヴィニア様もなかなかやりますね。私ももっと精進しないといけないようです。」


「メアリーはもう少し自重してください!」


 そういえば、前会った時もティアを弄っていたな。

 ん?どうしたんだエマ。あんな端っこに突っ立って。

 ああ、なるほど。メンツがメンツか。


「エマ、昨日は悪かったな。転移と同時だったからどうしても無理だったんだ。」


「え、え?あっ、はい。気にしていないので大丈夫です。」


 あらま。周りのことを気にしているようだ。

 でも何度かティアともラヴィとも会っていると思うんだがな。


「そんなに緊張しなくても大丈夫だぞ?」


「ほ、本当に私はここにいていいのでしょうか…な、なんだか私には場違いな感じがして…」


 うーん、客として接するのとの違いがあるのだろうか?


「今後も俺と一緒にいるなら慣れないと厳しいと思うぞ?それに俺みたいなただの冒険者に会うのに場違いも何もないと思うんだけど。」


「そうです。公の場ならともかく、今はこの時間を楽しまないと損ですよ?それに、長い付き合いになりそうなのですからもっと気楽にいきましょう。」


 長い付き合いがどうとかはあまり深く突っ込まないでおこう。

 そんな藪蛇なことをわざわざ聞く必要もない。

 なんか今のままだと貴族にされてしまいそうだからな。そうなってしまうとあとは一直線のような気がするのだ。はぁ。


「まあ、もしエマが楽しまないと言っても私は出来る限りコータを堪能しますけど。クオ達と違って明日からまた会えないですから。」


「あー、それなんだけどな…」


 実は状況が変わった。

 さっきよく考えたんだが、早くも目的を達成してしまっているみたいなのだ。

 要塞亀ことロックタートルは一体につき二千ほどの経験値がもらえるみたいなんだが、ふと思ったのだ。

 それを五十三匹も倒したってことは、と。

 レベルが上がったことでそこまで気にならなかったのだが、よく考えれば弱かった方の邪竜以上の経験値がもらえているのだ。いや、弱いわけではなかったな。邪竜の中ではと注釈が必要だ。

 また変とかおかしいとか言われるので言葉には気をつけないと…

 結構傷ついてるんだからな⁈


「ちょっと効率を求めすぎて目標を達成してしまったみたいなんだ。」


「え?目標ってかなり大きかったよね?もうそんなに魔石集めたの?」


 クオ達三人には目標がLV.300だと言っているが、周りの目を気にして言葉を濁してくれたのだろう。

 クオとレティには俺の本当のステータスが見えているだろうからな。

 そんな邪竜(弱)よりも効率のいい魔石を五十三個、さらに経験値は常に十倍というチートスキルを兼ね備えている俺だ。実際には五百三十個分の経験値を得られることになるわけで。

 俺が計算したところLV.400以上になるようだ。


「それでクオにお願いがあるんだよ。」


「なに?」


 要塞亀レベリングなんて詳細を説明するわけにもいかないので、クオに耳打ちする。

 ラヴィやディアナにはまだ言えるようなことじゃないからな。神化が大きく関係してくる。


「そんなことしたの?よくそんなこと思いつくよね。わかった、大きな経験値マットだね。あとで作ってあげる。」


「じゃあ、はい。これ、ワープラビットの魔石。使わないかもしれないけどいらないから。クオの方が有効活用出来そうだし。」


 渡しながら思ったが、そういえば俺の経験値マットは不相応な魔石が使われているって話だったからな。

 一般的に使われているという魔石を渡したところで足しにはならないだろう。


「一応貰っておくよ。それで明日からどうするの?」


「うーん、どうしようかな。行けるところまで行ってもいいんだけど…迷宮都市が茶番になっても面白くないんだよな。」


 あと四日ほどでLV.1000の大台に乗ることはまずないだろう。

 しかし、それでも今の時点で過剰気味なのは間違いない。

 迷宮都市に行く目的がなくなるのは避けたいからな。

 それに、この空いた時間で仮パーティの連携なんかを詰めてもいいと思う。

 俺は勝つつもりでいるが、試練はパーティ戦なのだ。

 パーティで行けるところまでは行くべきだと思う。

 俺にとっては何でもない試練だが、この国の人々からしてみれば伝統なのだ。ラディックも思い入れがあるみたいだからな。俺だけで突っ走るのは良くない。


「またおかしな発言をしてるんですわ。さっきのコソコソ話も気になりますけど、今の迷宮が茶番になるなんて発言には頭が痛くなってくるんですわ。」


「ラヴィは俺に何か恨みでもあるのか?初めて会った時からおかしいとか、異常とか言いすぎだと思うんだ。」


「まさか理解してないんですの⁈もう少し自分の言動を振り返るべきですわ!」


 ですわ!を聞けて安心している自分がいることに驚きだ。

 なんだか癖になってきている気がする。


「ラヴィのですわは中毒性があるんだな、きっと。」


「変なこと言わないでほしいんですわ。あの日から時々呪いがどうと言われるんですのよ?」


 それは悪いな。

 なんかルビー(仮)とかサファイア(仮)とかが大量に余ってしまったからお詫びにプレゼントしよう。


「そっか。それは悪いことをしたな。お詫びといってはなんだけど、ラヴィにはこの巨大宝石詰め合わせセットを挙げよう。」


 巨大といっても常識の範囲内の大きさを選んでいるが、それでも十センチ前後はある。

 その中にアルゴスに貰ったエメラルドも少し混ぜた。同じくらいの大きさに砕いてはいるが。


「なんですの、この大きさ⁈それに数もおかしいですわよ⁈」


「いや、大きさはそこまでないと思うけど。」


「ラヴィだけずるいんだよ!クオもほしい!」


「魔物の素材?でも綺麗。」


「これも魔物の素材なのね。こんな綺麗な体躯をした魔物なんて見たことないわ。」


 言うと思ったよ。

 それはもう大量にあるので好きなだけ持っていってほしい。


「有り余るほどあるからな。欲しいだけ言ってくれ。」


「あの森にこんな魔物がいるんだね。今度、みんなに伝えておかないと。」


 今まで見ていただけだったディアナが口を開く。

 そういや、エルフの森、アールブの森だったか。の隣だからな。

 アルゴスも見たことないとか言ってたから新種なのかもしれない。


「それなら序でに、森の上空に近寄ったからもし気にしていたら謝っといてもらえないか?」


「分かったよ。それでこれは何て言う魔物なのかな?」


「コランダムタートルっていって、ロックタートルの上位種か変異種かどっちかだと思う。特徴としては、甲羅がこんな感じに綺麗で、あとは…ロックタートルが子供に見えるくらい大きいことかな?ああ、魔法も何種類か使ってくる。」


 聞かれたので素直に答える。

 隣によく分からない脅威がいるのは怖いと思うからな。

 まあ、ボス部屋の中にしか生成されないので変わらないとは思うが。

 それにハイエルフさん方もいらっしゃるだろうし。


「やっぱりコータはあり得ないんですわ…」


 俺たちの話を横で聞いていたラヴィの口から零れる。

 そういう風にバリエーションを増やしていくのはやめてほしい。


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