異世界は思った以上に過酷そうだ
やってきました異世界!
見渡す限り自然、自然、自然って感じだな。なんて思考が頭を過ぎる。
異世界感と言っていいのか、人工物が見当たらない点にその気配を感じる。
日本だと、どれほどのド田舎でも電柱の一本くらいは目に入るだろう。
ちょっと感動…
ふと、そういえば…、と。
クオは俺以外に姿見えるんだろうか?
「クオ、俺以外に姿って見えてるのか?」
「うんっ!見えてると思うよ。あれは神界だったからだし、今は地上に降りる為に力を制限してるからね」
「力を制限?」
「うん、怪しまれない様にね。ステータスは隠蔽ってスキル持ってると偽装出来るんだけど、魔力を感知できる人とか結構いるんだよ」
なるほど、感知した魔力とステータスの魔力が違うと怪しまれるって訳か。
まあ、他のニュアンスも含んでいそうだけどな。
例えば、強すぎる力が周りに悪影響を、とか。
「コータも才能値は制限されてると思うよ?高かったら、レベル低いのにステータスめちゃくちゃ高いとかって事になりかねないからね」
「誰がしたんだ?」
「メーティスだと思うよ。まあ、後から自分で解除できるから安心しなよ」
へぇ。
色々と配慮しないといけないことが多そうだな。
「それで、ステータスってどう見るんだ?」
「ステータスは魔力を使って見るから魔力がないと見れないんだけど、魔力ってステータスのINTとMND依存なんだよね」
「ふむふむ…」
「だからコータにもMPの最大値はあるんだけど…。まだこの世界に来て、初めて魔素を取り込んだばかりだから、MPに変換できてなくてゼロなんだよ」
「……他に方法はないのか?」
別に今後見れない訳じゃ無さそうだけど、今見たいよな。やっぱり。
自分のステータスとか心踊るじゃないか。
ショボかったら心にぶっとい杭が深々と刺さりそうだけど。
「あるよ!クオがステータスを確認して、それを光魔法で可視化させる方法が簡単かな?言ってみれば、投影魔法、って感じだね」
おぉ、そんな方法が。
「じゃあ、早速お願いしていいか?」
「うん、わかったよ!でも、その前に…」
………何か不穏な気配を感じるのは俺だけか?
まあ、今この場には俺と顔しかいないわけだが。
「レベルって魔力を取り込む事で上がっていくんだけど、コータはレベル1だからね。レベル1の時は誰でもオールいち。ステータスは、トレーニングとかでも上がるけど衰えで下がってしまうから…」
見る前にステショボいぞ宣言!
ま、まあ、これからの伸び代がめっちゃあると考えよう!うん…
「魔力がない世界の人は、ある世界よりもトレーニングでステータスが伸びやすいの。ある世界の人たちは、無意識に魔力で補ってしまうからね」
「一応、利点はあるんだな」
「結局は魔力強化される方が強くなるんだけどね。それじゃあ、確認するよ?」
低いぞ宣言されててもドキドキするな!
こう、何か込み上げてくるものがある。
「これは…、メーティスからかな?じゃあ、投影するよ。えいっ」
魔法って詠唱とか無いんだな。いや、クオが凄いだけかも。
えいっ、ってめっちゃかわいいけど。
コウタ タカハシ LV1
種族:神人
年齢:16 性別:男
HP18/18
MP0/18
STR: 1(5)
DEF:1(5)
DEX:1(5)
INT:1(5)
MND:1(5)
才能値《制限》
STR:5 DEF:5 DEX:5
INT:5 MND:5
固有スキル
【創造LV.EX】
【最適化LV.EX】
【完全記憶LV.EX】
【神力変換LV.EX】
【神眼LV.EX】
【神化LV.EX】
【制限解除LV.EX】
特殊スキル
【取得経験値10倍加LV.EX】
【取得スキル経験値10倍加LV.EX】
【限界突破LV.EX】
技能スキル
魔法スキル
称号
【創造神の寵愛】
【異世界人】
【世界の外側に存在する者】
【理に縛られない者】
【超えし者】
【至りし者】
EXP:0
うおっ!
凄いな、これが念願の魔法なのか…
手で触っても透けるし、不思議な感じだな。
ただ、魔法と言われて、派手なものを想像しすぎたせいで反応は薄くなってしまったが、内心すごい興奮しているのが自分でもわかる。
しっかし、ステータス低いなぁ…
全部デフォだし。
()の中がトレーニング分かな?
トレーニングもスポーツも学校の授業くらいでしかやったこと無いけど、上がりやすいらしいからこのくらい普通なんだろう。
それと比べて、スキルは凄いのではなかろうか。
仰々しい名前ばかりだが、その分使わなくても凄いのが分かるって感じだ。
称号は、…照れ臭いな。クオはなんでニコニコしていられるんだ?
「ステータスの横の()はトレーニング分だけど、コータの世界のアスリートって呼ばれる人たちは、大体、5倍か6倍くらいだね。こっちの世界だったら冒険者は大体その2倍くらいあるけど。()じゃなくて素が、だけどね」
()の部分を指差しながら説明する姿に、若干ホッコリしながら聞いていたのだが…
いやいや。5倍、6倍も驚いたけど、冒険者化け物かよ!こんなステータスで生きていけるのか?
「元々無い自信が、ガシガシ削られていく思いだな。メガネのレンズがプレパラートになっていく…」
「大丈夫じゃないかな?一般の冒険者の才能値は大体2だからね。スキルもあるし、すぐ追いついちゃうどころか、追い抜いちゃうと思うよ」
一般の冒険者でそれなのか…
だとしたら、ヤバイ怪物がいるってことじゃないか。
ヤバい、想像以上にヤバそうだぞ異世界。
そして異世界のヤバさにやられた俺の語彙力もヤバイな…
ステータスの説明は次回。
ステータスでおかしい所があったら報告お願いします。




