表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造神の力で異世界無双  作者: TKG
異世界ディファード
15/221

涙の理由

今回は三人称で書いてみました。

おかしな点があれば報告お願いします。

 

 昔、クオリティアからすればそれ程昔ではないが10年ほど前のことだろうか。

 珍しく平和な日々が続いていた。それは、惑星、もしくは銀河、どちらでもいいが、そんな小さな単位で見たら当たり前の事かも知れない。

 しかし、世界全体から見たらそれはとても珍しい事であった。

 だが、全くないと言うほどでもないのだが。


「うーん…。暇だなぁ、何かないかな。あ、そうだ、偶には下界に降りてみようかな。みんな偶に降りてるんだしクオだっていいでしょ」


 なので、偶には下界に降りてみよう。そう思った。

 それは、ただの気まぐれに過ぎなかった。


 クオリティアはまず何処に行こうかを考えた。考えながら、空中に映し出される様々な世界を眺める。


 ふと、目に止まった。


 それは、水の豊富な惑星。

 その星には魔力はないらしく、その代わりに科学が発展していようだ。

 科学は科学神が問題を起こしてばかりいるから良いイメージはないが、魔力がないというのが普段ない環境なので、クオリティアは偶にはいいかなんて思った。これも気まぐれでしかなかった。


「よし、ここにしよっ!さっさと行かないとロア達に見つかったら何言われるかわかんないからね」


 そうして向かった先は小さな、だけど栄えている島国だった。

 科学神が面倒事をしょっちゅう持ってくるので敬遠していたが、人の営みが加わるとここまで素晴らしいものになるのかと思いながら観察して回った。


 その途中でお腹が鳴る。

 余りにも夢中で気がつかなかったが、どうやらもうお昼時を過ぎているらしかった。

 クオリティアがお腹を抑えてどうしようか考えていると、


「おねぇちゃん、お腹減ってるの?一緒に食べる?」


 まだ小学校にあがったばかりだろうか。少年がそこにいた。


「えっと…、でもそれ君のでしょ?私はいいから、ありがとね」


 しかし、クオリティアのお腹は自己主張をやめなかった。

 神は食事を必要としない種族ではあるが、普段の暇が災いしてクオリティアの暇つぶしの一つに食事が入ってしまっていた。

 さらに、現地で取ればいいと急いで出て来たので朝も抜いて来たのも原因だろう。


「大丈夫だよ、今日はいっぱい持ってきたから。ホントは公園で鳥さん達にあげる予定だったけど、いつも他の人が先にあげてるから」


「そっか。じゃあ、ありがたく頂こうかな」


「うんっ!」


 少年は満面の笑みでクオリティアの手を引っ張って近くのベンチへ連れていった。


「いただきます」


「いただきまーす」


 目の前では少年と同じ年頃の子供達が元気良く遊んでいる。

 クオリティアはふと疑問をぶつけた。


「君はあの子達みたいに遊ばないの?」


「僕はいいの。みんなと違うから」


 その悟ったような目は、この年頃の子供がするには異常だと感じた。


「違う?」


「うん。僕ね、本当のお母さんの顔知らないんだ。小さい頃に死んじゃったみたい。だから、悲しいとかはないよ。でもね、最近お兄ちゃん二人と新しいお母さんができたの。みんな僕が邪魔みたい。だから休みの日はいつもここに来るんだ。家に居るより楽だから」


「そっか。君も一人なんだね」


 クオリティアは同情なんかしなかった。軽い同情は逆に相手を傷つけることになる。

 クオリティア自身が分かっていた。長い間、一人から抜け出せないでいた自分を重ねたのだ。


「おねぇちゃんも一人なの?」


「うん、そうなんだ。みんな私を怖がるの」


「おねぇちゃん優しいのに変なのー」


 優しい、か。と声に出ない思いがクオリティアの心の中に積もる。


「…仕方ないんだけどね」


「じゃあ、僕大きくなったらおねぇちゃんに会いに行くよ。それでまだ一人だったら二人になるから寂しくなくなるね!」


 少年は満面の笑みで言い放った。

 クオリティアには眩しくて仕方なかった。

 だから、期待はしていなかったがクオリティアは言った。


「うん、待ってるね。でも、友達をつくる努力もしないと駄目だよ?君にはそれができるんだから」


「うんっ!頑張るよ。でも、友達出来たとしても必ず会いに行くから。僕、信じてるから。おねぇちゃん怖くないって。だから、僕必ず会いに行くからおねぇちゃんも信じてよね。じゃあ、またねー!」


 そう言い残して少年は去って言った。

 クオリティアは完全記憶をもっている。だから、何事も忘れない。

 だが、名も知らぬ少年の発言を本気で期待する程、伊達に長い時を生きてはいなかった。しかし、記憶の片隅に留めておく程度には期待していた。


 そしてその期待は現実に。


 僕、信じてるから

 俺は信じてるから


 必ず会いに行くから

 必ずクオの元に戻るから


 おねぇちゃんも信じてよね

 クオも俺の事信じてくれ


 確かに一人称と自分の呼び方は大分変わっていた。

 だがクオリティアは、記憶の中の少年が確かに目の前の人物と重なって見えたのだった。


どうでしたか?

まだ1時間は長いなどのご意見があればよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ