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影山自動車社長誘拐事件

作者: kiyu
掲載日:2008/03/27

当時世界第3位の自動車メーカー、影山自動車社長の影山広松氏が誘拐されたのは、偶然にも平成4年4月4日のことだった。


その日、南関東市には雨が降っていたので、僕は自宅でずっとそのニュースを見ていた。


僕の家の車は影山自動車製だったし、当時、影山自動車はF1で圧倒的な成績を修めて勝ち続けていたので、少なからず、そのニュースには興味があった。


影山社長は、朝、社用車で本社に向かう途中、犯人グループに拉致された。


偶然にも、その一部始終を目撃した人によると、犯人グループは4人組で、影山社長が煙草を買う為に、社用車から降りた瞬間を狙って襲撃したらしい。


犯行時間僅か1分ほど、あっと言う間の出来事だったという。


最初に第一報が報道されたのは、午前9時4分。それから一日中、ずっとそのニュースが報道され続けた。


と、いうことは、僕は一日の大半をそのニュースを見て過ごしたことになる。


事件当時、僕は12歳で、確かその日は創立記念日で、通っていた小学校は休みだったはずだ。


その日の夕刊も殆どのページが、そのニュースで埋め尽くされていた。


翌日、学校でもそのニュースはかなり話題になっていて、友達と事件について話したりもした。


なぜ、たかが小学生の間でも、これほどの話題になったかは、影山自動車がF1で勝ち続けていたからだと思う。


やはり、小学生はカッコいいものに憧れるから。


1週間ぐらい、事件は常に新聞の1面を飾り、ニュースでも常に最初のニュースとして、取り上げられた。


だからこそ、僕は心の奥底で、影山社長が殺害されるのを期待していたのかもしれない。


僕は、こういう大ニュースを聞くと、とても興奮する。歴史の目撃者になったような気がするのだ。前年に起きた列車事故もそうだった。


だから、影山社長が殺されれば、より大きなニュースになると思っていた。だけど、皆はそれを、「不謹慎だ」という。


しかし、僕の期待は大きく裏切られることになった。


警察は当初、この事件を身代金目的の犯行だと見て捜査を始めた。


しかし、その後身代金を要求する電話は一切掛かってこなかった。


それどころか、社長も、犯人グループ達も、それ以降全く消息がつかめず、5年ほどして大掛かりな捜査は打ち切られた。


小規模な調査は、続けられたが、やがてそれも無くなった。


勿論、影山社長は行方不明のままである。


次第にこの事件も人々の記憶から薄れ、新聞に記事が掲載されることも、テレビの「あの人は今?」などの企画で取り上げることさえも無くなった。


あれから16年、影山社長はどうなったのだろう。


僕は今でもこの事件に疑問を持ち続けている。











前日から、僕の父と母、それに叔父夫婦が行方不明となっていたからだ。


この年、南関東市では他に3件の失踪事件が発生している。



END

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― 新着の感想 ―
[一言] 書き方やストーリーの展開は好感を持てるのですが、 終わり方があまりにもあっけないのですし、 その後の話がどうなったのか気になります。 この小説の続編を期待しております。
[一言] 短くて物足りない作品。アイデアの形、といったところかな? これで、長く書いてあるのがプロの仕事なんだなあ。 気力があれば、もっと長いもの、凝縮されたものを書いてもらいたい。それを読んで見たい…
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