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魔王生活っ!  作者: 山路みかん
1章 第15代目魔王 起床
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カナとプリン 7

 お風呂のお湯が飛び散った後、お風呂には少量のお湯しか残っていなかった。

 これもすべて堕天使長ルシファアのせいだ、と私は心の中で毒づく。何から何まで、しゃくに障る。

 私の怒りも落ち着いてきたころ、再びルシファアの聲が聞こえた。

『……カナ、さっきは悪かったよ……。だからもう一度、私の話を聞いてくれないかい?』

 少年っぽい聲なのに、ルシファアの一人称は『私』だ。その辺も、よく分からない。

 何も言いたくなかったので、私は黙っていた。

 ルシファアはどうやら、この私の沈黙を肯定的に取ったようで、話を続けた。

『突然なんだけど……カナ、サネから何か聞いた?』

 ルシファアの声色は、いつも通り。だけれど、わざわざこんなことを訊くのはいつも通りじゃない。

 私は、この問いかけにどう答えるべきか逡巡する。

「…………」

 今回は、ルシファアも黙って待っている。

 このまま黙っていてもしょうがない、と私は意を決して口を開いた。

「私が、何をサネ師匠から聞くというの」

『……』

「突然、って何よ。私が誰と何を話そうが、ルシファア、あなたには関係ないじゃない」

 こちらが主導権を握るため、少し怒りが見えるように声を大きくする。

 私の答えは、どちらともとれるはずだ。

 しかしルシファアの能力は、私の想像の範疇の超えていた。

『……聞いたん、だねぇ』

 一瞬、ルシファアの言っている意味が分からなかった。

『聞いたん、でしょう?〈選出〉者リフリアと、ルーランタンのおはなし』

 今になって考えてみれば、私の言動はいささか不自然だった。こんなことなら私は、強くノーというべきだったのだ。

『カナにしては変な言い回しだったもんねぇ』

 このことでサネ師匠に悪いことがないといいのだけれど、と心配する私にルシファアは話す。

『いや、別にカナが知ってしまったからどうのこうの、っていう話じゃないから大丈夫だよぉ。逆に私としてはとても嬉しい……』

 そこで一旦、ルシファアは切る。顔を上げたカナとルシファアの目が合う。

『カナ。君が一種の好奇心を持つならば、この城、絶極城の図書室に行ってみるといい。私が言えるのは、ここまでだった……はずだ』

 急に大人びた口調になったルシファアは、その言葉を最後に、カナとの会話を終えた。

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