謎の少女
さっきの化け物が消えてしまったことは不思議だけど、とにかく吊り橋を渡ることができました。
道中何匹か狼が出てきはしたが、大して戸惑うこともなく山頂までくることができました。他にも鹿や猪がいました。鹿は夕食用に捕獲しておきました。
「ふー、やっと山頂ですね。ここからどれぐらいでセインスですか?」
「んっとね。今だいたい半分くらいかな。そろそろ夕方だし、今日はここで野宿しよっかー。」
たしかに、景色もいいし丁度いいかもしれないですね。
「そうしましょうか。」
宿泊場所の確保をナタリーに任せて、私は木の実などを、採取してくることにした。
「一応、周りは暗いし気をつけなよ?何かあったら、大きな声だしてくれればすぐ行くから。」
周りにある木の実をテキトーに取りつつ歩いていると人の身長くらいあるキノコがあった…って、でかくない!?
…食べれますかね?
「無理だよ、お嬢ちゃん。」
「え?」
何故か、褐色の女の子が近くの木の枝の上に立っていた。おへそとか出しててなんだか踊り子さんみたいな服をきてる。寒くないんですかね。
って、心読まれてる!?
「それ、魔物だからさ。」
「そうなん、ですか…。教えてくれてありがとうございます。」
「お嬢ちゃんとあたしの仲でしょ?」
そう言って笑ってるけど全く知らないよ。
「いや、もしかしてどこかで会ったことあります?」
「ないよ。」
即答だった。
「ただ、一方的にあたしが知ってるだけだよー。」
「どうゆうことですか?」
「まだ、知らなくていいさ。」
戯けたポーズで手を動かす。すべての言動が演技じみてる。
「ところで、こんな所でなにしてるの?野宿?」
「いや、この山にちょっと用があってね。それじゃ!あたしはもういくよー。」
ビシッと敬礼のポーズをして、すぐに消えてしまった。
台風みたいな女の子でした…。でも、わざわざ言ってくれるなんて、やさしい子なのかな。
キノコに気をつけつつ、木の実を取って、戻る事にします。
戻ると、ナタリーが野営の準備をしてくれていました。毛皮を剥いだ狼を焼いてるみたいです。
肉食の動物は肉が硬いっていうけど、美味しいのかな。
「結構、木の実がありましたよ。」
「こっちは、さっき狩った鹿を焼いてるよ。木の実のあく抜きしといてくれるかな。」
「いいですよー。この鍋つかいますね。」
そんなこんなでご飯を作って食べて寝る事にしました。
そして次の日です。別れる前にナタリーとセインスで遊ぶことにしました。
セインスは聞いていた通り、港町で商売が栄えているようです。
口調が同じで区別しにくいので変えました。