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創造神の力で異世界無双  作者: TKG
異世界ディファード
129/221

役割

「そうか。セレスティアがそこまで言うなら仕方ないね。あまり困らせるとミラに怒られそうだ。」


「あ、話終わりました?だったらあの人達どうにかしてほしいんですけど。」


 いい加減あの視線をどうにかしてほしい。

 俺悪くないよね⁈嫌なことを嫌って言って何が悪いんだよ!


「君たちもほどほどにね?でも、僕の為に怒ってくれたんでしょ?君たちのその気持ちだけでも僕は嬉しいよ。」


「「「キャーッ!!!」」」


「ブー!」


 いちいちキラキラしやがって!お得意の光魔法でも使ってるんじゃないだろうな!


「なによ、あの態度!グリター様に頼んでおいて!いくらグリター様のお叱りを受けようともグリター様を馬鹿にする輩は許せないわ!」


「「「そうよ、そうよ!」」」


「うるせー!コータ様はイケメンが大嫌いだから仕方ないんですぅ。大体、イケメンは性格が悪いと相場が決まっているのにその相場を破ってくる輩が一番手がつけられないんだよな。」


 そうだよ、クリフ然り、グリター然り。

 いくらイケメンが多いからって人まで良すぎなんだよ。


「なに、あいつ?貶しているのかと思ったら、急に褒め始めたわよ?ツンデレね。」


「グリター様×コータかぁ。」


「どっちが受けで、どっちが攻めかしら?」


「きっとあのコータとかいう男はなんだかんだ言いながら受け入れてしまうタイプだね。コータが受けじゃない?」


 なっ⁈目の前でなんてこと言いやがるんだ!

 俺がいないとこで…もして欲しくないけど、せめていないところでしてくれませんかね⁈


「おい!あいつらどうにかしろよ!お前のファンなんだろ⁈それがダメでも生徒会長権限とか!」


「さっきまでの敬語はどこに言ったのかな。まあ、でも諦めたほうがいいよ。ああなった彼女たちは止められないよ。さっきも感じただろう?あの魔力。」


 どこか遠い目をするグリターパイセン。

 あぁ、この人は人気があるが故に色々とあるのかもしれないな。


「まあ、それはともかく僕が君を欲しかった理由は色々とあるけど、一番は人を虜にしてしまう光魔法を使ったと聞いてね。それが僕の中でどう評価されようと近くに置いておきたかったのさ。」


 このパイセンもそうだが、魔の六侯爵だっけ?そう呼ばれているだけあってこの人達、自分達の魔法属性には何かと敏感なんだな。


「それに君は実に面白い。話していてもっとそばに置いておきたくなったんだけどね。セレスティアがここまで固執するのはあの絵本の王子様以来だ。僕はおとなしく引き下がるとするよ。」


 あっれれ〜?いいこと聞いちゃったなぁ。

 その王子様の話、詳しくお聞きしなければならないな。


「グリターパ…先輩!今度光魔法の話でもどうでしょうか?今なら光竜のリルも付いてきますよ?」


 厳密には光竜ではなかったんだが、それで通っているので嘘にはならないだろう。


「お、それはいいね。引き抜きは諦めたとはいえ、その魔法は是非一度拝みたかったんだ。僕からも是非お願いしたいくらいだよ。」


 そうして固い握手を交わす俺とパイセン。

 これはいい抑制材料が手に入りそうだ。手がつけられない時の抑止力となってくれることだろう。ふっふっふ。


「ではその時は私も」


「駄目だよ、ティア。男には男だけの語らいも必要なんだ。」


「でもリルエル様も同席されると。」


 くっ。痛いところを。

 ティアも俺が企んでいることに気がついた様子だ。ちっ、もうちょっと鈍くても可愛いゾ!


「な、長く生きた者は性別さえもちょうえ、うおあ!」


 あっぶねぇ!なんだ今の光線!殺す気か!

 ありゃ。相当お怒りのご様子だな。


「そ、そうだなー。ティアも同席するといいんじゃないかー?リルは光竜だから、色々と話もあるだろうと思ってなー。あはは。」


「そうですよね?では私も同席ということで。」


 見事な棒読みである。あとで謝っておこう。

 と、今気がついたのだが、ここ以外の他のところはもう色々と始めている。

 役割を決めているのだろうか?早い所では陣形の確認なんかも行なっているようだ。

 リルはその合間に撃ってきたのか。じご…とても耳がいいんだな!

 不思議だな、ファンの皆様はいつのまにか現れて、いつのまにか消えていた。


「そろそろよろしいですか?他のところはもう始めていますので我々も急ぎましょう。」


「あ、そういえば担当はルロイ先生でしたね。え、ということは…三年生が付いてくれるって、この三人ですか?」


「はい、そうですけど。」


「再考を要求します!」


 もー、今の見てなかったんですか?時間とられますよ、色々と。


「あはは、君はどこまでも面白いね。心配しなくても、取って食おうってわけじゃないから安心してほしいな。」


「じゃあ、せめてお姉様かそっちのおとなしいゴツいお兄さんでお願いします。」


「僕も嫌われたものだね。どうしよっか。」


「では、私が担当しよう。さっきは少し取り乱してしまったが、もう大丈夫だ。」


 おー、お姉様が担当してくれるのか。

 あ、十九と二十一のパーティを待たせているみたいだ。関係ない人を困らせるのはいけないことだからな。


「ごめん、俺たちのせいで待たせてしまって。」


「い、いや大丈夫だ。」


「あたしは全然構わないよ。でも、私達に魔法を教える約束も忘れないでよ〜?」



 二つのパーティの代表で一人ずつ答えてくれたのだが、片方ウィテラだった。

 そういや、ウィテラやブリーシアに魔法を教えるってことになったんだっけ。


「忘れてないよ。都合のいい時に声をかけてくれたら教えるよ。でも、前も言ったけどあまり期待しないでくれよ?」


「無理だね。あの魔法の数々を見せられて期待しないほうがどうかしてると思うよ?」


「ま、それはおいおいだな。それでルロイ先生、役割ってどんなことを決めたらいいんですか?」


「まずはパーティ内で自分が何が出来て何が出来ないのか、何が得意でどんなことに弱いのか。そういうことから詰めていくといいでしょう。自分を知る、仲間を知ることは背中を預ける上でとても大切なことです。」


「と言っても全てを話せということではないから勘違いしないでね。これは仮のパーティだからね。」


 こっち見ながら言わないでほしい。

 あー、だから貴族とか偉い人とか嫌なんだよな。こうやってすぐカマかけてくるんだから。

 こんな爽やかなイケメンのくせしてやることは真っ黒としてるな。


「そうなのかー。でも、うちのパーティには基本何でも出来る君がいるから安心だなー。」


「な、お前!」


 自分が言ったことの責任くらい取ってほしい。

 ラディックはオールラウンダーらしいからな。足りないところに穴埋めとして使ってやろう、うん。


 そうして、話し合いをした結果。

 ティアはまさかの空間魔法が得意だそうだ。なので、もちろんのことながらストレージが使えるので荷運びは問題なく、索敵も空間魔法の得意とするところ、移動もここから試練の森くらいまでなら大丈夫とのこと。完璧だ。

 キャロルはサポート系が得意らしく、直接的なのは駄目だが援護は任せてほしいとのこと。

 うちのパーティ完璧だな。俺仕事ないんじゃないか?


「でも私、攻撃だけは苦手なんです。どうにもイメージできなくて。」


「ん?空間魔法だろ?結構攻撃向きの属性だと思うんだけどな。ルロイ先生、結構硬めの土壁お願いできますか?」


「分かりました。『魔力よ、壁となせ。アースウォール』」


 ルロイ先生は土属性が得意みたいだからな。


「見てろよ、ティア。『ディメンションスラッシュ』!」


 スパッ!ドゴーン!!!


「ほら、綺麗に真っ二つだろ?」


「空間魔法にはこんな使い方があったんですね!流石コータです!」


「ほら、空間を操る魔法なんだから空間ごと切っちゃえばいいんだよ。そしたら物理防御なんて意味をなさない。防ごうと思えば、魔力のゴリ押ししか防ぎようがないんだ。」


「なるほど、それならこの綺麗な断面も納得です。たしかにコータが言うように攻撃向きの属性だったんですね。」


 これでティアはラディックの上位互換だな!

 攻撃から防御、サポートまでなんでもこなせるんだ。

 でも、これに加えて回復まで出来るならラディックが勝てる可能性はまだあるかもな。

 空間魔法じゃ回復は出来ないだろう。俺の貧弱な想像力じゃ空間魔法単体ではどうにもならない。

 これが上位属性の時空魔法になったら別だろうけどな。


「空間魔法まで使えるんだね。実に多種多様で器用なようだ。これは一度諦めたけど」


「ミラお姉様にグリターがいじめてきたと報告させていただきますね?」


 あ、パイセンが静かになった。ミラお姉様強し!

 そこにいるお姉様は固まってしまっているが。


「はーい、決まりました!狭い菱形の陣形で、先頭がラディック、その後ろがティア、キャロルで、最後尾が俺。これでどうかな?」


 説明していく。

 ティアは空間魔法での索敵はできるけど、前衛は駄目だ。レベルとステータスに任せた戦いはできるだろうけど、前衛としての敵を引きつけたりする役目は果たせないだろう。


 だが、ラディックの腰の剣が飾りでないならばその前衛の役割はきっと果たしてくれるはずだ。


 キャロルは全体をサポート出来るように真ん中に配置。攻撃が不得意ならば先頭にも最後尾にも配置する意味はないからな。


 一番最後に俺だが、正直残ったところに当てはめただけだ。

 しかし、理由付けを行うならば、俺なら森という視界の遮られる場所でも遠距離からの攻撃は可能なのでラディックのサポートも出来、狭まった菱形にすることで横からの攻撃が来た時に攻撃が不得意なキャロルや近接戦の不得意なティアをカバーすることもできる。


 縦列の陣形とも迷ったんだが、ティアから離れすぎるのもアレなのでこの形にした。

 縦列にするとどうしても二番目がティア、三番目がキャロルという形になってしまうのだ。

 まあ、コンパクトに収まった陣形の方が連携も取りやすいし、守りやすいのでこれが最善だと思う。


「いいんじゃないでしょうか。」


「お前に決められるのは癪だがこの剣が見せかけだけじゃないことを証明してやろう。」


「わ、私も、が、頑張りましゅぅぅぅ。」


 噛んだな。文字通り下も噛んだようで痛かったみたいだ。しゃーないな。


「ほら、『ヒール』どうだ?まだ痛むか?」


「い、いえ。ありがとうございましゅ。」


 また噛んだみたいだけど痛がってないから大丈夫そうだな。

 俺は回復魔法を使う時、まず最下級のキュア、その次にヒールで、あとは適当にハイとかエクストラとかつけている。で、この前使ったエンジェルブレスが今のところ最高位だ。

 キュアとヒールの違いは擦り傷とかはキュア、HP的な感じの時はヒールって感じだな。

 でも一番はその場の気分である。

 キュアとかヒールで致命傷を全回復とかロマンがあると思う。


 ということで、役割と陣形は粗方決まった。

 ほら、お姉様!呆然と立ってないで他が決まるまでお話でもしましょう。





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