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創造神の力で異世界無双  作者: TKG
異世界ディファード
111/221

迷子属性

 あー、しんどい。

 楽しい楽しい雑談のはずだったのに、なんだよこの質問攻めは!

 今まで何をしていたのかとか、魔法のこととか、色恋沙汰とか。

 どうにかのらりくらりとやり過ごしているけど、正直限界は近い。

 それに、色恋方面の話になった途端に妙なテンションで姦しさ倍増だ。

 もう、逃げ出したい。

 さらに追い討ちをかけるような出来事もあった。


「それで、初恋はいつですの?やっぱりクオかレティですの?」


「ああ、クオもレティも同じ村」


「嘘。」


 リルには真実を告げているが、ラヴィとディアナは言わずもがな、ティアにだって言っていないのだ。村設定は健在である。はずなのだが、レティに嘘と言われてしまった。

 なんでそうなるんだよ!このタイミングで話すつもりなのか⁈

 いや、レティに限ってそんなことはしないと思うが。


「光太の初恋は五歳の時。近所の当時二十歳のお姉さん。度々迷子になっていたのを偶然何度も助けてもらい、そこから仲良くなって遊んでくれたりもしていたので好きになったみたい。」


「なっ⁈」


 その嘘かよ!適度に誤魔化そうと思ってたのに!

 五歳ながら一人で散歩することが日課になっていた俺だが、五歳の俺では当然なかなか道を覚えることもできず迷子の日々だった。

 まあ、迷ってもそれで時間が潰せたので遊び感覚になっていたのだが、ある日一人のお姉さんが声をかけてくれた。

 お姉さん曰く、キョロキョロしていたので迷子かと思って声をかけてくれたらしい。

 それからも何度か同じようなことがあり、お姉さんが道を教えてくれたりもした。

 ある時、ポロっとウチの内情を話してしまってからは遊んでくれたりもしたのだ。

 たが、お姉さんが引っ越したのでそれからは疎遠になった。近くの大学に通っているようなことを言っていたので就職とかで仕方ないことだろう。

 それでも、その話を聞かされた時は泣きついて離さなくて困らせたことを覚えている。


 という話を少し誤魔化しながら話した。

 大学とかウチの内情とかここで話せるものじゃないからな。

 それにしてもあの紙は本当にどうにかしないといけない。

 このままでは後何回俺の過去が明かされるか分かったものではない。


「迷子属性は子供の頃からだったのですね。」


「迷子になって女性と出会う属性ですわ。」


 なんだよ、その属性は!

 お姉さんとティアだけだろ!クオもレティもリルも迷子からの出会いなんかじゃないぞ!

 クオの時は、人生迷子になってた時に出会ったって?え?レティの時も側から見れば草原で迷子?リルの時はキャラが迷子になっていた?そう言われれば…

 やかましいわ!


「コータ君、急に息切れなんかしちゃってどうしたの?汗までかいちゃって。」


「な、なんでもない。じゃあ、そういうラヴィはいつなんだよ。初恋は。」


 ということが先ほどあったのだ。

 あの紙はどれだけ複製されているのかも謎だからな。それに一つでもレティから奪い取るのは至難の技である。

 途方も無い困難に、分かっていながらも立ち向かわねばならないなんて神様はなんと無慈悲なんだろうか。特に法神と闇神!君達二人だよ!


 因みにラヴィの初恋はお兄様だそうで。

 とても優しいのだそうだが、ある時お兄様の修羅場に遭遇してしまい目が覚めたそうだ。周りには四人程の女性がいたそうだ。

 重婚が認められていても貴族は正妻がどうのとかの問題があるのだそうだ。

 リルは最初はありえないと言いたげに話を聞いていたが、目が覚めたあたりでしきりに頷いたりしていた。

 フリーズよ、可哀想に。


 それからは、次にティアに話が移りある物語の勇者が素敵とか言い出した時にはティアらしい他は思ったが、卑怯だと叫びたくなった。


 だが、その物語は有名な話のようでラヴィもディアナも、そしてリルも乗っかって大いに盛り上がりを見せた。当然、クオとレティは真実も物語も知っているので無難に対応していたが、俺は知らなかったのでその物語を力説された。

 その物語はあのスキャンダルの勇者の物語だった。序盤で聖剣を使わなくなるのには驚かされたが、効果が効果だからな。納得である。

 しかし、スキャンダルの効果は現代には伝わっていないらしく綺麗な物語に仕上がっていた。なぜ聖剣を使わなくなったのかは色々と憶測が飛び交っているらしい。


 しかし、神崎は対応してくれたのがレティで本当に幸運だったよな。どの神がそんな悪ふざけしたのか知らないが、ブームになっていたというくらいだから多くの神が関与していることだろう。

 だが、クオとレティが言っていたようにスキャンダル勇者も他の部分は大分チート性能だったようだ。

 力を与えるんだから、神の娯楽にも付き合え的な感じでも文句は言えないだろうな。


 まあ、この話で盛り上がってくれたおかげで俺の話にならなくて済んだので感謝だな。

 力説されて微妙な顔になるのを抑えるのに必死だったが。


「それにしてもよく歓迎会にみんな足を運んでくれるよな。」


「もし、公爵や王族との繋がりがどうとか考えているのなら大きな間違いですわ。」


「そうですね。たしかにそれも少しはあるかもしれません。ですか、コータ達と仲良くなりたい人は大勢いますよ?」


「男子はニ派閥ともの御神体が揃うんだから当たり前だね。でも、コータのあの風魔法は仲良くするには大きい理由になると思うなぁ。」


 御神体はレティの場合はシャレになってないが、さっき聞いた話では第三派閥として俺の魔法の女性、つまりクオリティア様が出来上がりつつあるらしい。名前は知られていないそうだが。


「魔法学園に通っているということは魔法に対して良くも悪くも熱心だということですわ。魔法学園は魔法の最難関。そこに通っているというのは伊達や酔狂じゃありえませんわ。」


 なんかごめんなさい。


「だからこそ仲良くしておきたいはずだよ。男も女も関係なく、ね。」


「それぞれに色々な考えがあって今日の歓迎会に参加されていると思いますが、コータ達を歓迎しに来るのに嘘わないと思いますよ?」


 そりゃそうだよな。

 ティアみたいに何も関係なく仲良くしてくれる方が珍しいんだろうな。

 何か理由があってお互いに関わり合っていって、最後に仲良くなるのかならないのかは自分の選択次第。

 会って今日友達を信じられる程俺は出来ちゃいない。

 そこを分かってくれての言葉なのかもな。

 みんな歓迎歓迎しに来てくれているなんて言われても、理由なく来るなんてあり得ないと一蹴りしていたかもしれない。

 こんな理由があるかもしれないけど、だからこそ歓迎してくれていると言われた方がしっくりくる。

 友達作りに長年失敗してきた弊害だな。


「そうだな。みんなと仲良くできるように頑張るよ。せっかく来てくれるわけだし。」


 与えてくれた機会を最大限に活かしてみせる。

 最初の経緯はどうあれ、最終的に友であればいいのだ。

 利用し利用される、そんな関係から始まってもおかしくないんじゃないだろうか。


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