表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

第5話ードワーフの鉱山街ー

第5話更新。

最初の目的地であるドワーフの鉱山街でのお話です。


無事ドワーフの鉱山街に辿り着いた一行は現在、リーシャの知り合いのドワーフの家を訪れていた・・・・・・のだが。

「セリーナ、武具を造れないってどう言う事?」

「ん〜、実はねぃ今ドワーフの鉱山街に鉱石が一つも無いんよ。だから造りたくても造れないんだよん」

今リーシャと話しているドワーフの名前はセリーナと言って、齢50歳の若き女鍛冶師だ。

ドワーフは200年は生きる大地の妖精に属する種族で身長は平均130〜140センチ程で手先がとても器用で主に鍛冶師や細工職人として生計を立てている。また、力が強く戦士としても優秀で頼りになる存在だ。

因みにセリーナは人間の年齢に換算すると25歳くらいである。

「鉱山街なんだから鉱山に行けば鉱石は採れるんじゃないのか?」

「そうなんだけどねぃ。鉱山自体に入れないんだよん」

竜騎の質問にセリーナは困った顔で応える。

「どうして?デスバイソンが住み着いているとは聞いたけどドワーフの戦士なら討伐出来る筈」

「住み着いたのが、デスバイソンだけならね。鉱山に住み着いたのはもう一体でそっちの方が相当厄介なんよ。なんせ火竜だからねぃ」

セリーナがそう言うとあからさまにリーシャとレンの顔色が変わる。

竜属はこのガルムレイドが神によって創造された時、神によってガルムレイドの覇者として創造されたと言われる強大な種族で中でも火竜は強さ・狂暴さとどれをとっても竜属でも1、2を争う存在なのだ。だが、本来火竜はクリスティア王国周辺には居ない筈だ。

「成る程。なら、火竜が鉱山から居なくなれば武具を造って貰えるんだな?」

竜騎の言葉にリーシャ・レン、そしてセリーナの顔が驚きに染まる。

「無理無理無理無理!絶対に無理ッス!」

「タツキ、死ぬ気なの!」

「お兄ちゃん、勇気と無謀は別物だよん!?」

「・・・・・・リーシャの表情がそんなにコロコロ変わるの初めて見たな〜」

三人の女性達が竜騎に詰め寄り叫ぶが竜騎は呑気にそんな事を言った。

「別に倒す必要は無いだろ?理由を話して他の所に行って貰うか、共存すれば良い」

真面目な顔で竜騎が三人に言うと三人は呆気にとられた表情をした。そして、セリーナがいきなり吹き出すとケタケタと声を上げて笑い始めた。

「あひゃひゃ!そうだねぃ、お兄ちゃんの言う通りだ!うん、気に入ったよん。火竜の居る鉱山山頂までの道案内はお姉さんが引き受けた!」

そう言ってセリーナは座っていた椅子から立ち上がると竜騎の側に近寄り竜騎の背中をバチンと叩いた。


ゴツンッ!


「いってぇぇぇぇぇぇっ!?」

ドワーフの力で叩かれた竜騎はその反動でテーブルに額をぶつけ背中と額の痛みで悶える事となった。

これがゲームなら【タツキは100のダメージを受けた!】と出ている事だろう。


場所は変わって鉱山登山道入り口。

あの後、少ししてからセリーナの家を出た竜騎達はセリーナの先導の下、鉱山の麓にある登山道入り口にやって来ていた。

「ここが鉱山の登山道入り口だよん。魔物も出没するから十分注意してねん?」

セリーナは右手に持った2メートルは有ろうかと言う鋼製のバトルアックスを肩に担ぎ左手で登山道入り口を指差しながら竜騎達に言う。

セリーナの装備はバトルアックスと素肌にミスリル製の鎖帷子(くさりかたびら)を装着し、その上に耐火性の高い魔物の革を(なめ)して造った革の鎧に手と足に鎧と同じ革で造ったグローブとブーツである。

「皆、準備は良いか?」

竜騎はリーシャとレンを見て尋ねた。

「あっしは大丈夫ッス!」

腰に巻いたホルスターに納めた魔導銃に手を置き応えるレン。

レンの装備は緑色の上下にセリーナから貰った魔物革の胸当てに頭に特殊な素材で作られたベレー帽、手に魔物革の指ぬきグローブにブーツ。今回は山登りの為にでかいリュックはセリーナの家に置いてある。

「・・・・・・私は体力が不安」

鉱山を見上げ不安そうに応えるリーシャ。

装備はクリスティア王国を旅立った時とほぼ変わらないが、武器が杖からドワーフの鉱山街の魔具店で購入した先端に球状の青いクリスタルの着いたロッドに変わっていた。

「まあ、リーシャは疲れたら俺かレンに言ってくれ。山頂近く迄おんぶするよ。大丈夫だよなレン?」

「勿論ッス。伊達にでかい荷物を背負って行商して無いッス!」

竜騎が手にはめたガントレットの感触を確かめるかのように握ったり開いたりしながらレンに聞くとレンはリーシャに取って頼もしい言葉を笑顔で返した。

因みに竜騎の装備はクリスティア王国出立時と全く変わっていない。

「ほんじゃ行くよんタッちゃん♪」

セリーナは竜騎に話し掛けると先頭に立って登山道を登り始めた。

「タッちゃんって(汗)」

セリーナからの呼び名に汗を浮かべる竜騎。どうやら、セリーナの中で竜騎の呼び方はタッちゃんに決定したようだった。

因みにリーシャはリーリー、レンはレンレンと呼ばれている。


セリーナに導かれ登山道を登って行く一行。

リーシャは登り始めて一時間後に体力を使い果たしてへばったので、現在はレンに背負われている。

「リーリー、頑張ったねぃ」

「レン。きつくなったら言ってくれ。何時でも変わる」

「大丈夫ッス!リーシャ軽いッスからね」

「うぅ、荷物」

細身の身体で意外に力持ちなレン。

レン曰く、何時も背負っているリュックの方がリーシャの3倍は重いとの事だ。

レンを怒らせまい。

竜騎は心に硬く誓うのであった。


「ほいさ!」

「チェストォォォォォォッ!」

鉱石を好んで食べるトカゲの魔物メタルリザードをセリーナはバトルアックスを上段から降り下ろして叩き切り、竜騎は岩の魔物のロックボールに正拳突きを打ち込み粉砕する。

「魔物が多くなってきたな」

鉱山中腹を越えた一行は段々と遭遇率が高くなってきた魔物を倒しながら山頂を目指し鉱山を登り続けていた。

「気ぃ付けてねぃ。そろそろデスバイソンの住み着いた場所が近いからねん」

「・・・・・・その割には魔物の気配が消えた」

レンに背負われているリーシャは魔物の気配を察知する【索敵(サーチ)】の魔法を使って辺りの魔物を探ってみる。しかし、辺りから魔物の気配が消えた事に疑問を感じていた。

「ああ、さっきの魔物を倒した直後から魔物の殺気が無くなった。その代わりにまるで何かに護られている様な感じがする」

リーシャの後に言葉を発した竜騎が辺りを見回した。

その時だった。

【そりゃあ儂が結界を張ったからじゃ】

四人の頭に直接話し掛ける声が響いた。

「誰だ!」

【儂の正体が知りたけりゃ早よ山頂に来るが良い。儂も早く変わり者の勇者に会いたくてウズウズしとるんじゃよ】

何処かワクワクとした声で何者かは竜騎達に話し掛ける。

「あなたはもしや」

【おっと、儂の正体に気付いた魔法使いは一足先に儂の下に来てもらおうかの】

その直後、レンの背中に背負われていたリーシャが突然姿を消した。

「リーシャ!?何処行ったッスか!?」

【安心せい。魔法使いは儂の転送魔法で儂の下に来て貰っただけじゃ。この先に居るバイソンの奴には邪魔せんように言っとるからの。では、山頂にて待っとるぞー】

そう言ってその声はそれっきり聞こえ無くなった。

「兎に角山頂に急ごう!」

走り出す竜騎を慌てて追うレン。

「ちょっ!?タッちゃん、レンレン!お姉さん走るの苦手なんだけどーっ!?」

置いてかれたセリーナの叫びは空しく響き、やむを得ずセリーナは自身の短い足を必死に動かし二人の後を追いかけて走り出すのであった。





【魔物図鑑】


鋼鉄蜥蜴(メタルリザード)

鉱山等に住み、鉱石を好んで食べる蜥蜴の魔物。

お察しかも知れないが元々はただの蜥蜴が魔気に侵され魔物化した存在。

その鱗は鋼鉄で出来ている為、かなり硬い。


岩球(ロックボール)

これまた読んで字の如くの岩の魔物。

元々はただの岩が魔気で魔物化した。

山等の高い所からゴロゴロと集団で転がって来て生き物を押し潰す。



Σさんとこに投稿したセリーナの登場でした。

まあ、Σさんとこに投稿したセリーナは人間とドワーフのハーフでウチのセリーナは完全にドワーフですが。

今回も竜騎より年上の女性。

・・・・・・意図してないのにハーレムになってしまった(汗)

どうやら竜騎は年上の女性に縁があるよーです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ