【刻印神の〇〇】
「えーっと、ハイオークの魔石が三百五十四個か。半分とはいかないまでもかなり紛失させたな。勿体ないことしたよな、まったく。」
いきなりあんな大軍に出くわすとは思わなかったから仕方ないといえば仕方ないけども。
それに二回連続だ。一回目はめんどくさくなって消しとばしてしまったのでひとつたりとも残ってないという最悪の失態をしてしまった。
それがこの広場を作り出した原因になるわけだが、不思議なのが少しずつ広場の範囲が狭まっているんだよな。
草木の成長が早すぎる。これも魔力のせいなのだろうか?
「よし、早めにレベル上げとくか。」
その方がこの後の狩りも効率的になるだろう。
それにしても昨日の夜、邪竜の魔石を取り込んだ時には驚いたよな。
まさか、一気にレベル100の大台を超えるなんて思ってもなかった。倍加スキル恐るべしだな。
今のレベルが140だから、そこからどれだけ上がるか見ものだな。なにせハイオークとはいえ、三百五十個も吸収するんだからな。
端数の四個は後で使うのでとっておく。
「よーし、昨日クオに作ってもらったこの巨大経験値マットを下に引いて、魔石を上にどかっと起きまして、完成!」
あとは魔力を流すだけ、と。
ほい!
「うーん、やっぱり昨日みたいには上がらないなぁ。レベルが高くなれば上がりにくくなるのは必然か。それかレベルに見合った魔物を倒さないとダメだろうな。」
今のステータスはこれだ。
コウタ タカハシ LV.153
種族:神人族
年齢:16 性別:男
HP:742045/742045
MP:283511/283511
STR:1378(9)
DEF:1065(5)
DEX:761(6)
INT:913(6)
MND:609(8)
才能値《制限》
STR:8 DEF:7 DEX:5
INT:6 MND:4
固有スキル
【創造LV.EX】【最適化LV.EX】
【完全記憶LV.EX】【神力変換LV.EX】
【神眼LV.EX】【神化LV.EX】
【制限解除LV.EX】
特殊スキル
【取得経験値10倍化LV.EX】
【取得スキル経験値10倍化LV.EX】
【言語理解LV.EX】
【限界突破LV.EX】
技能スキル
【鑑定LV.8】【隠蔽LV.10】
【剣王LV.3】【魔力操作LV.10】【魔力感知LV.3】
【並列思考LV.6】【MP回復速度上昇LV.7】
魔法スキル
【火魔法LV.9】【水魔法LV.10】
【風魔法LV.10】【土魔法LV.9】
【光魔法LV.10】【闇魔法LV.7】
【氷魔法LV.2】【雷魔法LV.1】
【聖光魔法LV.2】
【空間魔法LV.6】【崩壊魔法LV.3】
【刻印魔法LV.3】【圧縮魔法LV.3】
【生活魔法LV.3】
【複合魔法LV.7】【無詠唱LV.5】
称号
【創造神の寵愛】【闇神の寵愛】
【刻印神の寵愛】【刻印神の〇〇】
【異世界人】
【世界の外側に存在する者】
【理に縛られない者】
【超えし者】【至りし者】
EXP:131690
まあ、増えた項目に関してはそれほど多くない。
魔法関連が主だからな。
上位魔法はポンポン上位属性に属する魔法を使ってたら自然と手に入れていた。
ステータスを見る癖なんてないので、昨日気付いたら上がっていた感じだ。
どこかの刻印神様のことは今は放っておくことにした。
だってこの説明を見て欲しい。
「『鑑定』」
【刻印神の〇〇】
最近の成長で色々と感情的な面で成長を見せ始め、パパからお父さんに。しかし、お父さんは的確ではないと思い始め何やら悩んでいる様子。
今一人の女の子が恋心に悩んでいる。
効果 特になし
見た瞬間、俺の時が止まったね。え?って感じで。
たとえこの全てが事実だったとして、俺のステータス欄に現れる意味って何でしょうかね?
大体、お父さんと恋心に悩んでいるってどういうことだよ!
そこんとこロアとプランの教育方針を問い質したいんだが!
もう、刻印神の成長過程を称号欄で伝えてきている気すらするね。俺が見てなかったからここだけ伝わってきているだけで。
で、今は構っている時間はないので放っておくことにしたというわけだ。寵愛はとてもありがたいですよ、なんてったって関係ステ三倍ですから。
「目標は残りの日数でこのレベルの倍だな。たしかリルのレベルが700ちょいだったけど、一週間じゃそこまでいくのは無理だからな。」
気持ち的にはリルのレベルまで追いつきたいけど流石に無理だ。
ここの魔物じゃ経験値量を賄いきれない。
邪竜みたいなのがいるなら別だが、そんな奴はそうそういないのだ。
いたとしても森がどうなるか。いくら超速で回復する森であってもただでは済まないと思う。だって俺、絶対神化するからな。
「よし、昼ごはん食べたら再開だな。」
因みに昼ご飯は屋台で大量に買い込んできたものだ。
それわもう大量に買い込んできたので、一月以上篭っても食料に関しては心配ない。
串焼きやサンドイッチを適当に頬張ってからすぐ再開、ではなく、まだ草木の侵食が進んでないうちに広場の四隅に刻印魔法で魔法陣を刻んでいく。
その魔方陣に先ほど取っておいた魔石を一つずつ嵌め込んむ。
そして結構前に買ったキャンプセットのテントを張り、テントを囲うように適当な土を固めただけの囲いを作る。
これであらかた完成だな。
刻んだ魔方陣の効果はスペーシャルイソリューションの改良版だ。
改良点は俺が出入りできるだけで、中から攻撃できたりはしない、ただ出入りできるだけの改良だ。
結界の代わりに施しただけなのでこれでいい。
「ここが今日から一週間のベースキャンプだな。よし、寝床も完成したし行くか。」
キュクロプスの群れいないかなー。
ゴブリンとかオークよりも断然経験値の入りがいいからな。
どこかに、とりゃ!いないものかね、ていっ!強い魔物は、おりゃ!
「もうゴブリンは躱して行った方が良いかもな。そういや、さっきハイオークの魔石しか吸収するの忘れてたな。他は後で一緒にでいいか。」
あれの前にちょこちょこ倒した分の魔石はとってあるのだ。
ドンッ、ドンッ、ドンッ!
「お、キュクロプスか?結構近いな。」
でも実際、あの単眼巨人と戦ったことって俺自身はないんだよな。
最初の日もクオとレティが倒してくれたし、ユニストからの帰り道ではグレイスが倒した一体しか出てこなかった。
まあ、稀にしか街道には出てこないみたいだから俺たちは相当運が悪かったのだろう。出会ったという点においてね。
「あれか、えーっと、いち、にー、さん…十一かな?でも、あれって。」
ヤバイな。あれ俺に倒せるのか?
差詰めアルゴスってところだろうが、キュクロプスが死体を合わせて二十以上いて無傷だぞ。
そこにいたのは全身に開いているもの、閉じているものを合わせて百近くの目をもつ巨人とそれに手も足も及ばない人族の脅威キュクロプスの群れの姿だった。
「いやぁ、あの怪力受けて無傷かよ。てか、あれって死角がないんじゃないか?葦笛でもあれば簡単なんだろうけどな。残るは近距離戦よりも遠距離攻撃で一方的にとかだろうけど…」
まあ、真正面から挑むんですけどね。
でもその前にアルゴスが倒したキュクロプスは回収しておこう。
経験値うまうまだからな。俺は卑怯でもハイエナでもいいんです。
俺の目的は飽くまでもレベリングだ。
変なプライドを出して、得られるものを捨て置くようなことはしない。
「お、キュクロプス討伐お疲れ様。俺も今回収が終わったところだ。さあ、殺ろうか。」
神化必要だろうか?あまり森をハゲさせるのも悪いからなぁ。
でも、少しでも危なくなったら使うとしよう。そういう約束だからな。
そんな決意の元、相手には理解出来るはずもないと放った言葉だが次の瞬間のそれは驚かずにはいられなかった。
「何だ人間。おいと戦おうってのか?」
「なっ⁈」
魔物と思っていたそれは口を開いたのだ。
葦笛とは葦の葉笛のことで、ギ神のヘルメスがアルゴスを倒すときに眠らせるために使用した笛のことです。
葦笛でアルゴスの全ての目を眠らせて首を刎ねたとか、遠くから石を投げて倒したとか言われていますね。




