いつのまに…
今年もよろしくお願いします!
正月とは全く関係ない話ですが、新年一発目です
いつのまに…って私が言いたいですけどねwww
去年は一年が過ぎるのが早かった気がします
と、余談はここまでにして
今年も「創造神の力で異世界無双」を楽しんで観ていただけると幸いです!
「俺の魔法上達の経験値になってくれるみたいでありがとう、ラディックくん。」
「なんだかんだいったが負けるつもりはないからな!」
ラディックは多重人格者なのだろうか?
初対面でいきなり上から来たかと思えば、さっきは弱音を吐いて今度はやる気に満ち溢れている。
最初と変わらないのは話が通じないことが間間あるところか?
「俺も全力を持って相手をさせてもらう以上負けるわけにはいかないな!」
「さっきのことまだ根に持ってるのかよ!だいたい、悪いのはお前だろ!」
俺の何が悪いって言うんだよ。
爺さんと少しだけ魔法について会話しただけじゃないか。
「そういう自分の未熟さを人に押し付けるところ駄目だと思うなぁ。」
「普通はいち学生が賢者を魔法の話で上回ることなんてありえないんだよ!」
暗に俺が普通じゃないと言いたいのか⁈
いーや!俺はいたって普通の男の子です!
「ありえますー、実際さっきおこりましたー。ラディックの目と耳はちゃんと働いているのか?保健室に行ったほうがいいんじゃ。」
「俺がおかしいみたいに言うな!しっかりと働いてるに決まってるだろ!」
じゃあ、ラディック自身がおかしいんだな、きっと。
「ま、というわけで色々と魔法を試して行くからガンガン来てもらえると助かるな。」
「言われなくてもガンガン行くから少しくらい手加減しろよな!」
何を言ってるのかわからないが、ガンガン来てくれるらしい。
魔法を試すと言っても、詠唱待機を試すだけの話だ。
それに合うような魔法を見つけるのもそうだが、まず俺に詠唱待機が出来るのかどうかが問題だな。
技術的なものらしいし。
「おい、コータ!準備ができたら手を挙げろ!」
「ん?ああ、忘れてた。ほい。」
そういやそんなシステムだったな。
俺たちが最後だったみたいだ。ということは始まりの合図がくるわけで。
「よし、全員準備ができたな。それでは構え!始め!」
「さて、最初はどう、っぶね!」
ギィンッ!!!
始まりと同時に剣で襲いかかってきたラディック。
それをギリギリのところで腰の剣を抜き弾き返した。
「卑怯だぞ!ここは何学園だよ!」
「俺の今回の役割は主に前衛だからな。それにガンガン来いって言ったのはお前だろ?」
なるほどなるほど。
油断した俺が全面的に悪いな。模擬戦だからといって気を抜き過ぎてたのかもな。
まあいいや、もう油断しないから。
「そうだな、俺が悪かったよ。でも、今の一撃で終わらせられなかったのは残念だったな!『自動迎撃用魔法陣』!」
俺の頭上に魔法陣が展開される。
この魔法はその名の通り自動迎撃システムとでもいうべき魔法なのだが…
うーん、これ詠唱待機というよりもそういう魔法なんだよな。詠唱待機がデフォと言うか、それで完成してしまってる魔法なんだよな。
だからというか、この魔法は相手の動きによって自動で発動しちゃうので詠唱待機の波状攻撃みたいなことには向かない。
うん、選択失敗したな。この魔法は装飾品にでも埋め込んだりして使うことにしよう。
でも出来はしたな、詠唱待機。
と考え込んでいる間にも斬りかかろうと迫ってくるラディックに次々と豪炎球やら、氷雨やら、土槍やら、カマイタチやら、光線やら、闇球やらが降り注ぐ。
ドガーンッ!
「クソッ!」
ドガガガガッ
「うおわっ!」
ドゴーンッ
「これでどうだ!」
ガキンッ
シュッ、ドゴッ、ドガッ!!!
「あっ、ぶね!グファッ!」
おー、ナイスショット!
この魔法って全属性の複合魔法なんだよな。魔法によって躱したり、弾いたり、叩き切ったり大変そうだ。
そしてそんな大変さが重なったせいか、ついに腹部に土球がクリーンヒットしてしまった。
その前のウィンドカッターはよく躱せたと思うが、あと一歩惜しかったようだ。
「魔法的にはありだけど、俺の思う詠唱待機の用途じゃないよな。」
今回の目的にはそぐわないので魔法をキャンセルする。
ってよく考えたら複合魔法で一括して魔法放てばそれで終わりなんだよな。
ウィンドカッターを詠唱待機、アースクエイクを詠唱待機、ファイアボールを詠唱待機で順に放って波状攻撃。ってしなくても、ウィンドカッターとアースクエイク、ファイアボールで複合魔法を作れば一瞬で…
「うおっ、ガハッ!」
ま、まあ、利点としてはタイミングとか事細かに選べたりする点では有用だよな!
アースクエイクで体勢を崩させるタイミングは複合魔法だと固定だからな、詠唱待機で最適なタイミングを選べるのはメリットになるだろう。
「同じ手を二度も、なっ⁈グハッ!」
あとは複合魔法を限度まで使った魔法を詠唱待機して同じ魔法をもう一つ使って更に威力アップとかかな。
「ぐわぁぁあ!!!」
まあ結局結論を言うと、今後使う機会はほとんどないだろうと言うことだな。
幾万の敵を掃討とかなったら使う機会もあるかもな…フラグ建ってないことを祈ります。
「まあ何か思いつくこともあるかもしれないけど今はいいか。よしっ、今度は近接戦だ、ラディック!」
「………」
「あれ?」
俺ばかりやりたいことをやるのも悪いので、ラディックの土俵にも上がろうと思い剣を抜いたのだが件のラディックくんは白目を向いて倒れている。
いつのまに…
「あいつ一歩も動かずに完封したぞ。」
「それどころか何か考えながら戦ってなかったか?」
「始めから観てたけど、最初の魔法もなかなか凄かったわよ。」
「意識を刈り取った後に剣でトドメを…あ、悪魔だ。」
もしかして俺考えながら実行してたのか?
うん、そんな感じがするぞ。というか、思いっきりやってたな。
ラディックよ、許してくれ。
そんなことよりも最後のやつ!お前みたいなのが俺の悪評を広めてるんだからな!
もし俺が悪魔に見えているのならそれはきっと剣王の威圧とかの効果に違いない、うんうん。
そうであってほしい…
「はぁ、『エンジェルブレス』」
「…ん、んん。」
「ほら、起きたんなら早く立て、向こうに戻るぞ。」
なんだか周囲の視線に居た堪れなくなり俺が気絶させたことを棚に上げて急かす。
「いてて、なんで俺こんな、ところで……って、そうだ!手加減しろって言ったよな!するって言っただろ!」
「言ったけど撤回しただろ。ほら、騒ぐなよ。みんな見てるんだから向こう戻るぞ。」
それに手加減うんぬんの前にいつのまにか気絶しちゃってたんだよ。
だから、な?
「広い心を持って色々と許してくれ。神はそれを望んでいる。」
ほら、俺って一応神様の末席みたいなものだし。
「結局何も出来なかった、もっと頑張らないとな。」
「いやいや。最初の一撃、結構重かったぞ。それに魔法を躱すのか弾くのか、そういう判断力とか、動体視力、反射神経もかなりのものだったと思うけどな。」
実際、オートインターセプションだけで終わっていてもなんら不思議ではなかった。
自分の魔法を褒めているみたいでアレだが、あの魔法をあそこまで凌いだだけでもかなり凄いと思う。
だから俺の言葉を無視したことは今回に限り許してやろう。
ま、許してもらえなくても俺的にはあまり関係ないけどな。
「お前に言われると嫌味にしか聞こえないな。」
「嫌味に聞こえるとかやっぱりラディックの耳おかしいんじゃないのか?だって俺みたいな真面目が服を着て歩いているような人間が嫌味なんて言うはずないだろ?」
「言ってろ。」
あ、こいつ!ついに流すことを覚えやがった!
そんなやりとりをしながらティアとキャロルがいるところまで戻るとティアが第一声
「コータは鬼ですね!」
「セ、セレスティア様⁈」
悪魔よりマシだと思ってしまったのは秘密だ。
キャロルはまたアワアワしていたが、こっちもこっちでいいんじゃないだろうか?




