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創造神の力で異世界無双  作者: TKG
異世界ディファード
13/221

初戦闘…のはずが

 

「急いでやらなきゃいけない事も終わったし早く町に行きたいけど、怪しまれないようにレベル上げてから行こっか。その歳だと、農民でもレベル5はあるからね」


「うぐっ?!た、確かに怪しまれないように、な。よ、よーぅし、一気に10、いや15くらいまで上げてやろうかなー。別に1なのが悔しい訳じゃ無いからな。悔しい訳じゃ無いから!」


 大事な事なので二回言いました。


「獲得経験値10倍加もあるんだからすぐ上がるよ」


「そ、そうだよな。うん、がんばるぞー(棒」


 レベル上げって事はあれだよな。魔物と戦ったりするんだろうなぁー。

 世界平和をこよなく愛する俺にできるだろうか?

 そこっ、うるさいぞっ!ああ、びびってるだけだよっ!悪いかっ!

 だけど、クオに格好悪いところは見せられんな。逆に魅せていくぐらいの気持ちで行かないと。


 ………はぁ。

 自分で言っといてなんだけど、もっと心配になって来るな。


「で、どこでレベル上げるんだ?」


「左手側の向こうの方の森があるでしょ?あそこが比較的倒し易い魔物が生息してるの。だから、あそこでしよっか」


「後ろの森にはいないのか?」


「うん。後ろの森は魔物もいないし、迷うだけだから行くだけ無駄だよ。右側の山脈にもいるんだけど竜しかいないからね。あそこの竜は人間と良好な関係を気付いてるから、倒す訳にはいかないんだよ。それに、一部を除いて竜は倒しても経験値にはならないからね」


 迷うだけ?確かに迷いそうだがクオのことだから何かあるんだろう。まあ、今はいいか。

 そして偉いぞ異世界人!初めての戦闘が竜なんて事にならなくて心底ホッとした。経験値が入らないのも偉い!

 忘れがちだけど、クオは創造神だからな。竜相手でも躊躇ないんだろう。気をつけねば。


「じゃあ、行こっか。歩いて行くとなると結構遠いからね」


「そ、そうだな」


 歩き出すと、クオが右腕に抱きついて来た。

 恥ずかしいとか、歩きにくいとか思う事は色々あったが、緊張でそれどころじゃなかった。




 〜〜〜一時間後〜〜〜


「はぁ、はぁ。や、やっと着いたぁ…。普段の運動不足が祟ったな。戦闘前にこんなに疲れてどうするんだって話だ」


「レベルが上がったらそれも解消されるんだよ」


 今から戦闘が待ってると思うと陰鬱な気分になって来る。ここに来るまで足が重かったのは気のせいではないだろう。

 まあ、それでも、頑張らないと仕方がない事もある。

 よし、武器の確認を…

 あれ?そういや俺、攻撃手段なくね?


「あの〜、武器とかは?」


「ん?ないよ?創造で作ればあるけど」


「じゃあ、お願いします。武器無いと流石に無理です」


 ここは格好悪くても仕方がないのだ。

 俺は、ステータス最弱で武器無しで魔物と戦えと言われて戦えるほど頭のネジは外れてない。

 ステータスをご覧の通り、俺にはモンクが出来るようなスキルもないからな。


「ん?別にいいけど、戦わなくていいよ?レベル上げるだけなら、魔石吸収すれば良いだけだし」


「え?戦わなくていい?それじゃ経験値入んないんじゃ?」


「経験値って自分以外の魔力を取り込んで得るものなんだけど、魔力は人それぞれ違う波長を持ってるの。指紋みたいな感じだね。それでね、人族って称される生き物は魔力が体を循環しているから死んだら体から出て魔素に戻るの」


「魔素?」


「空気中に漂う魔力の素みたいなものだよ」


 色々と覚える事も多そうだな。


「だから、人族からは経験値が得られないの。魔素に戻っちゃうから。だけど魔物は、魔力を魔石に蓄積しているんだ。だから、倒した後でも魔石の中に魔力がのこったままになる。それを吸収してレベルをあげるの」


「なるほどな。だから戦わなくていい、と。でも、なんだかそれだと申し訳ないな。俺も戦うよ」


「ここの魔物弱いからそれでもいいんだけど、早くしないと日が暮れて町の門が閉まっちゃうからね。今日はクオ一人でパパッとやっつけてくるよ」


「あ、あぁ。そういう理由があるなら仕方ないな。情けないけどお願いするよ」


「うん、任せてっ!パッと行って、パパッとやっつけて、パパパッと帰って来るから!」


 このままではヒモ野郎になりそうで怖いんだが...


「一応、周りに結界張っておくね。ここら辺の魔物どころかそこの山脈の竜ですら破れない結界だから。えいっ」


 大層な結界を張っていくようだ。

 あの掛け声には毎回癒されるけど、今回ばかりは不安が拭えない。

 しかし、して貰いっぱなしなので文句は言えないな。


「ありがとう、気をつけてな」


「うん、行って来るね!」


 そうして、クオは森の中に走り去って行くのを見送る。







 結界が破られるのは数分後のことだった。


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