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魔王生活っ!  作者: 山路みかん
1章 第15代目魔王 起床
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魔王叶偉とルーランタン

 こあくま4人が魔王の部屋から出て行ってから、体感で10分ほど経ったのち、ルーランタンが部屋に入ってきた。

「魔王様、急に倒れて唸るものですから心配しました。音楽が大きすぎたのですね」

「唸ってたの? 俺」

 まさか気を失ってからも、唸ったなんて、少し……いやすごく恥ずかしい。

「そりゃあもう、うるさいものでした。“いやだいやだ、魔王なんていやだ、魔法なんていやだ……”ってねぇ」

 ルーランタンはため息混じりに言う。

「………………………」

 俺氏、言葉がでない

 いくらなんでも恥ずかし過ぎる。

 ………いや、お化けってなんだよ。

 幼稚園児か、俺は。

「まぁ…気になさらずに。それを見ていたのはあの広間にいた悪魔並びに絶極城に仕える者ども、あわせて…まぁ二千ちょっとぐらいですから」

「それ、凄い数だと思うよ?!俺の通っていた小、中学校の全校生徒軽く超えてるから!」

 あっちの世界と、少し…いやかなり基準が違うのだろうか。

 …………どっちにしても、すごくショックだ…

「いやいや、本気にしておられるのですか?冗談ですよ、全部。…………まさか前の世界には冗談が無かったり…?」

「はぁ?冗談かよ驚いたよ!……っていうか逆にこっちの世界こそ冗談がないと思ってたよ!」

 まぁこあくま4人を見ていたから、完全にそうとも言えないのだけれど。

 ルーランタン、恐ろしい。

「…………そういえば魔王様、私より前に誰かこの部屋に入ってはこられませんでした?」

 ルーランタンはどうやらこあくまがこの部屋に来た事を知らないらしい。

「来たよ、4人の〈こあくま〉が」

「なんと!」

 ルーランタンは少し古いような感嘆の聲うをあげ、頭を抱えた。

「よりによって〈こあくま〉かぁ…あの糞ロリどもめぇ…」

 唸った。面倒臭そうにしている。

 そして、俺と初めて会った時と同じように口が悪い。

「うぅ……あぁ…………。…魔王様、あの者たちが何か言いましたか?」

「特になにも……。俺の前の世界の話をしたり……少し冗談を言い合ったりぐらいだよ」

 そうですか…まぁいいか…。などと言っているルーランタンは、少なからずあのこあくま4人を良くは思っていないようだ。

「どうしてそこまで心配したんだ?」

 という俺の問いには、

「あの者たちはっ!なにかあるたびにっ!悪戯………悪質な悪戯を私“だけ”にっ!仕掛けるっ!最悪にして最低のっ!輩ですっ!」

 と、とても力強く答えた。

 ……要は、相性が悪いのだろう。

「はぁ…前回のダンスパーティーの時なんか…」

 とルーランタンがこのまま愚痴モードに入ってしまいそうなので、慌てて俺が止めに入る。

「なぁルーランタン、あのこあくまから……まぁ少し聞いたんだけど…」

 ルーランタンは〈こあくま〉の単語に少し反応を示したけれど、それ以上喚きはしなかった。

「まず1つ目、〈魔王〉の仕事って何なんだ?」

「それに関しては…私からは面倒くさいので〈堕天使長〉に訊いていただけないでしょうか」

 面倒くさいってなんだよ!面倒くさいって!仕事をしろ!少しは!

 慈悲深い俺は、それについては黙ってやることにした。

 仕方ない。

「じゃあ、2つ目。この世界の〈魔法〉について、教えてくれ」

「〈魔法〉ああ…〈魔術〉のことですね」

 ルーランタンは俺の間違いを少し訂正して、話し始めた。

「〈魔術〉。それはこの世界を創造したもうた〈女神〉でさえも、縛られる法。

………〈魔術〉によってこの世界は創造されたのですから、この世界の根本は〈魔術〉と言っても過言ではありません。」

 眠気が顔を出してきたので、俺は突っ込む。

「そんな堅苦しいのはいいから。もっと簡潔に、分かりやすく話してくれ」

 ルーランタンは少し驚いた顔をしたが、

「わかりました」

 と言うと、話し方を変えた。

「まぁ、この世界には〈魔術〉が存在するわけですよ。でも当然、《この世界の生き物》は魔王様の前の世界同様、〈魔術〉なんて使えるわけがないんです」

 こほん、とわざとらしい咳を出してルーランタンは続ける。

「〈魔術〉を《知能が高い生き物》が勝手に使ったら、女神も面倒くさいですからね。だからこの世界で〈魔術〉を使える肉体生物はいないはずです。……けれど、女神にとって予想外の出来事がありましたよね…?」

 そう訊いてきたルーランタンの問いに、俺は答える。

「天使の堕落…?」

 その通り、と言って悪魔は話す。

「天使は、この世界の肉体生物ではありません。その上、女神のこの世界創造にも関与していたため…もちろん〈魔術〉を使用することができます。……そのため堕落した天使、堕天使〈悪魔〉も、〈魔術〉を使えるということになります」

「だからお前も、〈魔術〉を使えるということか」

 まとめた俺の言葉に、頷いて肯定するルーランタン。

「私だけでなくこの城に仕える者たち全員、〈魔術〉を使えます」

「と…言うことは?」

 そうなのか?もしそうだとすれば、悲しい感じ100%なのだが…

「その考えは半分合ってはいますが、半分間違ってもいます」

 どういうことだろう。

「その、魔王様が仰っていることは………この城に〈人間〉がいるかということでしょう?」

 ああ。そうだ。

 この城に仕える者全員が〈魔術〉を使えるということは、全員悪魔ということなのではないのか。

 ルーランタンの言っている意味がわからない。

 ルーランタンは何故か間をあけて、いっこうに話し始めようとしない。

………………………………………………………………………………

 そしてルーランタンは、ゆっくりため息を吐いて呟いた。

『次回に続く。』

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