コランダムタートル
「見ただけで完全な上位互換って分かるんだけど、なに?ロックタートルって話じゃなかったっけ?」
「おいもここのロックタートルを見たことないから確信的なことは言えないけんど、元からコランダムタートルだったとかいうことはないはずだぞ。」
それだったら、わざわざロックタートルがいるなんて嘘情報が出回ったりしないで、最奥にいるのはコランダムタートルって情報が出回ってるだろう。
もし、仮にだがここに来た人の殆どがサプライズ好きでこの宝石の山で驚かせてやろうとか考えていて嘘の情報を伝えても、冒険者ギルドが裏付けの為に調査に来てるだろうからな。魔物の森はグロウに近すぎる。
「それにしても大き過ぎじゃないか?テイムしても出す場所限られるよな、これ。」
「これを見てもテイムする気でいるなんて正気とは思えないんだぞ。」
もう契約までしてしまっているしアルゴスに見せてしまっても問題ないだろう。
「『神化』」
昨日も使っていたが、また違うな。
かなりレベルアップしたからかもしれない。
コウタ タカハシ LV.153
種族:神人
年齢:16 性別:男
HP:1156416300000/1156416300000
MP:1156416315000/1156416315000
GP:115641/115641
STR:1521000
DEF:1520600
DEX:1520700
INT:1520700
MND:1520900
才能値《制限》
STR:100 DEF:100 DEX:100
INT:100 MND:100
邪竜を相手にした時のステータスと比べたら約三倍だし、上三つに至っては完全バフした時のステータスに迫っている。
今からの戦闘を考えてこの数値を見てしまうと、、ここが亜空間で良かったと思えるよな。
「い、今、聞き捨てならない言葉が聞こえた気がするんだぞ。コウタは一体何者…」
「簡単に言えば、俺は勇者とは違うプロセスでこの世界に来た転移者だな。所謂、異世界人ってやつだ。」
「違うプロセスかどうかは知らないけんど、そんなことは予想できてたんだぞ。そんなステータスでここまで来ることが出来るはずないかんな。その上、おいでさえ騙すことのできる隠蔽スキルと昨日の戦闘で確信に変わっているんだぞ。聞きたいのは今発動したスキルの方だぞ。」
ドゴーンッ!!!
「話してやりたいのは山々なんだけど、あれをテイムした後でもいいか?ほら、甲羅の色が赤に変わってご立腹モード的な感じになってるからさ。」
何故か青から赤に甲羅の色を変えたコランダムタートルが火炎球を放ってきたのを土壁を作って防ぎながら会話を続ける。
さっきまでサファイアっぽかったのに、今度はルビーのようになっているが宝石の山にしか見えないのは変わりない。どっちにしろ硬そうだし。
神化した時に、レベルアップしたことで増えまくった魔力を抑えるのにちょっと失敗したせいで魔力を漏らしてしまったんだよな。
今までおとなしかったコランダムタートルがそれにあてられたのか急に攻撃してきたのだ。
「別に無理やり聞こうと思ってないから別にいいんだけんど、これだけ長く生きてきて神に連なる種族を見たのはまだ二度目なんだぞ。」
「じゃあ、それを楽しみに終わるまで待っててれ。」
いやーな情報にしか聞こえませんね。
俺で二人目なんだってさ。
あっ、でもこの前ナイアスが帝国の情報をくれたってことはナイアスはこの世界にいるってことだろ?
だったらアルゴスが出会ったもう一人はレティの可能性にかけておこう。
だって嫌だぞ?神様が地上に降りてきているとかだったらいいが、生まれた時から神人族の天才さんとか通常種族から自力系のハンパない人達の情報はこんな序盤ではいりません!
「しかし良い感じに甲羅が丸っぽくてよかったな、そこらへんは忠実で嬉しい限りだ。」
お陰で例の作戦が使えるからな。
その名も亀なんてひっくり返せば一方的大作戦だ!
グォォォオオオ!!!!!
すっごいお腹の底まで響いてくるな。
何か勘づいたのか?
ドゴンッ!ドガンッ!ボコンッ!
「えー、俺まだなにもしてないんだけど。急になんだよ、ったく。」
っていうか、大雑把な攻撃だけどいちいち魔法のスケールが大きいな。
火炎球も五人くらいだったら入りそうだし、氷柱も俺より圧倒的に大きい。この隆起させた土なんてトラックをひっくり返さんばかりだ。
「っと。それにしても綺麗だな。なんか赤も青も混じってしまってるけど、光の具合でアメジストっぽく見えるな、あれは水晶だから違うとは思うけど。」
それに青にも赤にも見えているからな。
あれ火属性魔法使うときが赤で、水属性魔法使うときが青なんだな。で、どっちも使っている今みたいな時は両方を取る感じか。
絶景かな、絶景かな。
「でも、そろそろ反撃だな。『ドーン』」
ドゴゴゴゴゴ、ドゴーンッ!!!!!
凄い勢いで隆起した地面が、コランダムタートルの下側の限りなく端に近い部分に途方もない威力を持って直撃する。
こんな感じにも魔法使って見たかったんだよな、無感情な感じで尚且つ擬音のみで。
ゴォオン、グォオン
おっとと。
「思ったよりも衝撃はなかったな。かなり揺れはいるけど。」
半円球が地面で転がりきれない時になるのと同じようにグワングワンなっている。ボウルが地面に落ちた時を想像してほしい。
それだけなのにコランダムタートルが大きすぎるせいで地面が揺れているのだ。
すみません、語彙力が非常に低くて。光太さんは平身低頭の構えです。
「いやぁ、それにしてもこの大きさの亀が横向きに垂直になった瞬間は圧巻だったな。って早く攻撃再開するか。」
もうこの際、詠唱はなしだ。
さっきのお返しのように火炎球に氷柱、地面を隆起させたら戻ってしまいそうなので土槍を放っていく。
そして落雷や闇霧も追加だ。雷はなにか伝ってダメージが入りそうだからで、闇属性は状態異常系が得意だからな。少しでも弱体化してくれればそれでいい。
光属性は今回に関しては他と比べて秀でているところが見つからなかったし、空間魔法に関してはやり過ぎ注意だ。
「うはぁ、この土煙じゃどのくらい聞いているのか全くわからないな。」
まあ、防ぎようのない状態への攻撃且つちょっと加減していたとはいえ神化での攻撃なんだ、聞いていないはずがないと思うのだが、もしピンピンしていたらちょっと審議タイムに移ることになるな。
ドゴーン!!!ドッッゴーン!!!!!
「うおお、なんだ?って元通りってどういうことだよ⁈」
と驚いてみたがなんてことはない。
今の振動と同時に襲ってきた風圧で土煙が晴れているうえに、コランダムタートルの両脇にある隆起した地面が何があったかを物語っている。
分かっているとは思うが、元通りとはダメージ的な意味合いではなく、姿勢的な意味合いでだ。コランダムタートルはしっかりと満身創痍の状態である。
「ということはダメージ覚悟で元の状態に戻ったってことだよな。やるな、コラっち。」
でも、これ以上攻撃してしまうとうっかり逝ってしまいそうだな。
よし、秘策第二弾を試そう!
因みに第一弾はひっくり返して圧倒大作戦だ。名前が違った気がするが別にいいだろう。
「えーっと、召喚魔法を『最適化』してっと。〔あーあー、聞こえるか?〕
〔ナンダ、コノコエハ。マサカ、ニンゲンカ?〕
おー、カタコトながら思ったよりも聞き取りやすいな。
これ、召喚魔法のレベルが低かったらどうなっていたのか。
よし、ここからは交渉タイムだな!
〔〕は召喚魔法で意思疎通した際の会話です。
もう括弧を種類分けし過ぎて何が何やら…(汗
また括弧www




